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動き出す不老不死者3

やあ、ラスクだ。


12歳になった。特に話すことはないがもう一人の友人が厄介ごとを引っ提げてきたくらいが最近の悩みだ。


「ラスクそろそろ考えを変える気はないか?」


「俺はひっそり暮らすのが好きなんだよ。サライド商会に魔道具を下ろすことで話がついているんだ」


「お前ほどの人材を魔道具職人にしとくのはもったいない。いつでも気が変わったら行ってくれ」


「わかったよ」


こいつはゲイン=フォン=シード、シード子爵家の跡取りだ。自分の家臣団の一員として俺を迎え入れたいそうだが貴族に使えると自由な時間が減る。もともと前世ではフリーランスのSE兼プログラマーをしていたのでフリーのほうが性に合っている。


さてこの2年で超級魔法(上級戦闘魔法)が5回ほど使えるようになった。上級魔法50回分なのでMPは10000ほどになる。もうこれ以上は戦争に行かないと消費できなさそうだが、新しい魔法を開発してみた。その名もみんな大好きアイテムボックスだ。


時間停止などはないが容量を入れる空間の調節によって魔力消費が変わる優れものだ。今は毎分2800回ほどの初級魔法を消費しなければいけなくなっているが、これにより毎分300ほど回復するようにしている。最低限の魔力は必要だ。魔道具を作るのに魔力は必要だし精密さのコントロールはまだ続けている。広さは大体20畳ほど中には石などを大量に入れている。特に私物とかは持ち歩かないので魔石用注入用の石がたまるというわけだ。


最近は前に言っていたステータスを現す魔道具を製作している。人には魔力を現すパターンがある。それを使いカギに使用している貴族などもいるらしい。その魔力パターンを読み込み魔力地の測定と魔力による大幅な身体能力や技術などを読み取ろうと思う。しかしそれでは知識による技術などが反映されない懸念があるためまだ実行には移していない。これは永遠の課題になるかもしれない。


それと魔物についても少し考えてみた。この間肉屋でウサギの解体を見せてもらったが心臓の核になる部分に魔石はなかった。まず人間にも心臓に魔石があるかはわからない。心臓の付近から魔力が出るといわれているだけなのだ。書物にはそうとしか書いていない。もしかしてほかの人間は心臓までは解体していないのかもしれない。


回復ある魔法で体にメスを入れる必要はないのだから当たり前かもしれない。腕が吹き飛んでも超級魔法で新しく生えてくる世界だ。解体新書などはこの世界ではまだ見ていない。これは俺自身が俺専用に解体新書を作るしかないようだ。とりあえず動物に魔石を埋め込んでみるところから始めてみようか。


そんなサイコパスみたいな実験を繰り返しているうちに3年がたってしまった。


変わったことといえばマジックバックの魔法と魔力量ぐらいだ。まずマジックバックは広さが300畳ほどの大きさになった。これは魔力を永遠に使い続ける魔法なので最大魔力量がまた上がったのだ。今では毎分56000ほど回復するようになった。これでステータス表記を自分にするのがさらに馬鹿馬鹿しくなってしまった。


マジックバックの中にも変化がある。マジックバックの中は300畳ほど高さ8メートルに設定してある。この中では時間経過は現実と同じ、さらに生物の出し入れも可能。もちろん俺自身が入ってものを取りにいかねばならない。手をかざして物が出てきたり、リストがあってそれがいきなり出てくるなんて実行はできなかった。


その代わりに時間経過の変更や中で生存できる環境は整えられる。これを無視すれば大きさは1000畳ほどまでは大きくできる。


最近はそのマジックボックスを「ルーム」と呼んでいる。この中に土を魔法で高さ二メートルまで運び込み、草や低めの木などを埋めてみた。一日に一回魔法を使い雨を降らすのも忘れない。自分の箱庭のように扱っているのだ。


1年ほど前に鶏を10羽ほど購入しルームの中で育てている。二年前に作った上級魔法「ダブル」で自分の分身を中に入れっぱなしにしておくのだ。効果は約三日続くので燃費的にもお得だ。


この十羽から増殖させて今では50羽ほどになっている。鶏のピークは2年ほどで迎えるので来年についに動物実験ができる。まずは鳥の体内に魔石を入れるところからだ。


「ラスクは卒業後うちに来るのかい?」


「いや五年ほど旅をしてみようと思う。いろいろなところで魔道具の知識を取り込みたいからな。」


「なるほど。それなら魔道具技師の席は残しておくよ」


「ありがとう。それなら安心して知識を蓄えることができる」


「ちょっと待てラスク!結局うちの領には来ないのか!」


「サラエド商会がシード領に支店でも出すなら考えとくよ。」


「ああ絶対来いよ。ネットも自分の商会をうちの領で出すくらいには稼げよ!シード子爵家の御用達にしてやるよ」


「あはは、頑張らせていただくよ」


親友たちとはそんな会話をして別れた。


最初の行き先は東の帝国にしようと思う。帝国と王国の仲の良さはいたって普通100年ほど前は戦争をしていたらしいが今では友好国だ。現在の皇帝と王様は子供のころからの中らしい。ネットたちが生きている間では戦争はないだろう。


帝国の名物はなんといっても大量の食糧の種類にある。王国にも食料は入ってくるが、苗木などは入ってくるわけもなく種から一応育てることができるがまだルームの大きさと高さが足りない。育て始めるのは5年後くらいにしようと思う。最悪ダブルで取りに行けばよいのだ。


帝国までの道のりは王国から馬車で15日ほどだ。そこで帝国の領地に入る。今回の旅は知らない魔法技術の取得や食料や実験動物の捕獲としているので金銭的に厳しいかもしれないが。その時は魔道具か魔石を売ればいいと考えている。そのためあまり心配はしていない。


「では、行ってきます」


俺は王都に別れを告げ旅だった。


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