7月14日 18:33 食堂にて
「どうですか。お口に合いますでしょうか」
「それは良かったです。久しぶりに腕を奮った甲斐がありました」
「パルサーさんですか?
パルサーさんは私が調理しているときに、気分が悪くなってしまったようでそのまま部屋で休まれると。
どうしてしまったのかは私にも分かりません。もしかしたらあの通路に張られた結界にやられてしまったのかもしれません。ただ、パルサーさんが魔力を持っているとは思えないのですが。
大丈夫です。もし明日になっても回復しないようでしたら、麓の村にいる機械技師を城にお招きすれば良いかと。その方はパルサーさんと仲良くなられたそうです。が、もちろん、こちらとしても城の秘密を知られぬためにも、厳重な注意を払わないといけません」
「食べながらでよろしいのでお聞きくださいませ。
午前一時四十分にあなたさまの部屋に参ります。それまでに山を下りる準備は全て私が整えておきますので、どうぞご安心ください。
留守番として、パルサーさんに夜中に出かけることを伝えておきました。もちろんリスリルさんにもお伝えしておりますし、いざという時に備えて開かずの扉を開けておきます。そうすれば夜襲に会ったときも対処できるかと思います。
パルサーさんには私たちがすることを伏せております。全てが終わり次第、翌日の朝にでもパルサーさんに全てを打ち明けて、なおかつリスリルさんとも顔を合わせるということで、全てはうまくいくと思います。
というより、うまくいってほしいのですけどね」
「お話は以上です。詳しいことはまた後でお話いたします。
いえいえ、嘘はついておりませんよ。
しかし、少々ジャガイモの量が多かったかもしれませんね。
残されてもよろしいですが、せめて山を下りるだけの力を得てもらわぬと困りますので、どうかよろしければ全てお食べ下さい」




