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48話:これからも彼女と一緒にずっと過ごしていく

「……あっ、そうだ! あ、あとさ……さっき和樹がした話なんだけど……」

「うん? さっきの話って?」


 すると突然、佐々木……じゃなかった、早紀さんはまた恥ずかしそうな顔をしながらそう呟いてきた。


 でも俺はさっきの話が何を指しているのかわからなかったので、俺はキョトンとしながら早紀さんにそう聞き返していった。すると……。


「……部活」

「え?」

「そ、その、私さ……今週の土曜から部活に復帰する予定なのよ。それでその……もしも和樹が土曜に何の用事も無くて暇なようなら……良かったらバレー部の練習を見に来ても良いわよ……」

「え、良いの!? うん、わかった! それじゃあ土曜日はまたお弁当を作って早紀さんの応援をしに行くね!」

「うん、わかった。それじゃあまた和樹の作ってくれるお弁当を楽しみにしてるわね」

「うん、楽しみにしててよ! あ、それじゃあさ、せっかくだし今度は早紀さんの食べたい物を作ってあげるよ! だから何か食べたい物とかあるようだったら教えて欲しいな!」

「え? 私の食べたい物? え、えぇっと……ま、まぁその……か、和樹が私のために作ってくれる物だったらその……何でも食べたいわ……」


 早紀さんは顔を赤くしながらそんな嬉しい事を俺に伝えて来てくれた。俺の作る物なら何でも食べたいって言ってくれるのは凄く嬉しい気持ちになるよな。


「そっか。うん、早紀さんにそう言って貰えると俺もすっごく嬉しいよ」

「う、うん、まぁやっぱり彼氏が私のために作ってくれるってだけですっごく嬉しいしね……って、あ、そうだ。それじゃあさ、逆に和樹が作ってみたい料理とかは無いの?」

「え? 俺が作ってみたい料理?」

「うん、そうそう。和樹だって何か作ってみたいって思う料理が一つくらいあったりするんじゃない? せっかくだから料理好きな私としては和樹の挑戦してみたい料理を是非とも食べてみたいわね」

「なるほど、挑戦してみたい料理か。うーん、でも何かあるかなぁ……」


 早紀さんにそう言われて俺は腕を組みながら少し考えていってみた。すると俺はこの数ヶ月間で一番食べてきたであろう“あのオカズ”をすぐに思い出していった。


「うーん……って、あっ! やっぱりあれかな! 早紀さんがいつも弁当に入れてたあの甘い卵焼き! あの玉子焼きを俺も作ってみたいなー! でも確かあれって作るの結構難しいんだよね?」

「卵焼きかぁ。うん、まぁ確かに上手く作るにはちょっと慣れとかコツみたいなのがいるかもね。でも前にも言ったけどちゃんと何度も練習すればきっと上手く作れると思うわよ」

「そっかそっか。うん、それなら頑張って練習していくよ。ちゃんと美味しく作れるまで頑張るね!」

「ふふ、勉強熱心なのは良い事ね。でもそれほどまでに頑張れるなんて凄く素敵な事だと思うわよ」

「はは、そんなの当たり前だよ。だってさ……好きな人に喜んで貰いたいっていう気持ちさえあれば、それだけでどんな事でも凄く頑張れるものなんだから!」

「う……よ、よくもまあそんな恥ずかしい事を言えるわね和樹はさ。で、でも、まぁ、その……」


 早紀さんは恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、はにかんだ笑みを浮かべて俺にこう言ってきてくれた。


「……でもまぁ……うん、それじゃあ和樹の作ってくれる卵焼き……私もすっごく楽しみにしてるからね?」

「うん、任せてよ!」


 こうして俺と早紀さんは笑いあっていきながら、その日のお昼休みもいつも通り一緒に楽しく過していったのであった。


……

……

……


 そして数日後の土曜日。


「これで良し、と!」


 今日も俺は朝早くに起きて早紀さんのためにお弁当を用意していった。今日は佐々木さんは一日ガッツリと部活なので、前回と同じくお肉大量のワンパク弁当を作っていった。


 という事で今日のお弁当も9割近くが茶色いオカズに占領されてしまったんだけど……でもそんな茶色過ぎるお弁当箱の中に、今日はほんの少しだけ焦げた黄色い卵焼きがちょこんと入っていた。


【完】

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。


最後にオマケとしてヒロイン視点の話を1話だけ投稿して本作品は終わりにしようと思います。


という事で一足早いですがここまで約11万文字もお付き合い頂き本当にありがとうございました。


そしてこれからも色々な小説を執筆し続けていきますので、今後とも応援をして頂けると嬉しいです。


それでは改めて最後にもう一度、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました!

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