第2球・堕落した栄光
橙「大丈夫か?
相手めちゃくちゃ強そうだぞ?」
一紫「だっ大丈夫だよ……
なんて言ったって…
ウチも強豪なんだから…」
ホワイト「その通りや‼︎
相手が強そう言うても
ビビることあらへん!」
一紫「そうだね…」
橙「そうだな!」
咲黄「ふわぁ〜」
青山『よく考えれば…普通は
いくら強豪の新入部員って
言っても毎日のように
グラウンドにすら
入れないのは異常だ……
昔の野球部じゃあるまいし…』
青山「一体…どういうことなんだ?」
考える一同をよそに
3年生の水嶋が声をかける
水嶋「1年‼︎」
はい!
水嶋「今日の相手は分かっていると
思うが、極夜だ!トップレベルの
プレーをよく見ておくんだぞ!」
はい!!
水嶋「赤星竜‼︎」
竜「えっ!?俺?」
水嶋「お前は特によくプレーを
見ておくんだぞ!」
竜「あぁー!?分かってるに
決まってんだろ!」
ボカッ!
殴られる竜
竜「グオォォォ…‼︎」
水嶋「お前は年上に対しての
礼儀作法がなってない!」
水嶋「お前ら!こいつをちゃんと
見張っていろよ!」
はい!!
孔明「相変わらず後輩に手厳しいな勉」
水嶋「あいつにはあれくらい
言わないとな‼︎」フンッ!
孔明「ははっ、ありがとないつも
キツイ役を買ってくれて」
試合開始前の挨拶
!!お願いします!!
おねしゃーす…アーダリダリ
孔明「わざわざ遠路はるばる
御苦労ございます、極夜の皆さん
私が虹ヶ丘のキャプテン
虚 孔明です。
【うつろ・こうめい】
本日はよろしくお願いします。
副キャプテンの水嶋勉です
【みずしま べん】
よろしくおねがいします」
夜斗神「極夜学園のキャプテンの
夜斗神・陽だ、よろしく」
夜斗神「初めてのグラウンド
なんでな…準備運動は長めでも
いいか?」
孔明「えっ?えぇ、もちろん」
夜斗神「ノックからだ‼︎
全員守備につけ!」
そういい夜斗神は
バットでボールを打つ
キィーーン!!!!!
その勢いは凄まじく
一紫「うわっ!?
なにこのスイング音こっちまで
届いてるッ!?」
ホワイト「こんなエグいスイングの
打球取れへんやろ!」
※サード!
三塁手の事
凄まじい打球がサードに飛ぶ
バシ!
木枯「あらよっと」
それを難なく捕球し
ファーストに投げる
一塁手の事
橙「なっ!なんであれを
取れるんだ!?」
咲黄「しかも完璧な送球…
思わず目が覚めた」
センター!
外野の中心を守る選手のこと
緑「え!?あんなすごい
深いのに※カットが
だれもいない!?」
ジェニー「あれじゃ、
※ホームまで届かない!」
ボールが奥まで行くと
1人で投げるのは大変だから
間に人が挟むことで
投げる距離を減らす人のこと
※ホームとはここを走者が踏めば
点が入る三角形のベースのこと
バシっ!
暗闇「ヒャッハー!!!」
凄まじい送球が…
ノーバウンドでホームの
捕手にぶち込まれた!
一紫「あそこまでを1人で!?」
ジェニー「コントロールまで抜群…!」
ノック終了!
夜斗神「次は投球練習だ!」
そういいマウンドに行く夜斗神
竜「あいつ、ピッチャーか!
どんな球投げるんだ?」
夜斗神「…」フッ!
バシィー!
極夜捕手「ぐぐっ…
いってぇ…」ビリビリ
そのボールでキャッチャーの
ミットの網がいくつか破かれた
橙「なっ、何つー球だよ……」
青山「凄すぎる…」
竜「…スゲェ」
木枯「流石のボールですね‼︎陽さん」
夜斗神「まぁな…」
そういうと不気味な
選手が話しかける…
暗闇「だけどぉ〜?
かんじんの〜〜??
【黒寿】が居ねえなぁ〜??
