プロローグ
突然だけど……この地球、日本、これらが存在する世界とは別の世界があるって言ったら信じるか?
ん、俺か?俺は信じてるよ?
なんたってこの話は異世界モノってヤツなんだからな!
* * * * *
さて、唐突だが俺こと「白野 真陽」は。異世界にいる。
いやいや、さっきまでは高校生の蔓延る学び舎の園でクラスメイト達と教室にいたハズなんだ。
ていうか登校して直ぐのホームルーム中だったハズなんだよ。
あー、1時間目に世界史かー……なんて思ってたりしたんだよ。
ところがどっこいホームルーム半ばでの激しい閃光。
クラスのお調子者がまーたどっからかスタングレネードでも調達してきて教室内で誤爆でもしたのかと思ったんだけど、音はしてないみたいだったからどうやら違ったらしい。
普通の高校生はスタングレネードなんて持ってないって?
いや、まあそいつ去年の文化祭でもやらかしたりしたから……やりかねないっていうか……いや、まあこの話は今いらないよな。
んでその閃光で眩んだ眼が回復してきて……眼を開けると……そこはもう教室ではありませんでした……と。
聞くところによると上位界からの召喚の術式がなんたらかんたらの謎の説明、さらに皇女様からのお達し。
想像するに、魔王を倒すためにお力をお貸しください!!、ってとこ?
んで、選ばれし勇者ポジの高校生達の胸の内は燃え上がり、皇女様やらの方面の方々の胸の内は拍子抜けするほど扱いやすい勇者(笑)達を前に高笑いで満ち溢れる、と。
うん、第三者から見ると随分と面白い状況だな。
え?なんで人事みたいに話すんだって?
いやー、それには深ーーい事情ってのがあってだな、別にクラスの奴らとはいつでも別行動ができる、っていう余裕があるからかな?
え?その事情を話せって?絶対信じないから嫌だね。
またまた、そんなに頼み込むなよ。
うーーーん、そこまで言うんなら話してやろう、俺の職業を。
そういうのも最近の軽文学という部類に属する本なんかを愛読してるやつなら憧れると思う職業ナンバー1なんだよ俺。
まあ、端的にいうと、
―――結構この世界は地球なんかと時間軸が違うって理由でここじゃあむかーーしの話なんだけど、この世界で神に成った男なんだよ俺ってば。
……ほら、やっぱ信じてないだろ?
ていうか神って職業なのか……?って話だろ?
まあ、そうなることは予想してたし、ほっといて次いくぞ?
別に召喚の時点でその召喚から抜け出すことなんて余裕だったんだな、これが。
逆に聞くけども、お前サッカーのプロ選手だとして、高校1年生のドリブル程度で抜かされるか?
野球選手で言うとだな、お前がプロ選手だとしてだぞ?高校1年生のチームに負けることがあるか?
まあ、あるかもしれない、って言ってしまうと元も子もないんだが……けどそんなこと普通は有り得ないだろう?
つまり、神である俺程の存在がこんな素人に毛が生えた程度の精度の召喚術式にどうにかこうにかなる存在じゃあないってことさ。
でも感謝してるんだ。
―――俺はこの世界の主神でもあり、この世界を追放された身でもあるから。
まあ、俺の力だけじゃ地球からは出られないけど、他人から手招いてもらえばなんとかなるって制約があったんだよ。
その理由ってのは後々わかるだろう。
さて、久しぶりにこの世界に帰ってきたわけだが……さて、まずはなにから始めようか?
なろうマンに俺はなる。