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09話:佐々木さんがイジけてしまった件について

「え、えぇっと……な、何で佐々木さんはそういう風に思ってるの?」


 あまりにも意味がわからない言葉だったので、佐々木さんが何故そう思っているのか率直に尋ねてみる事にした。


「え? いやだってさ……私って“春香”とか“千紗”みたいに可愛くないじゃん? 男子的には彼女にするならあんな感じの可愛い女の子が良いんでしょ?」

「あぁ、なるほどー……って、えぇっ!?」


 佐々木さんからの返答はかなり意外過ぎるものだった。


(い、いや確かにその二人がめっちゃ可愛いってのはわかるけど……)


 佐々木さんが名前を挙げたその二人の女子生徒は確かに凄まじい程にめっちゃ可愛い。


 夏江の彼女でもある桜井春香さんは愛嬌抜群でアイドルとかにも居そうなレベルの容姿の持ち主だ。


 そしてもう一人の七種千紗子さんは芸能人に居そうなレベルの美人だし、生徒会の副会長を務めていてリーダーシップも持っているので生徒からの支持率がかなり高い女の子だ。


 だから佐々木さんが今言ったように、桜井さんも七種さんも男子からの人気は確かに思いっきり高いんだけど……。


(うーん、でもそれを言うなら佐々木さんだって男子からの人気は相当高いんだけどな?)


 まぁ確かに佐々木さんって若干ツリ目な感じだから、初見だとちょっとだけキツそうな女の子なのかなって思われるのかもしれない。


 でも普通に佐々木さんだってかなり可愛い部類に入る女子だし、何よりもおっぱ……じゃなくてスタイルがどちゃくそにエッチ……じゃなくて、とても健康的かつ攻撃力の高そうなプロポーションをしているんだ。


 しかも佐々木さんって裏表とか全然なくて、とてもサバサバとした性格をしているんだよな。


 だから男子相手にも気軽に話しかけてくれるし、あとは男子特有の馬鹿話とか悪乗りとかに対してもビシっと笑いながらツッコミを入れてくれたりもするんだ。


(そういう男子特有の馬鹿話とか冗談に乗っかってくれる女の子って、男子側からしたらめっちゃ嬉しいんだよなぁ)


 だってそもそも思春期の男子からしたら女子と話すのってやっぱり結構勇気がいるもんだしさ。


 だから正直桜井さんや七種さんは思春期男子からしたら話しかけるのは相当ハードルが高いんだけど、でも佐々木さんは思春期男子でもかなり気さくに話しかる事が出来る数少ない女の子なんだ。


 まぁ俺は悪乗りとか冗談みたいな話をするタイプじゃないから、佐々木さんとそういう男子特有の馬鹿話は全然してこなかったけど、それでもやっぱり佐々木さんは気さくな女の子なので俺も今まで普通によく話しかけてきていた。


(という事で佐々木さんは可愛くてスタイル抜群で気さくに話しかけやすい女子なんだから……そんな女子が男子から人気がないなんてわけないよなぁ?)


 だから俺は佐々木さんの発言を聞いてビックリとしてしまったというわけだ。という事で俺はビックリとしつつも佐々木さんの言葉にしっかりと反論をしていく事にした。


(ま、まぁ、ちょっと恥ずかしいけど……でも佐々木さんはモテる女子だって事しっかりと伝えていこう)


「え、えっと……い、いや、確かに桜井さんも七種さんもめっちゃ可愛いと思うけど、でも佐々木さんだって可愛いでしょ?」

「え?」


 ちょっとだけクサいセリフだった気もするけど、それでも俺は率直に佐々木さんは可愛いと伝えていってみた。


 すると佐々木さんは一瞬だけビックリとした表情を浮かべてきた。でもすぐに佐々木さんは自虐気味な笑みを浮かべながらこう言ってきた。


「ふんっ……別にそんなお世辞なんていいわよ」

「え……えっ!? い、いやそんなお世辞のつもりなんかじゃないんだけど……」


 俺は素直な気持ちで本心を伝えてみたつもりだったんだけど、でも何故か佐々木さんにはお世辞を言われたと勘違いをされてしまったようだ。


(そ、そんな、俺は本心からそう言ったつもりだったんだけどな……でも何で佐々木さんはお世辞だと思ったんだろう?)


「え、えっと……なんでお世辞だと思ったの?」


 という事で俺は素直に佐々木さんに理由を尋ねてみた。すると佐々木さんはちょっといじけた感じで自分の髪の毛をクルクルと弄りながらこう言ってきた。


「だって私……男子から告白とか今まで一度もされた事ないしさ」

「えっ? って、あ、あぁ、なるほどね……」


(あぁ、そう言う事か……)


 佐々木さんがそう言ってきてくれたので、俺は何となく理解する事が出来た。


 要は佐々木さんは今までに一度も男子から告白を受けた事がないから、自分はモテない側の人間なんだと勘違いをしてしまっているんだな。

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