べひゃひゃひゃ」
暗闇・星夏
【くらやみ・せいか】
夜斗神「まぁ、慌てるな
次期に出てくると
監督は仰っていた…
俺たちはただ言われた事を
やれば良い…」
木枯「そうですね」
暗闇「べひゃ…」
野球部の試合を
陰から見る人影がいる、
黒寿翔輝「……………」
どうやらこの試合のことが
気になる様子だ
極夜のプレーを見て萎縮する一同
全国レベルを痛感している
橙「何て強さだ……」
ホワイト「こんなのとやるんか…?」
一紫「勝てるわけがない…」
青山「龍さん達はこんな相手を
倒して甲子園まで行ったのか……」
青山「凄すぎて、なんて言ったら
いいか、なぁ竜?」
青山「あれ?いない」
青山「竜ー?あいつどこいった?」
ダッダッダッダ!
竜「なぁ!」
夜斗神「ん?」
竜「お前すごい球投げるな‼︎
俺と勝負しようぜ!」
竜はフェンス越しに夜斗神に
そう言った
1年「ぶっ!」
木枯「はぁ!?」
暗闇「ヒャハハハ‼︎」
水嶋「あの馬鹿!」
孔明「なっ、何言ってるんですか‼︎
竜君は!」
驚愕する周り
夜斗神「勝負?」
竜「なぁ!いいだろう!」
夜斗神「せめてベンチに入ってから
そうゆうことは言うんだな」
そういうと夜斗神はベンチに
戻って行った
竜「なにぃ!?逃げんのかぁ!?」
水嶋「この馬鹿ァァァァ‼︎」
ボカッ!
ボカッ!
竜「グァァァァァ‼︎さっきより痛え!」
水嶋「すまんな夜斗神…」
孔明「ごめんなさい夜斗神君」
夜斗神「気にしちゃいない」
夜斗神「じゃあな赤髪」
竜にそう言って今度こそベンチに
戻っていった
竜「」縛りつけ
竜「はなせぇぇぇぇー!!!」グギギ‼︎
水嶋「しばらくそこにいろッ!
馬鹿者ッ!」
緑「」ボー
咲黄「…」えいっ
緑のほっぺを指で押す
ぷにっ
緑「!」
緑「って!何すんのよ!咲黄!」
緑「だって、ぼーっと
りゅーのこと見てたから…」
緑「ハァ!?してないわよ!」
咲黄『実にわかりやすい…』
ベンチに戻る夜斗神が声を
かけられる
「お前が初対面のやつに
言葉を返すなんて珍しいな〜
気になったのか?あの赤髪が」
男はあれだけ威圧感を放った
夜斗神に対して親しげに声をかける
夜斗神「別にそういうことでは」
「ハハッ、そうか」
赤星「離せや!」ガルルルルルル‼︎
青山「にしてもよく声を
かけられたよなお前」
赤星「なぁー青山〜離してくんね?
この縄?」ウルウル
青山「んーーーー」
青山「駄⭐️目」
ジェニー「緑ちゃん先輩達‼︎
試合が始まる!」
※プレイボール!
⤴︎野球の試合開始の審判の掛け声
実況「虹ヶ丘野球部の練習試合
しかも相手は強豪極夜!
一体どんな実力を持っているのか!?
この試合見逃せません!
実況はこの私!
明石屋 栄太がお送りします!」
【あかしや えいた】
守備に入る極夜メンバー
夜斗神「さぁ、そろそろ
目を覚まさせてやるか.」
木枯「はっ!周りの連中
どんな顔すんのか。」
異様な雰囲気の中…
試合がスタートする…
夜斗神「それじゃあそろそろ
奴らにも見せてやると
するか…」ガバッ
夜斗神「闇ってものを!」
ゴォォォーー!!!
バシィーー!!!
そのボールは先ほどの投球練習
よりも遥かに威力が増していた…
ストライーク!!
⤴︎ストライクゾーンにボールが
行く…または打者が
ボールを振った時のこと
ホワイト「すごすぎるて…」
橙「まだ本気じゃなかったのか……」
青山「これが、全国クラス…」
戦慄する1年生達
青山「でもまぁ、まだ一球
先輩達も打ってくれるだろう…」
そう期待する青山だったが…
そこにあったのは期待を裏切る
情けない姿だった
虹ヶ丘野球部先輩「こ、こんなの。
打てるわけねぇよ…」
「つ、次お前行けよ…」
「ハァ!?ふざけんな!
