動き出す不老不死者7
やあ、俺だよ俺!ラスクだよ!
感動の再開から5年たち俺は無事に子爵家の人間からも認められるようになった。最近は結婚しろと周りがうるさいが俺は一切する気はない。そんなことをするくらいなら旅に出る。
「結婚とは宝くじのようだ」といっている人もいるがある偉人はこんな言葉を残した、「宝くじのほうがましだ。なぜなら当たりがあるのだから」
そんな近況はどうでもいいとして、ダンジョンと魔物の話である。
最初にダンジョン。これは東京ドーム25個分の広さを持ったものが五階層分ある。最下層はいつもの生態を残しておく場所でありここだけはいまだに広さが増え続けている。さまざまな生態系を残すために今では東京ドーム225個分ほどある。
ここをB1とするならば、B2は魔力を持つ鶏の飼育場所である。B3は牛、B4は豚、B5はウサギとしている。気長に世代交代を見てもよいが実験のときに鶏ならまだしも他の大型動物の出産を見ていくには限界がある。
魔物を出す時期を間違えれば科学が発展していき、自分の不老不死の秘密がばれるかもしれない。それに危機感を覚え今はルーム内の時間を1日で半年過ぎるように設定してある。これにより世代交代などが頻繁に起こせるようになった。
まずは魔物。これは前回の実験で魔力と魔石が関係したみたいで、生まれてくる子供にも魔石は備えられていた。
これが一番の収穫だろうか。そして世代交代が三回目になるにつれ少しずつ生態が変化していき、普通の鶏とは身体能力や姿かたちが変わっていき最終的には一定の形で落ち着いた。
これが鶏のくちばしと鶏冠とつめを鋭くし、体格を1.5倍ほどにしたような姿をしている。魔石自体の大きさは1cmほどで小ぶりかな?と思うほどである。一応「大鶏」と名前付けている。
他の動物たちも変化していき、「角ウサギ」、「怒り牛」、「頭突き豚」と命名した。
命名センスがないのはもともとなので仕方がないと思っている。
ここで一つ問題が出てきた。普通の動物がなぜ魔物かしないのかということだが、自然界には残念ながら魔力というものがあふれていない。正確に言うと魔力がほぼ存在していない。人間が魔法を打ったときに少量その場に残るが、ほかの人間に魔力をなじませるようにして消えていく。
ここは前回の実験で魔力を動物になじませていた時と同じ感じだろうか?
それに同じ時間ずっと魔力で動物をなじませ続けるなんてことはできない。その分の魔力がないのだから当たり前である。
よってこの世界には魔物は存在しないことになっている。
そのため人間とはなぜ魔力を持って生まれてきたかはわからない。これこそ自分たちが作られた存在だと証明できる結果のひとつではないだろうか。
周りには魔力はない。人間しか見たところ魔力を宿していない。魔力を発する器官が人間にはないのに魔法を使える。これだけ材料がそろっているならば他に人間が生み出されたことがわかる。
魔力というものがプログラムとして人間という存在に与えられているならば、
魔物は今人間ということになってしまうが神様はこれを見て何を思うのか非常に気になる。
そんなことはおいておいて近況の話をしようどうやら近々戦争が起こるみたいだ。