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病み少女は明日も生きる  作者: 暁良
1/1

プロローグ

病んでます。




……やだなぁ。



一野 梓、16歳。ごくごく普通の女子高生である。



わたしはベッドに寝転んでぼーっとSNSを眺める。

頭の中では明日の課題、塾の勉強、友達、それらの憂鬱感が漂っている。


「よし、やるか」


ベッドから勢いよく起き上がって机に向かう。

問題を解いて頭の中を満たしていく。何も考えずただ手を動かす。今日の課題もそんなに難しくない。


「終わったぁ」


ふぅっとため息をついて再度ベッドに寝転び、スマホをいじる。スマホが手放せないのだ。


……この人、結婚したんだ。

ふーん…かわいい~ うわ、炎上してる…。


頭の片隅でどうでもいいと思いながら、その情報で満たしている。なんとも言えない閉塞感を感じて、眉をひそめていると、


「梓!ご飯あるよー!」


お母さんが2階にいるわたしに聞こえるぐらいの大声でわたしをよぶ。行くか、と思いベットから起き上がる。ふと、鏡にわたしの顔が映った。


……なんか、やつれてるな。


さらに憂鬱感が増すのを感じながらわたしの部屋から出る。


もうお母さんと妹は夕飯を食べ終わったようで、テーブルにポツンとシチューが置かれている。父は今日は帰ってこないようだ。味のしないシチューを、スマホを構えながら食べる。


ふと、画面に最近ハマっている作品の二次創作が流れてきた。わたしは心体が温まるのを感じて、


…… 供給ありがとうっ!!!尊いっ!


と、心の中で叫ぶ。同時にこういうことでしか幸せを感じないこの状況に嫌気がさしてくる。


「はぁ」


……このどうしようもない閉塞感をどうにかしないとな。せめて、人間関係をリセットするとか。人生リセマラしたいです、神様。


「梓、食器片付けてね」


へらりとお母さんが言う。


「…うん」


わたしはお母さんと目を合わせることも出来ず、食器を片付けてまたわたしの部屋に戻る。


……はぁ、なんだかずっとため息を吐いてる気がするよ。わたしも異世界転生してみたい。チートとか持ってなくてもいいから、穏やかな気持ちになれる生活をおくりたいです。神様。



ハマっている作品に感化されているからなのか、くだらないことを考えていると、



(汝、穏やかな生活を送ることを望むか?)



突然思考の中でわたしの声が響く。


わたしは驚きすぎて体がびくっとなる。そのまま頭を抑えて思考をめぐらす。困惑と驚愕で頭がいっぱいになる。



……え!?どういうこと!?何が起こってるの…!?なんで!?



(汝、穏やかな生活を送ることを望むか?)



もう一度同じ問いが頭の中で響く。

どうするべきなのか、返答してよいものか考えあぐねていると、



(心配することはない。汝が望みを言いなさい。)



わたしは驚きを隠せなかったが、決心して頭の中の存在に呼びかける。



……わたし、自分に大切な人やものができて、それらと一緒に穏やかな日々を送れるようになりたい。それだけです。



(汝の望みは理解した。二星の猶予を与えよう。)



……え!?どういうことですか?わたし、これからどうなっちゃうのですか!?



(覚悟を決めるが良い。)



そう言って、わたしがどれだけ呼びかけてもその存在はそれ以上応答しなかった。


この状況にくらっとして、わたしはいつの間にか眠ってしまっていた。

あずさちゃんと謎の存在。

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