2番はお前だろ!俺は7番だ!」
「うわー帰りてー」
「勝てるわけないっしょこんなん」
圧倒的な相手に対して
臆する者、プライドがこれ以上の
醜態を晒すのを危惧する者
恐怖してすでに諦めている者
その姿は到底強豪校…いや
戦うもの達ではなかった…
橙「なんだ…これ…」
カキィーン!カキィーン!カキィーン!カキィーン!
青山「これでもう何本目だ?
しかも、全部外野の奥まで…」
バシィーー!!!!!バッターアウト!
ジェニー「ボールにかすりもしない」
緑「それどころかバットを
孔明先輩と水嶋先輩以外
振ろうともしないなんて…」
その後極夜学園は虹ヶ丘を
圧倒し…5回の裏…ですでに…
10対0
圧倒的に差をつけられていた…
明石屋「なっ……なんという
ことでしょう!!!
点差はなんと!10
虹ヶ丘野球部なす術なし!
これが……あの甲子園準優勝の…
本当の姿なのかぁ!?
やはり!かつての栄光は
もはやチリとなってしまったのか!」
橙「なっなんだよこれ……
うちは強豪のはずじゃ…」
青山「」ハッ!!
何かに気づいた青山
赤星「ど、どうした?葵!」
青山「最初からおかしかった…
今思えばここに居る
俺たちは野球で
目立った実績が無いメンバー…」
緑「言われてみれば確かに…
私と蒼井も中学の全国大会
にも出れないチームだったし…」
ホワイト「ワイは歌舞伎と
野球部の兼部」
咲黄「私は…バイト戦士…と
いろんな部活の初期部員…」
一紫「ぼっ僕は帰宅部…」
ジェニー「私は茶道部と
野球部をやってたよ!…」
虹谷「僕は……」
虹谷「僕も帰宅部…」
橙「俺は野球部だったけど…
結果はそんなにだったし…漁師の
親父の手伝いもやってた…」
青山「俺も竜も野球部
だったけど…特に目立たなかった…」
青山「強いて言うなら…少しだけ
竜が注目されてたくらい…」
青山「それで、ここがおかしいんだ
普通、強豪の部活ってのは
小中で優秀な成績を収めたり
高い能力を持った選手を
スカウトするものなのに…
俺たちにはそのどちらにも
当てはまらない…」
赤星・ホワイト・「あぁん!?
俺・ワイは優秀やろ!だろ!」
青山「いや、今はそんな事はない…」
2人「」ガーン
落ち込む2人を横目に
説明を続ける…
青山「とにかくこの学校は
普通のやり方とまるで違う…
何か別の目的があるとしか…」
カキィーン!
一紫「あぁ!また打たれた…」
観客1「おいおい…
有名な高校とやるっていうから
見に来たのに…」
観客2「これじゃあ
恥を晒してるようなもんじゃん」
黒寿「……」
そうして11点目のランナーが
出た時…
虹ヶ丘投手「ぜぇはぁ
ぜぇはぁ…もう嫌だ」
虹ヶ丘内野手「あん?」
虹ヶ丘投手「もう嫌だぁー!
もう投げるのは懲り懲りだ!
打球早えし!、おっかねぇし!
もうやってらんねぇ!」
そう言って何もかも投げ捨て
グラウンドから出ていった
そうして、ピッチャーが
逃げたのを皮切りに
次々と出ていくメンバー達
ちょっ!ふざけんな!
この試合最後までやらねぇと!
俺たちの内申に響く
だろうが!それじゃあ
俺らがなんのために
野球部入ったのか意味ねぇだろ!
水嶋「おい!お前ら!
くそっ!土壇場で、腰抜けどもが!」
衝撃の事実を聞く赤星達……
木枯「あーあ
奴ら自分らの口から言いやがった…」
暗闇「べひゃひゃ〜
虹ヶ丘の真実をなぁ〜?
…それにしたって、敵前逃亡たぁ
情けねぇなぁ」
夜斗神「やはり、かつての栄光は
すでに無い…か
これで今日の目的の1つは
済んだな…」
ホワイト「は?なんやそれ…
それじゃあこの先輩らは……」
青山「おそらく…」
その言葉を続ける虹谷
虹谷「おそらく強豪の虹ヶ丘
なんてのはすでに終わっているようだ」
橙「なっ!なんだよそれ!
