7月13日 15:00 開かずの通路にて
「パルサーさんはここで待ってて下さい!」
『どうしてですの!? どうして私は中に入ってはいけないですの!? 別に私は何もしませんの! ただ、ブライト様のお近くにいられればそれでよろしいのに!』
「この先はまだパルサーさんには、
御主人様!? どうしてこんなところに!」
「ああ、どうしてこんなところに! どうしましょう……
パルサーさん! 中に入って来て貰えますか!?」
『何ですの!?』
「御主人様をここから出してお部屋までお連れして下さい!
早くしないと死んでしまう!」
『大げさな……。たかが通路で寝ていただけじゃないの』
「そんなこと言ってる場合じゃないのです! 何を言っているのですか!」
『嫌です! そればかりはブライト様の言い付けであっても聞きたくはありません!』
「どうしたのですか、パルサーさん!」
『どうしてもというのですか?』
「早く!」
『分かりました! いまそっちに行きますの!』
「お願いします! 私は井戸の水が赤くなった原因を調べて参りますので!」
『行ってしまわれたですの……。
これがあなたのやり方ですの? この城にどんな細工をしたのか知りませんが、何をしておられるのですの。
立ちますわよ。おっと、何なのですの!? 力が入らないのですの!?
はあ、申し訳ありませんが、失礼します。動かないで下さい。
どうして私があなた様をお姫様だっこしなければならないのですの』
『このままお部屋に御連れ致しますの。お辛そうですね。
何か、本当にあなた様は隠しておられるのでしょうね。
先ほどの御無礼をお許し下さい。今の私が言えることはそれだけですの……』




