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ステータス改竄

 目の前に飛び込んできた女子高校生二人。

 説明しなくてもわかるであろうが、赤看と青束である。



「真陽のも見せてよ!!」

「一人だけ隠すなんてズルいぞ」



 その2人がやけに顔を輝かせながらこちらへとじりじりと歩み寄ってくる。

 なんていうか、手の動きが卑猥な二人である。



「……見せてよ、って何を?」



 苦笑いで一応、頭の中では見当がついているが聞き返してみる白野。

 その問いに何言ってるの?と言うような顔をして二人は交互に口を開く。



「何って」

「勿論」

「「ステータスのことだけど?」」



 ですよねー、と頭の中で考える白野。



(やはりこんなゲーム的ワクワク要素には人の好奇心は抗えないのかッ!お前らさっきのエロハプニング精神的に引きずってないのか?その程度の出来事だったのか!?くそっ異世界恐るべし!!) 



 正直、神である白野のステータスとか見せたくない。

 ていうか見せたら十中八九面倒なことになる。

 そこまで考えた白野は名案を思いつく。



(レイヤッ!!いますぐ周りの生徒のステータス画面を覗き込んで来い!!そいつのステータス内容丸パクリしてやるッ!)

(主様、キャラが崩れてますよ)

(……こっちが素だって知ってるだろ)

(この世界へとお戻りになられて一度も素を出されなかったので、もしやそういう路線へと変更するのかと)

(……素を出す機会が無かっただけだっつの)



 実際の白野の素はこっちである。

 今までアンダー=ノートに戻ってからシリアスっぽい場面が多かったせいか、素のテンション高めの部分を出し切れてはいなかっただけなのだ!



「ねえ、真陽!」

「早く見せてくれないか」



 そんな念話をしている間にもリミットは刻々と迫ってくる。



(レイヤ!早く!!)

(畏まりました。それでは少々失礼して、拝見させていただきます)



 次の瞬間白野の頭の中に情報が流れ込んでくる。

 その情報を元に白野はステータス画面に干渉していく。

 白野ならばこの程度の情報を書き換えることなら難しくは無い。

 術式を感知される危険性に備えて、超精密に、超慎重に。



(っし、できた!でかしたぞレイヤ!)



 改竄し終わったステータスデータを一通り見て一人満足した白野。

 それを二人に見せようとステータスの前から少し体をそらす。



「はい、どうぞ」

「どれどれーこれが真陽のステータスかー」

「ええと、力8の素早さ9の……ってこれ……」



 なにやら白野のステータスを見るにつれて顔色が悪くなっていく二人。

 なにかおかしいぞ、と白野は二人に問う。



「どうしたの?二人とも」

「……真陽、これは」



 青束が言い難そうな顔で目を背ける。

 それに対して白野は聞き返す。



「これは?」

「さっき皇女様が話してた中で挙げられた例の内の……」



 未だ言い難そうな青束。

 と、今までプルプルしてた赤看が爆弾を落としていった。



「わんちゃんと同じステータス値だよお!」



(ゑ?)



 ちょっと理解できない白野。

 聞き間違いかと思ってもう一度聞き返す。



「え?今なんて」

「わんちゃんだよお!わ、ん、ちゃ、ん!」

「犬だ。畜生の犬だ」



(誰のステータス写したんだよ俺はアアアアアアアアアアアアアアア!!??)



 意味がわからない。

 白野は戸惑っていた。

 そう、レイヤが生徒の内の誰かのステータスを拝見し、それをトレースしたのだ。

 つまり、この何百人と言う生徒の中にわんちゃんレベルのステータスの保有者が居る。

 ていうかそれを一発で引き当てたレイヤ。

 そもそも人間でありながら畜生数値をたたき出す時点で天文学的確立である。

 


(これは駄目だ!!レイヤ!誰かもう一人!別の奴の覗いて来い!!)

(御意に)



 これはたまらん、ともう一人違う人物のステータスをレイヤに覗きにいかせる。

 再度、白野の頭の中へ情報が送られてくる。

 それを元に再びステータスを書き換えていく白野。



(よしできた!これでなんとか押し通す!)



「あっれー?さっきのバグだったみたいだ」

「「バグ?」」

「ああ、また数値が変わってね」



 異世界のシステムにバグなどあるものなのだろうか。

 そこについては幸い余り触れてくれなかったようで、二人は特に疑問も持たずに信じてくれたようである。

 再度、体をステータス画面の前から傾けて二人にその内容が見えるようにする。



「ホントだ。さっきと数値が変わってる」

「えーと、なになに」



 間一髪である。

 あんな数値もしも周りに広められていたら……と思うとゾッとする話である。

 いくら、白野が舐められている状況から一気に圧倒的力を見せ付けるのが好きな性格をしていても限度はあるのである。

 わんちゃんレベルて、まず相手にされないだろう。



「真陽……これ」

「どうだった?全然普通でしょ?」

「そんなことないよ……」

「でしょでしょー、って…………ゑ?」



 何かおかしい。

 嫌な予感がする。



「これ……6歳児と同じレベルだよ……」



(またかアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!)

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