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白と黒と赤  作者: 白木院 初
第一章 黒と赤の物語
5/10

3話 『敵の敵は友』前編


---登校中---



優しい朝が来た。

転入してからわずか2週間少しだろうか?

もう、国光桜立学園に慣れ始めた私は成績トップに上り詰めた。

けして、能力を使っているわけではない。

最初に説明したのを覚えているだろうか?


私は元ガリ勉家。

そう、幼稚園の頃には外国語と数学以外は高校レベル、そしてその2つは大学レベルまであったほど。

IQ180を越える超達人級。

この私【赤堀 誠】は能力に頼ってなどいない!けして、自慢などっ!


と自信満々に2人に語る。いや、後ろに本を読んで歩いている奴が1人で3人か。


ティア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ノア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千歳「・・」


2人は絶句した。眼球を大きく見開いた。


ノア「自慢だよ~。」

ティア「私でも、そこまでは頭は良くないですね。はは・・・」

千歳「・・・当たり前だろそんなの。」


後ろで千歳がさらっと言った。当たり前だと何度も。【お前だから】と。


誠「そーなのか!?・・・いや、そーだとも!私が普通なのだなっ。」

2人「・・・」

誠「どうした?そんな、汗をたっぷりかいて?熱くはないが・・・顔も赤いというよりは青いな?」

ノア「いっいやぁぁ~。世界が違うなって。はは・・。」

ティア「【冷や汗】です。まぁ、その話は置いといて・・・今日こそは高校生らしくいてください!いえ、何もしないことが肝心です!」

誠「何も!?」


首を縦にティアは深く、それまた深くノアも頷いた。

相変わらず千歳は本を読みながら歩いている。

少しは奴【黒沼 千歳】をわかってきた気がする。【無関心】な男だ。それしかまだ言えないだろう。




---3年AA教室---


ここも相変わらず熱心なものが集っている。

見た目で普通の女子高生といえば私たちくらいなものだろう。【変人】見た目から伝わる者たちだ。


ノア「あっ!1時間目は美術だね。」

ティア「そうですね。では、今日は息抜きとして私たちは護衛を1時間はずします。誠は気楽に授業に参加してくださいね?」

誠「本当か!?ありがとうティア・・・。」


厄日じゃあるまいな・・・?少しそう思いながらも高鳴る気持ちを隠せずにはいられなかった。


千歳「・・・」



---外---


美術の先生「ここから自由行動とします。テーマは【人】です。では、始めて下さい。」


皆が散らばる。

やはり一番の決め手は【屋上】だろうか。私は早速そこに向かう。

カンパスに書くのは、青い空!・・・の下で野球をしている高校生だ。

なんとも青春ともいえる風景だ。これぞ高校生だろう。

鼻高く私はそう思う。


ふと、野球の選手がグラウンドを駆ける。

監督が集合をかけ何かをつぶやいている。

暗い顔をして引きつった顔が帽子で隠れた。


?「やらなきゃ、お前は終わりだ・・」


誠「っっえっ?」


戻って体勢を取り直したピッチャーが振りかぶる・・・

満塁のピンチらしい???


・・・死に物狂いの【眼】だ。


誠「っ!」


ふと、いやぐっと吸い込まれた。


魂の叫びが【見える】。聞こえる。聴こえる。


その【眼】にあの【眼】に吸い込まれ、彼の【未来が脳波に映った】



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



誠【やっあ!!!!やめろっぉお!それを投げちゃ駄っ -----------。】


ザザザザザザザザザザァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・ ・・ ・・・




【テレビが壊れた】







<バタッ>





薄っすらと見えるのはぼやけたグラウンドと、


誠「ち・・とせ・・?」


黒沼千歳だった。


そして、はっきりと見えたのは、毛先のほんのり【紫色に痛んだ黒髪だった。】


誠「!?」


とっさに髪を後ろに隠す。千歳は私の能力を知らない。知られてはいけないのだ。


千歳「・・・描くなら俺を描け。題材は【人】なんだから・・」

誠「・・・嫌・・」

千歳「俺は大丈夫だから。」


??コイツ私の能力に気づいているのか・・・?いや、知っているのか??これは、まずいんじゃ・・・・っ・・。


千歳「早くしろ。」

誠「!おう・・・は・・?」


威勢のいい声が響いた。奴を見ても・・・【濁っててわからない】


少しの頭痛だったが私は、筆を滑らせた。

カンパスに絵描きながら冷や汗を掻いた。

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