実験を繰り返す不老不死者1
戦争終結から一年と半年が経った。
しかし俺は今329歳を迎えた。
戦争で捕虜(実験動物)にした人間が増えに増えてしまった。最初の1組が大体4人から5人は子供を産む。そのうちの3人目に生まれた子供はこちらに献上されるが最低でも3人は増えていく。おおいいところでは8人産んだ家族がいるらしい。盛りすぎ!
この世界では15歳には結婚、18歳には1人目の出産を迎え、60手前くらいには墓に入る。このことを考えると最初の人たちはすでに故人になっている。
3人目の子供は神様の使いということにしてそれらしき石像を置いた場所に置くと転移して研究施設に運ばれる仕組みにしてある。
気分は新興宗教の神様だな。
戦争終結から3ヶ月ぐらいにこのままでは自分の魔力の増加よりルーム内で増え続ける人間の領地拡張が早まりそうなので一年ほどの休暇をもらってルーム内にこもることにした。
こもっている期間はルーム内の時間経過を1日が一年になるように調整をしている。
これで自分の魔力を使い続け、増やし続けることができる。まあルームの拡張をすればその必要はないのだが…
肉体年齢が60歳を超えたあたりで「リバイブ」という再生魔法を使用した。
死にかけの細胞を二十代まで若返らせることで年齢も元に戻った。このの時は腰痛に苦しんだのが苦い記憶だ。
2回目の若返りの時は細胞分裂を活性化させて今まで使っていた細胞を殺し、新しい細胞を生み出す魔法を作り出した。身体中からフケみたいなものが溢れ出てきて気持ち悪かった。
最終的には死ぬ間際に二十代の細胞になる細胞を作り出した。魔法の御都合主義万歳である。
この三百年間むやみに魔力を消費して待っていたわけではない。しっかりと魔物の研究も行っていたのである。
魔物の研究をするにあたって世界各地からダブルの魔法で分身を生み出しまくりいろいろな生物を送り込んだ。
養殖されていた動物以外は苦労したがさすが俺の分身である。
ダブルの魔法はルーム内の時間を変更するときに改造してあり魔力を注ぎ込めば何日間でも活動ができる。しかも分身自体が魔法を使うこともできるのだ。
今ルーム内にいる古参の分身は60歳くらいの年齢である。見た目は変わらないけれども。そいつは農作業ばかりしているためあまり魔力を使用せずここまで生き延びている。果たして何歳まで生き延びるのかは不明だ。
さて実験の成果として魔物たちの数は増えに増えた。今では簡単に紹介しきれないほどだ。魚系や鳥系、肉食獣や草食獣、草や木に虫などが増えた。しかし一番注目して欲しいのは人型の魔物である。みんながおなじみのゴブリンだ。人間の体に無理やり魔石を埋め込み遺伝子の改造を行う。そうすることによって身長を小さくし、皮膚を緑色にし知性を落とした。物語のゴブリンなどは男しかいなかったがこちらは女もいるように設定した。寿命は10年ほどで死んでしまうが繁殖力は強く、一回の出産で4匹ほどの子供が生まれる。今回の実験の1番の成功といえよう。人間態ではオークやハーピなどの魔物類は成功し、エルフやドワーフ、獣人といった亜人も成功している。
最近では人間たちの階層の他に魔物たちの階層を作り食物連鎖を作り出している。その中には亜人たちも入れており苛烈な食物連鎖を行なっている。
最近の悩みといえば魔物がどうやって進化を行うのかを考えることが悩みになってきている。