実験を繰り返す不老不死者3
やあ、ラスクだ。
ルームの外での活動をダブルの分身に任せてから外では8年が経過している。
つまりルーム内ではすでに約3000年が経過しているといえよう。私も3300歳になった。
某閣下にはまだまだ遠く及ばないがな!
ルーム内の人族隔離エリアではすでに外の世界と変わらないほど広い空間となっていて魔道具を駆使して海や山などを作ってある。
一番苦労したのは土と水を生成することだ。水はまだ外のものを半分、魔法で作り出したものを半分混ぜれば、中のプランクトンなどが混ざり合い真水と変わらなくなるが、魔法で作り出したものと普通の土を混ぜても木などが育たない欠点があった。それを魔物の死骸や枯葉などを混ぜ土と混ぜ合わせてなじませる作業がなかなか分身の人数を裂かれた思い出だ。
最初は50人ほどの集落から始まった村が国になり、その国の貴族が独立して国がまた興り、戦争が始まり国が費える。なんてことがこの3000年絶えず行われた。元をたどれば全員親戚という悲しい戦争だ。隣のやつと元をたどれば血はつながっているのだからな。
ちなみにこのルーム内で3人目を生贄に差し出す儀式はまだ続いている。
すでに研究したい人型モンスターなどはあらかた作り終えているためこれ以上は人が要らないのだが、一応もらえるものはもらっている。もったいない主義なのだ。
ここで人間のステータスも公開しよう。
【マルコ】Lv:12/99 Exp:1230/1500 sp:11
種族:人族
職業:剣士
両手剣-戦士の豪腕lv4
これはルーム内の人間ステータスである。前回までは自分が魔力をこめて製作した魔物・亜人はステータスをいじれてDNAから因子を取り込み進化することができるといったが、人間にもそれを適応させた。
それは私が神だから可能なのである!
厨二病とかではなく簡単な事実である。ここは私の魔法のルームの中である。つまりは私の魔力であふれかえっているはずなのだ。しかしそのことを忘れていて。気が付くまでに400年ほどかかってしまった。
魔物は魂にDNAを進化の因子として取り組ませ姿かたちを変えることをヒントに生まれてくる人間の魂にもその仕組みを刻ませてもらった。
そのとき魔法の中身を少し変えてスキルシステムの素となる概念を一緒に植えつけた。
マルコを見ると戦士の豪腕lv1と記載されているのがわかると思う。これは彼の職業と彼の望むべき姿に反映されたスキルが現れている。
マルコは戦士として両手剣をもう少し強く振りたいと願ったためにこのようにスキルとなって【両手剣の攻撃力×1.2】このような効果が現れた。
威力が低すぎるって?そんな簡単にチートが手に入ったら苦労はしないよ。これはもともと任意で選択できるようにする予定だったのだが、ルーム内では魔物はいないし亜人もいない。そのためスキルはあげる必要もないのだ。レベルが上がっているのは戦争や盗賊を殺しているため上がっている。スキルポイントは自動で割り振られて今の形をとっているだけだし、マルコ本人はなんか強くなったぐらいしか考えていないと思うよ。
それと人族の進化にはあまり姿かたちは変えずに、寿命を延ばすようにしている。進化したからいきなり獣やバジリスクになってしまったら困るだろうからだ。
そしてこのルーム内では魔法の使い方を限定してある。もともと外の魔法は心臓の中にある魔力を思念波によって現象化していたが、このルーム内では魔法とは呪文を唱えたら発動するものとして教えている。私ことラスクはこのルーム内では神とされていて、ダブルによる分身は神の使いと解釈されている。
そこで最初の50人のときから司祭として分身を置き、魔法の概念ごと変えてしまっているのだ。この中に自分と同じ転生者などがやってきて、下らん魔法を使われたら困るから先に対策をとっているのだ。
そのためルーム内の魔法使いは少し不便な生活を送っている。魔法の自由度が少ないため、外に比べたらルーム内では科学のほうが主流になっているかもしれない。