【プロットタイプ】寝かせて
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
猫っぽいよね。瑠衣は結構気まぐれだから。
連日の放浪に疲れ果ててしまったのか、鏡花は七時になっても起きる事は無かった。ただ洗濯機の振動だけが静かに響いている。
俺は静かに珈琲を啜りながら、この静かな時間を甘受する。ウザったく絡まれる事も無い。話し掛けられる事も無い。この圧倒的に無な一時は、非常に稀有な時間だった。
其れから五分、十分と時が流れるうちに、気が変わった。音もなくこの場を去り、向かう先は寝室だった。
鏡花の部屋のカーテンは未だに固く閉ざされていた。薄暗い中でベッドに目を向けると、此方にそっぽを向いた横向き寝で、羽毛布団に包まっている。
いびきは疎か、寝息さえ聞こえない。その様を数秒間観察した後、徐にカーテンを開ける事にした。
「んぐ……」
朝の白い光が窓を通じて差し込んで来る。薄暗い部屋が照らされて、此方に川を作る髪をも照らす。髪色は黒では無かった。光沢のある赤銅だった。
染められてない黒髪の面白いところは、光度によって色が変わる事にあると思っている。薄暗い場所では黒、明るい場所では赤銅。決して同じ色を放つ訳ではない。
黙って観察していると、寝間着をだらりと着崩した鏡花は、何とも寝起きの悪そうに此方を睨めつけた。
「今何時ぃ?」
「七時二十分」
「眠い……」
余程バテてんな。
「気持ち悪い……」
寝過ぎだ馬鹿。
「内蔵ぐちょぐちょする……」
「……さっさと起きろ」
床に膝を着いて鏡花の様態を観察する。冗談抜きで顔色は悪そうで、眠そうだった。だからこそまた布団に顔を埋めて眠りそうなのを、髪を弄り回して起こす。
それでまた寝たら、血行不慮と自立神経の乱れで悪循環起きんぞ。ずっとお前の様態は良くならない。
「昼寝……出来なくてさ……。歳かな……」
そうぽつりと呟いた後、むっくりと身体を起こし、俺にしがみついて来た。胸元に擦り付けるのは鏡花の顔。何がしたいのか、暫くそうして居た。
「明日、昼寝の時に瑠衣の服借りても良い? よく寝れそうなんだ……」
オマケ パブロフの犬
瑠衣の体臭を嗅ぐとよく寝れる。其れは多分、添い寝した時の出来事を思い出すからかも知れない。
強烈な悦楽後に強ばった体が弛緩すると、それだけで安眠に繋がる。
同じ気分になれれば良い。焼ける様な夜と同じ。
歳を取ると、昼寝が出来なくなるんです。
眠くても、途中で覚醒しちゃう。
※でも何故か変な体制だと寝れる。
だから何時そのツケを払うかって言ったら、朝なんですよ。寝坊という形で払います。
でも寝過ぎると、頭痛いし、内蔵ぐちゃぐちゃします。
平たく言うと滅茶苦茶、気持ち悪い。
だからあんまり寝坊したくない。
そんな状態でも、特定の匂いを嗅ぐと眠れる。
その匂いが瑠衣の体臭だった。という話。
何で眠れるかって言われたら、オマケのパブロフの犬に書いてあります。
添い寝した時に、かしかけて、上がるだけ上がった後の筋弛緩を思い出すから。
何でも良いんだ。
どれだけ生産性がなく、無意味で、刹那的な行いであったとしても、其れで寝れるならば。