朝の食卓
薄明が窓を
青く染め始める
薄暗い部屋で
青く染まったあなたについて語る ぼくの言葉と
青く染まったぼくについて語る あなたの言葉
青い二人の青い言葉を
光の焦点を合わせるように
朝の食卓の白いサラダボウルに
濃縮できたなら
その濃密な青を
記憶の布で絞って
インクを作ろう
星のように静かな青い雫で
二人の時間に文字を書けば
明けゆく大気に触れて
ぼくたちの筆跡は
夏の夜の
青い流れ星のように輝くだろう
けれど
それは
ほんの
一 瞬
ぼくたちは
その一瞬を 永遠に続けることができるだろうか
星のような雫で二人の物語を書き続けるなら
たとえ夜が明けきったとしても
さあ
お湯が沸いた
コーヒーをいれよう
今日から始まる
ふたりの食卓