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死闘⑤

「ふふ、クレイがあの忌々しい女を相手してくれているようね」


 私は忌々しいアルバインの王妃とノースフィールドの当主を相手にしながら嗤う。グレンに大事にされているあの腹立たしい女は彼に任せよう。流石に三人を相手にするのは骨が折れる。


「さて、あなた達は私を楽しませてね」


 私と向き合っている二人はそれぞれ緊張した面持ちで私のほうを見つめる。あまり余裕がないのが見て取れた。


「攻撃して来ないの? なら私から行かせてもらうわ」


 私は両手に血の剣を生み出し、疾走する。吸血鬼の力で可能になった血を利用した攻撃はいろいろなものをこうやって作れるから便利だ。

「まずはあなたから!」


 私は片方の剣を奮い、斬りかかる。狙うのはアルバイン王国の王女の首だ。

 

「簡単にやられるもんか!」


 アルバイン王国の王女は私の一撃を受け止める。まあこんな一撃で仕留められるとは私も思っていない。


「はあああああああああああああああ!」


 憎たらしい王女様は反撃に転じて剣を奮う。私はそれに応戦し激しい剣戟がかわされた。


「これなら!」


 王女様が剣を奮うと虹色の光が私に向かって放たれる。銀桜の力か。

「その二振りの魔剣だけは厄介ね!」


 私は迫りくる虹色の光線に邪竜の炎をぶつける。光と炎はぶつかった後激しい爆発を引き起こした。


「くっ!」


「ちっ」


 爆風によって私と王女は距離をとる。再び王女に攻撃を仕掛けようとしたが――。


「私もいるぞ」


「!?」


 ノースフィールドの末裔が私に向かって斬りかかってくる。二対一はやはり面倒だ。


「本当に鬱陶しい!」


 血の槍を生み出して彼女目がけて放つがすべて叩き落とされてしまった。しかも神剣から魔力を束ねた攻撃まで放ってくる。

 私はその攻撃をかわし、反撃。激しい応酬が繰り広げられる中、王女のほうも私への攻撃に再び参加してきた。

 王女のほうが紅禍を奮いこちらの魔力を利用した攻撃を無力化し、ノースフィールドの大公がその間に攻撃を仕掛けるという息のあった連携が行われていた。


(裁けないわけじゃないけど……いい加減面倒ね)


 このままだらだらと戦いが続くのは避けたい。この二人を殺すのは目的の一つに過ぎないのだからここで労力を費やすのは避けたい。


「……あなた達はよく頑張ったわ。涙ぐましい努力で私と張り合ってくるのは感心もする」


 私は大きな脅威に対して抗う目の前の二人に敬意を表する。しかし――


「でもいい加減あなた達と戦うのも飽きたわ。だから……終わらせるわね」


 言葉と共に無数の血の棘が私達の周囲に出現、そして王女とノースフィールドの大公に襲いかかった。

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