2話 『契約された双子』前編
---翌日の朝---
コンコン
ノア「誠ー!迎えに来たよー。」
私は、服装を整え玄関へ向かう。ノアとふんわりとした女の子が立っていた。
??「はじめまして。誠ちゃん。」
誠「?ノアのお姉さん??」
ティア「はい。ノアの姉の【ティア】と申します。同い年なので気軽に話しかけてください。」
そういうとティアは優しい微笑で返した。私もつられて挨拶をした。
誠「私は赤堀 誠。どうか誠と呼んでくれ。よろしく頼むぞティア。」
ティア「はい。では、私たちの学院へ行きましょう。」
私はノアたちに案内されながら、足どりを早めた。
ノア「誠は私たちと同じクラスにしてもらったから!3年-AA。最高クラスだよ。AAには誠ちゃんの学校みたいな人たちに近い人がざっと30名くらいはいるんだぁ。」
ティア「まぁ、他の人と仲良くなる必要はありません。騒がれている時期なので、女子高校生を堪能すればいいと思いますよ?」
誠「・・・・でも、出来るだけ、世界を知りたい・・・。」
ノア「そうだよ!誠、やっと出れたんだからっっ!」
ノアがそう話すとティアはすかさず睨めた。
ティア「ノア。その話は外に出たらしないようにしてくださいね。あと、誠も。」
誠「いい判断だ、ティア。いつどこで聞かれているかもしれんしな。」
ノア「はぁ~い・・・そうそう誠!絶対、恋なんかしちゃだめだからねっ!!!!!」
誠「?恋??私がか?・・そうだな、それ相応の男がいたらだな。」
ノア「絶対、危ないよ!誠、おとなしくしてたらちょー美人だもんっ!」
そうこうしていたら国光桜立学園の門前についた。
ティア「忠告するなら、少しの言動を控えれば会長さんだとは気づかれないかもしれません。」
誠「どんな感じだ?」
ノア「ん~。女の子っぽくすればいいんじゃない??誠、言動が男だもん、ははっ。」
男か・・・標準語を普通に使ってるつもりだが・・・
誠「では、言葉遣いを変えてみよう。んんっ、こんな感じでいいかな?」
ティア「そうですね。やわらかい言葉を使えばいいでしょう。」
私たち3人は校門をくぐり抜け、桜並木を通り、教室へと向かった。
庶民学校だとしても綺麗な学校で自然が澄み渡ったいいところだ。
赤桜女学院とは、大きさもまったく違うが、この心地よさがまたよかった。
ティア「今から、挨拶に行くわ。くれぐれも能力を発動しちゃ駄目。わかった?」
誠「あぁ」
ノア「誠ッ!」
誠「う・・うん・・・」
---3年AA教室---
先生「では、転校生を紹介します。誠さんです。」
誠「今日から・・・よろしくお願いします。」
言動を気をつけながら私は挨拶をした。
ティアはここの生徒会長らしく、私の苗字をふせてくれるようだ。私の存在を知っているのはティアとノアだけである。
ノア「誠っこっち!」
一番後ろの窓際に1席開いていて、横と前にはティアとノアがはさんで座っていた。
あーやって、私を守るのだろう。
私は他のものの目を気にせず彼女らに近づいた。
(!!?)
とっさに足をかけられ、寸止めのところで私は軽くよけた。一秒にも満たない時間に私は足をかけられそうになった。
誰も気づいておらず私はその長い足の上を見ていく。
金髪の少年だ。鋭い曇った緑は感情を読ませない色だ。
私は見たが、すぐに2人の元に向かった。
誠「この席はいいな・・・。」
ティア「日当たりもいいから私たちにとって一石二鳥でしょ?」
ノア「へへっ誠と隣の席だぁ。」
2人の柔らかな目が私に微笑みかける。
ホームルームが終わると、どっと私に近寄ってくる。
女1「始めまして、誠さん。」
女2「綺麗な黒髪ね。まっすぐだしすごく長くて素敵だわぁ~。」
誠「はじめまして。みなさん、仲良くしてくださいね。」
微笑みかければ、女子たちはきゃーといっていちころであった。男子どもも何かしらちらちら見ている。
ノア「誠モテモテぇ~。」
誠「・・・」
ティア「はぁ、皆さん次の準備をしてくださいね。」
会長の言葉がみんなを支持する。
それが、わたしにとって助かった。久々の人の多さに息が出来なかった。