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転機

 あの謎の男によってライアム領へ魔物が侵入した事件から数日が経過した。

 僕とアーシャは起きたことをまとめライアム公爵に報告することに決めた。ちょうどあの日、僕らがライアムの屋敷に戻るとライアム公爵から手紙が届いていた。

 その手紙の内容はこちらに戻るという内容だった。その手紙を受け取ったアーシャと僕はライアム公が戻って来た時にこのことをまとめて方向しようと決めたのだ。

 もちろん僕はあの件で無茶をしたためアーシャにあの後きっちり怒られた。それはそれはきついお叱りを受けましたとも。

 まあ、心配をかけたからそれは仕方ない。

 そういう方針になったため、僕とアーシャは現在、ライアム公爵を出迎えるために、ライアム邸の玄関で待っているところだった。


(公爵様にも久しぶりにお会いするな。しっかり挨拶しておかないと)


 僕が今の人生で最も恩のある人間の一人だからね。きちんと礼は尽くさなきゃ。


「あなたはお父様とお会いするのは久しぶりでしたね」

「うん。ここのところはずっと王都のほうにいらっしゃったからね。会うのは本当に久しぶりだよ」

「お父様も久しぶりに帰って実の娘のように可愛がっている子がまた無茶をしたと聞いたら悲しまれるでしょうね」


 少し棘のある声音で僕を糾弾するアーシャ。


「まあ、生きて帰ったからいいじゃない」


 無茶をすると機嫌が悪いのはいつものことなので軽く流すように言うと、アーシャは不満げな表情で何事か呟いていた。


「いいわけないじゃない、ラナの馬鹿。毎回毎回危ない目に遭うような真似して……あなたがいなくなったら私は……」

「?」


 彼女が小声で言っていたために僕には聞き取れなかった。なにを言っていたか聞こうとしたがすぐにいつもの済ました表情の彼女に戻ってしまったため、追求は不可能になってしまった。


「公爵様がお戻りになられました」


 僕は姿勢を正す。屋敷の玄関の扉が開き、一人の男性が入ってくる。

 少し白髪が混じっているがまだまだ意気軒昂といった感じの人物だ。彼こそがライアム公爵アーシャのお父さんでもある。


「おかえりなさいませ、お父様」


 アーシャが丁寧に挨拶をする、所作がとても綺麗だ。


「うむ、今戻った。ゆっくり話をしたいところだが……アーシャよ、お前は私に話があるそうだな」

「はい。先日王都で皆と話していた件のことも考えると早急に報告した方がいいかと思いまして」


 王都で話した件? なんだろう、僕には話してなかったけど。

 アーシャの言葉にライアム公爵は険しい顔をする。


「あの件と関係があるかもか……分かった、すぐに話を聞く。確かラナも同席させたいということだったな?」

「はい。ラナと私がその件に一番関わることになったため、この件に関してはラナも同席して話をしたいと思います」

「では私の執務室へ向かおう。そこでなら人目を気にせず話すことができるだろうしな」



 ここまで読んで頂きありがとうございます! 


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