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動き出す不老不死者5

「やっぱりないか」


盗賊の遺体を切り開いて分かったことは人間の体にはどこにも魔石みたいなものはなかった。盗賊全員を切り開いたし、魔導士風なローブのやつも切り開いたがどこにもなかった。


魔導士風な奴は上級魔法を使用していたので魔石があると思ったが体の中にはない。


これにより結論付けられるのは、魔石の有無は魔法には関係ないということだ。今後の生物実験にも応用がききそうである。


さて、次は生かしておいた盗賊の体の中に魔石を埋め込んでみようか。


「そこで何をしている!」


盗賊の死体に夢中になっていると、後ろから声をかけられた。声をかけてきたのはローブ姿の美女と騎士みたいな姿の三人の男たちだ。後には大きな馬車が停められている。


「盗賊の身分証か何かないかなと思いまして。」


「そんなに死体が切り刻まれてバラバラなのはおかしいだろ!」


「そうは言われても私の必殺魔法を放ったので、このように内蔵などが見える結果に…」


「盗賊に対してでもやりすぎだぞ!」


「やめなさい!」


そんな会話をしていたら急に美女が会話に入ってきた。


「ねえ、あなたは偉大な魔術師なの?ずいぶん若いようだけれど…」


「魔術師というよりは魔道具技師ですかね?一人歩きができるぐらいの魔法は使えますが」


「ふーん。それにしてはずいぶんと魔力量が多いわね?」


「魔石を作ったりしていると魔力量が上がるんですよ」


「なるほどね。それで騙されるわけないでしょ。あなた私の家に使える気はない?」


「え?」


「ダメです!シャーリー様!こんなわけもわからない奴を雇うなんて!」


「私は誰にも使える気はありませんので…」


「ならいいわ。気が向いたらここに来なさい。行くわよ!」


「はい!」


いったい何だったんだろう?住所の書いた紙を渡されたが一応尋ねるべきだろうか?


【シャーリ視点】


「あいつになんて口の利き方してんのよ!」


「し、しかしクラウンウッド家のことを考えると雇うなんてもってのほか。それにあやつは非道ともいえる魔術で盗賊を…」


「馬鹿ね。盗賊20人に対してあんなことができる魔術師を雇わないのはクラウンウッド家に対する大きな損失だわ。それに感じ取れなかったの?あの底が見えない魔力量を?」


「私は魔力の大きさを測ることはできませんので」


「私でも底が見えなかったわ。あれは将来大賢者とでも呼ばれる存在ね。」


【ラスク視点】


「これが魔導国家ゲリュオンか、案外すぐ着いたな」


旅の日程では調べることはすぐ終わり、飛行の魔法ですぐにゲリュオンの首都にやってきた。ここの図書館に用があるのだ。


魔導国家ゲリュオンは大陸の中立国で戦争があろうが何があろうが他国には手を貸さないと決めている。


国家とは形だけのもので基本として王はいない。国民が指揮を執っている民主制に近いものである。


近いものというのはゲリュオンに所属する魔導士は基本的にランク付けされ、一番上の人間だけが会議に加わることができるらしい。


評価は0から10までの十段階評価だ。


割合は決まっているらしく、上に上がるには新規性がある研究の発表や国の危機を救うなどのことがない限り上がらないらしい。


図書館はそのランクにより規制がされており特権階級ではないものには危険性があるものなどは閲覧できないらしい。


とりあえず、すべての資料が読み込める7を三年以内に目指さなければならない。王国での仕事があるから帰らなければならない。


そのため魔石でも作りながら、ぼちぼち研究を進めますか。


一応ゲリュオンの首都に着いてから1年がたった。


自分が開発した遠隔水晶玉は未知の技術らしい。


魔石をエネルギーとして、遠くの場所と通信ができる物となっている。国家間に配備される予定らしい。


これは時空魔術を応用して作った物だ。距離をゼロにして離しているようにする。そして相手の顔を推奨に表示させるというものである。


しかし改良点としてはコストパフォーマンスが悪すぎる。庶民の間では通用しないと思う。


そして一つわかったことがある。魔法の発動原理だ。


最初は念じるだけで発動する器官があり、超常現象を引き起こしているのかと思ったが、それにしてはその器官が見つからない。


理由は簡単だ。この世界が神(世界の運営)によって作られた世界ならどうだろう?


たとえば地球は箱庭系ゲームが存在する。それは特定のシステムで動いており、プレイヤーが世界を操作できる。


それがこの世界である。その理論なら魔法という超常現象や、地獄という魂の洗浄も説明できる。


魔法はシステム、地獄は与えられたAIの初期化になる。記憶の引き継ぎに関してはより高度なAIを作るためにAI自身に選ばしている物ではないだろうか?


この理論は魔術の歴史や自信の前世を考えて導き出した物だ。誰にも公表せずに心の中にしまっておく。


もしこの理論が正しければ自分もAIの一つと言うことになる。このように転生して死にたくないと願うのは神にとってはバグかもしれないし喜ぶべき研究結果かも知れない。


しかし自分のようなバグがあるなら、他にもプログラムのバグをつくことができるのかもしれない。


まずは魔法がどのように発動してシステムに送られるかを確かめなければいけない。


この理論が間違っていたなら何の意味もない無駄な時間になるがそれはそれで人生のよい暇つぶしとなるだろう。


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