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第7話

「ふぅ、ちょっと疲れた。一息いれようかな」

そう言ってアレクはベンチへと腰を下ろした。

今日は王女殿下の生誕祭当日。朝早くまだ日も昇らない頃、アレクは欠かさない日課の鍛錬をしていた。剣、槍を振るって徒手格闘の型をなぞってナイフを的へと投げて、それが終われば弓を射る。終わってからは走りながら同じことを繰り返す。アレクは傭兵にでもなる気かというほどに様々な武器を使って身体を痛めつけていた。

「次の休みにでも新しい武器を仕入れようかなぁ。でも珍しい武器じゃあ結局鹵獲なんて出来るわけないし…。やっぱり盾持ちのメニューの追加と、盾術ってやつの教えを請いに行くしか無さそうだ」

「アレク様!稽古をつけて下さい!」

資料館にも指南書はあるだろうかと考えていると、横から1杯の水と共に声が届いた。

「ありがとう。いいよメグ、やろうか」

アレクは水を干すと、ベンチから立ち上がる。武器は何がいいかと尋ねれば、街中で賊が持つなら剣かナイフでしょうからそれをお願いしますと返される。

「よし、じゃあ剣にしておこうか」

そう答えながらも、なるほどナイフも有りかと頭の中でメモを取る。

「では…行きます!」

メグは上段から斬りかかる。アレクは半身になってそれを避けると横薙ぎに剣を振るう。それを上段斬りの勢いに乗せてしゃがみ込みながらそのまま前転して回避。直後立ち上がろうとすれば、メグの首筋には剣が突きつけられていた。

「メグ、いつも言ってるけど上段斬りは簡単に回避出来るから、少しは斜め方向に斬るようにしないと。そうすれば回避にとる距離も増えて簡単には反撃されないんだから」

「ですが!私の上段斬りを避けられたのはアレク様だけなのですよ?騎士試験でも試験官の眉間に木刀ブチ当てて気絶させてしまったくらいでしたのに」

「うーん。でも上段一辺倒じゃそのうち対策されて回避なり防御なりされちゃうからね。そりゃまあ1度2度の戦争じゃそんなことないとは思うけど、それでも攻撃の幅を広げるのは良いことなんだから少しは練習しようか」

「はい…」

暫く斬り合いを続けると、漸く日が昇り始めた。

「よし、いつもより早いけど今日はここまでにしておこう。今日は本当に大事な日だからね。しっかり身体を休めてから仕事にかかろう」

「はぁ、はぁ…ふぅ。はい!今日もありがとうございました」

今日の食事はなんだろうかなんて話しをしながら2人は宿舎へと戻る。

「そういえば…結局あの話は本当なんでしょうかね?」

「なんの話だい?」

朝食を摂りながら話を続けていると、当然と言うべきか今日の生誕祭についての話になった。

「今日の生誕祭に向けてラインドルフの影の者達が暗躍しているって噂です。草だけならまだしも、実行部隊が来ているとなると相当厄介ですよね」

その話ならアレクも聴いていた。

「ああ、それか。僕のの個人的な知り合いからも情報は入っているよ。王都には連絡係も含めて50名ほど入り込んでるようだけど、流石に拠点までは割り出せなかった。いくらご本人の継承権が低い殿下と言えど、継承権第2位のアルバート殿下の娘。恐らく仕掛けてくるだろうね、国内外問わずに」

後半は声を潜めて告げた。邪魔な相手の身内を拉致するなり殺すなりすれば脅しになるし抑止力にもなる。

「個人的って…」

「さて、そろそろいい時間だ。僕は早めに行かなくてはいけないし、失礼するね。またあとで」

アレクは会話を切って席を立ち、そのまま自室のある棟へと歩き去った。



「アレックス。お前は先に行って人員整理をしている兵士どもの指揮をしてこい。私は団員を纏めてから現場に入る。自分の持ち場へは適当な頃合いを見計らってから入れ」

「了解しました。失礼します」


アレクは団長からの指示に従い、一足先に現場入りした。警邏中の兵士をつかまえると隊長の元へと案内させた。


「これはアレックス様、此方へはどんな御用で…?」

仮設の詰所に辿り着くと、すぐさま隊長らしき人物が近づいてきた。

「第2騎士団長からの指示で、副団長の私が指揮を執る事になった。…とは言っても僕がすることは大してないので、不審人物、不審物の報告と必要なら私の名前の使用を許可します。あと体面って面倒なものがあるから、一応指示を出す際には僕に許可をとってからお願いします、ボードン隊長」

「はっ。了解致しました。して…何故私の名を?」

「いやなに、これでも僕は一応第2騎士団の副団長だからね。第2の下で働いてくれている兵士、全員は無理でも隊長格やそれに準ずる人の名前は覚えているよ」

「それは嬉しい話です」

1つ礼をして、ボードンは踵を返して連絡役から話を聞きに戻った。

「さて…時間まで僕は飾りでいられるといいのだけれど」

結局不審物2件と不審人物多数で少し働く事になったが、どちらも大したことはなく、事件性の無いもので幸いした。酔っ払いの対応は実に面倒だったが。


「そろそろ行かなくては。ここの指揮はお返しします。お互い最後まで気は抜かずに頑張りましょう」

見送ろうとする隊長を手振りで抑えて、アレクは持ち場へと向かっていった。

更新遅れてすみませんでした。思った以上に書くことが多くて、かといって上手く纏められず。結局雑なまとめで短い文章になってしまいました…。

次回は早めに投稿出来るように…したいなぁ…

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