虹ヶ丘は強豪じゃ無かったのかよ!」
青山「思えばそこも
おかしかった…確かに
5年前は【天才】赤星龍
が率いるうちは甲子園準優勝
という成績を出したけど……
ここ最近は対して目立った
成績を出せていない…」
緑「でも私たちは確かに入学前の
見学で、すごいプレーをする
選手達を何人も見たはずよ!?」
青山「そこなんだ…そこが謎だ」
困惑が渦巻く一年達だが、
まだベンチと
バックネット裏には試合を
諦めていないもの達がいた
水嶋「むしろ好都合だ!」
水嶋「2年生!今からいけるか!?」
2年生「はっ、はい」
孔明「11点も取られてしまい!
申し訳ありません!」
絶望的な点差にも関わらず
腐らずに目を輝かせ、
ただ2人勝つ気でいる姿勢に、
後輩達は困惑の目線を向ける
水嶋「ハッキリ言って状況は
厳しいが!俺たちは最後まで
戦うぞ!ついてきたいやつは
ついてこい!」
ざわざわ
2年生A「今からって言われてもな。」
2年生B「でも孔明さんも水嶋さんも
まだ諦めてないよ」
2年生C「まだやれるのか?」
夜斗神「……」
木枯「どうします陽さん?
奴…全然出てきませんぜ?
それに相手のほとんどは戦意を
喪失してます。
これ以上やる意味が…」
夜斗神「決定するのは
俺たちではない…
まだ続けるぞ」
夜斗神「それに、油断はするなよ…」
木枯「あのバッテリー2人は…
少し厄介だぞ」
まさかと思った木枯…
しかし孔明と水嶋のバッテリーは
意外にも良いピッチングを見せた…
ストライク‼︎
観客「おぉー!あの孔明って投手
極夜打線を2アウトにしたぞ!」
常連の観客「そりゃそうだ
この2人の実力は本物よ!」
しかもあの投手さっきから
ボールは全て最小限…
テンポよくね?あの投手
極夜部員「クソッ…なんだ!?
さっきまでのヘボピッチャーとは
全然違う!?」
ベンチ内で困惑する木枯…
木枯『絶対このまま楽勝かと
思ったのに…』
暗闇『虹ヶ丘において、
この2人はそこそこ警戒しないとな…』
水嶋『ラストはストライクから
ボールの低めのカーブだ!』
孔明「フッ!」
極夜部員「ストライク…もらっ」
キュキュッ!
極夜部員「なに!?」ブン!
バットが空を切る
ストライク!バッターアウト!
おぉー!
抑えやがった!
やるじゃねぇかあの2人‼︎
先輩2人の投球を見て驚く
虹ヶ丘1年生
青山「すごい…あの2人は
どうやらこの中じゃ別格か…」
水嶋はベンチに戻り、
諦めかけた後輩達に激をおくる
水嶋「さぁ!まだまだここからだぞ!」
ベンチ内「おぉー!!!」
夜斗神「フッ、少しは楽しめそうか?」
竜「んんんんんーー!」
「離せ‼︎この縄!!!!!!
次回覚悟しとけよ!お前ら!!」
今回から後書きで、キャラの紹介等を
書いていこうと思います!
キャラ紹介No. 1
赤星・竜「あかほし りゅう」
性別・男
種族・ドラゴン「遺伝子は薄いと言われている」
身長182センチ
右投げ右打ち
ポジション・投手 オーバースロー
性格・喧嘩っ早く、負けず嫌い
・好きなもの・趣味
中華「特にラーメン」勝負・漫画・褒められること
・苦手なもの・嫌いなこと
負けること・兄と比べられること・カタツムリ
「あの目とぐるぐる模様が最悪だ!」
・好きな教科
「基本全部好き」
・嫌いな教科
「数学、ねちっこいメガネの教師が嫌いだったから」
尊敬している人物・「まだわかんねぇから
とりあえず家族‼︎」
・好きなゲーム
ペルソナ5「偏見や先入観、悪い大人に
打ち勝つストーリーが気に入った!」
・目標は「兄貴を超えること!!!!!
それと甲子園優勝!」