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王女襲来

 ダリアンが引き起こした魔物の襲撃事件は謎を残した部分はあるけどこうして収束した。

 彼の処分についてだけどライアム家の人間である僕を狙ったこと、公爵様を狙ったことは重く見られた。彼は家を追放となり、貴族の身分も剥奪、処刑されることとなった。処刑になるまでは牢に繋がれるらしい。

 彼は聞き取りの際もひたすら自分は悪くない、悪いのは僕、そしてダリアンを認めない公爵様とアーシャだという趣旨の主張を繰り返した。その姿は酷く醜かった。 

 ローレンス家もダリアンがあんなことをしたせいで家は没落することとなった。今まではライアム家に仕える家の中でも大きかったから権力はあったけど、今回の件で完全に信用を失い、権力をなくした。ダリアンの父親であるローレンス家伯爵は息子のしたことを謝罪し、どんな処分も受けると話していた。

 確実にローレンス家は力を失うだろう。ダリアンの好意は皮肉にも自家の貴族としての威信や地位を崩壊させたのだ。

 そしてダリアンの事件からもしばらく時間が経過する。



「ふああああああ……」


 僕は大きな欠伸をしながら起き上がる。朝はやっぱり眠い。眠い目をこすりながら横を見るとそこには黒髪の美少女がすやすやと寝息をたてて寝ていた。


「最近本当に僕の部屋で寝てばかりだね……」


 ここ最近、アーシャは夜僕の部屋に毎日来るようになっていた。ダリアンの一件で僕が狙われたと知って輪をかけてなるべく一緒にいようとするようになったのだ。


「正直、ここまで一緒だと監視されてるみたいでやりにくいんだけどな」

「そう思うならその無鉄砲さを直したらどうですか?」


 独り言に反応があったことに驚いて、僕は声のしたほうを見る。ライアム家のお嬢様がいつのまにか目を覚ましていた。剣呑な目付きで僕のほうを見ている。


「お、起きてたの?」

「ええ、今起きました。隣でなにかが動く気配がしたので。……まったく監視していないとすぐ無茶をするくせに。監視されてるように思えるのが嫌だと思うならその無鉄砲さをもう少し押さえてください」


 僕のほうを見て頬を膨らませるアーシャ。心配してくれるのはありがいけど……


「そんなに心配しないでいいよ。僕がダリアンに負けるとでも思った?」

「そんなわけないじゃないですか。あなたがあんなやつに負けるなんて絶対にありえません。それと心配するのは別の話ですよ、だってあの男がまた現れたのでしょう?」


 アーシャは声を鋭くして僕に問いかける。


「うん、ダリアンをああいう行動へ駆り立てたのはあいつの仕業だった。本当に何者なんだろうね、あの男」


 二回も僕達の前に現れたあの男。しかしいずれも僕達と戦うことは目的にしていなかった。彼の目的は僕達を倒すことではないのははっきりしている。

 一回目は魔物、二回目は道具をダリアンに与えていた。まるで自分が生み出したものの実力を試してるみたいなんだよね。

 だがそれがなんの目的を持って行われているかは分からない。だがなにか嫌な予感がするんだよね。


「……私の話を聞いていますか? ラナ?」

「あ……」


 僕はアーシャの声で我に返る。いけない、また自分の思考に没頭してた。


「ごめん、ちょっと考えごとをしてた」

「またですか。あなたの悪い癖です、考えだすと周りが見えないのは。あの男は危険な存在です、実力があってなにか企んでいる。今回はあなたを狙って行動していたわけではなかったからいいものの次はなにをしてくるか分かりません。あの男のことは二人で考えましょう。……癪ですけどいざとなればあの腹黒王女にも強力してもらっていいですから。彼女なら私とあなたに強力をしてくれるはずです」

「……そうだね、魔物の被害が国全体で広がっているということを考えれば王女殿下の協力も必要になってくるかもしれないからそろそろ王女殿下にも僕達の身い起きたことを伝えたほうがいいかもしれない」


 その時、部屋の扉がノックされる。僕が入室の許可を出すと失礼しますという挨拶と共に屋敷の侍女が部屋に入ってきた。


「お二人にお伝えせねばならないことがあり、こちらに参りました。アーシャ様の部屋にいらっしゃらなかったのでこちらかと思いまして」


 ああ、完全に僕らの行動を見抜かれている! 横にいるアーシャは少し頬を赤く染めて恥ずかしそうにしていた。


「こほん……それで要件というのは?」


 僕は軽く咳払いをし、気を取り直して侍女に要件を伝えるように促す。侍女はそんな僕の様子をからかうような笑みを浮かべて要件を話し出した。


「リアナ王女殿下がライアム領に来られるそうです」


 ここまで読んで頂きありがとうございます! 


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