出会い③
私とラナはますます仲良くなり、一緒に過ごすことが多くなりました。そんなある日のことです。
部屋でじっとしているのが退屈になった私は屋敷を歩気回っていました。お父様の部屋の部屋を通りかかった時にそこから声が聞こえてきたのです。
(なにを話しているんだろう……?)
気になった私はお父様の部屋から聞こえてくる声に耳を傾けました。聞こえてきたのはお父様の声ともう一人の声でした。もう一人は声の感じからして男性に思えました。
「あのラナという少女についてお話したいことがあります」
どうやらお父様に対して男性がラナのことで話しがあって部屋を訪れているようです。
「なんだ、申してみよ」
「彼女をいつまでライアム家に置いておくつもりなのでしょうか」
男性がお父様にした質問に私はどきりとしてしまいます。
「彼女のような身元が不明な人間をいつまでも公爵家に置いておくわけにはいきません。公爵様もご存じの通り、屋敷の中では追い出せという意見も多いのですよ」
(えっ……)
男性の言葉に私は息を飲んでしまいます。今、思えばそんな意見が出ても不思議ではなかったのです。身元の分からない少女を公爵家に置いておくことはリスクでしかなかったのですから。
「……何度も言っているが私はラナをこの家から追放する必要はない」
お父様はきっぱりと男性の言葉を否定しました。しかし男性は納得せずお父様に食い下がっています。お父様はなぜか理由を詳しく説明せず、その気はないの一転ばりです。
あの男性の発言や行動はライアム家のことを考えての発言だったのでしょう、でも当時の私には自分の大事なものを奪い去ってしまうものに聞こえてしまいました。
今ならもっとうまく話が出来たかもしれません、しかし当時の私は感情に任せたまま、お父様の部屋に飛び込んでいました。
「!? アーシャ……」
「アーシャ様……」
お父様と部屋の中にいた人物はが驚いたような声を上げます、お父様が話していた人物はやはり男性でした。
「お父様……ラナを……ラナをお家から追い出さないで!」
私は涙目になりながらお父様にすがりつきます。子供が出来る精一杯の抵抗でした。
「アーシャ様、これはアーシャ様が口出し出来る問題ではありません」
お父様と話していた男性が私に対して注意をしてきます。口調は優しいものの子供の駄々を面倒に思っていることが伝わってきました。
私は男性をきっと睨みつけて感情のままに言い放ちます。
「ラナは私の家族です! 家族を追い出すなんてことは許しません!」
子供の私に面と向かって言われたのが嫌だったのか男性は眉を引きつらせます。
「アーシャ様、失礼ですがラナ様はあなたの家族ではありません。ただ公爵様が拾われてきたから皆なにも言わないだけで身元の分からない浮浪児なのです。そんな人間を家族と呼ぶのはやめなさい」
少しきつめの口調で告げられたその言葉に私は言葉を失ってしまいました。そしてその場に居ることが辛くなってお父様の部屋から走って出て行ってしまいました。
「アーシャ、待ちなさい!」
呼び止めるお父様の声を無視して私は走り続けました。途中誰かにぶつかった気がしましたが謝る余裕はありませんでした。
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