戦争に逝く不老不死者2
戦争に参加してから三週間が経った。
自分たちの小隊はこの二週間で5000人ほど殺した。取り逃がしはほとんどなく出会った瞬間魔法で拘束、そのあととどめを刺し休憩してからすぐ移動。自体は全て空間魔術に入れて1日の最後に野営地で検分。相手の小隊自体はすぐに探知魔法で発見できるためこのスピード討伐だ。
自分たちの小隊だけで7000人ほどの人間を殺したのに対し被害はゼロ。討伐率もほぼ100%である。
こちらの強さを見せつけるために相手の隠密らしきものを殺さずに逃していたら[死の小隊]として恐れられるようになった。
一つの小隊に軍全体の20%が殺されたのだ。これは仕方ないと思う。
そして現在は最終決戦前である。
「相手も固まって動いて来たみたいだな。こちらも平地に移動してそこで戦う方がよおと思うが、何か作戦はあるかね?」
「今回大活躍をしているラスク殿に一番威力がある魔法を打っていただいてからの魔法使いによる攻撃を挟みながらの騎士戦が良いかと。」
「いけるかねラスク君?」
「はい、大丈夫です。」
そんなこんなで白兵戦だ。敵陣とこちらの距離は約1キロほどお互いの人数は王国側が40000人ほど。皇国側が30000人ほどである。
「貴様ら異教徒に死の鉄槌を下す!」
「向こうは気合がなかなかあるね。ラスク君の小隊でやる気を失っていると思ったが、宗教的な説教でもしたのかね?」
「自分は宗教には乏しいので、あまりわかりません。隊長。」
「僕もだよ。じゃあこちら側の士気を上げるためにもどでかいのを一つ頼むよ」
「わかりました。」
隊長とそんな話をしながらも魔法を打つ準備をする。あまりこちら側の被害者を出したくないため一撃で決めさせていただこう。
このために作った攻撃魔法で「影踊り」という魔法だ。効果は自分の影が見えない位置から自分の心臓を突き刺すという魔法だ。
この三週間で理解したが魔法発動が早すぎて相手は自分の魔法に気づかないらしい。
この世界で賢者と呼ばれるような人間しか自分の魔法を発動前に防ぐことは不可能なのではないだろうか?
全員殺すと降伏などがわからないため後方から約3000人ほどは残しておいた。
自分の仲間の屍を超えてここまでたどり着くことは君たちにはできるのだろうか?
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案の定相手国が降伏して来た。俺は周りの人間に褒められたが、今の興味はそんなことではない。
確保された人間たちだ。ルーム内に入りB1の自然保護エリアに行く。そこでは俺の分身たちが捕らえた50名の監視をしていた。
ルーム内とルーム外では時間の流れが違う。最初の一週間で捕らえられた人間たちなのですでに戦争の時よりも10歳ほど年を取っていた。
すでに村ができており、俺はそこの村長と話すことにした。
「言われた通りに生活しているか?」
「はい、最低1組4人の子供を設けることはできています。」
「ならば良いこれからも人口を増やしていけ。」
「かしこまりました。」
こいつらには洗脳魔法の「ディープ メモリーズ」というものをかけている。
その名の通り昔からの深い思い出のようにこの村に住み、この伴侶と結婚していると思っている。
何一つ疑問に思わず、3人目に生まれた子供を差し出してくる。この3人目に生まれた子供は人型魔物の実験のために使わせていただく。
運が良ければエルフやドワーフのようなものになれるかもしれないがな。