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死闘①

「さて。始めましょうか」


 私は自分の目の前に邪竜の炎を生み出す。小さかったそれはやがて大きくなり、禍々しい火球となった。


「ふふ、とても綺麗。さてこの炎であの街を……」


 私は狙うはライアム領。この攻撃程度を受けきれないなら私と戦うことなんてできない。


「跡形もなく焼き払ってあげる!」


 言葉と共に炎が放たれる。勢いよく放たれたそれが街に直撃する寸前それはなにかに弾かれた。

 弾かれた火球は街にはあたらず、その周りを破壊した。


「あら。そんな状態でもやっぱりこれくらいの攻撃はあなたにとって防ぐのは朝飯前かしらね」


「ん、いきなり攻撃を放ってくるくらいやる気まんまんで引く」


 私の目の前に現れたのは黒と金の装飾を施した美しい剣を持った灰色の髪を持つ少女――シャルロッテ・ノースフィールド。

 かつての私の友の末裔、しかし今はそんなことで相手に情けを駆けたりはしない。


「それはそうでしょう。私はあなた達を絶対に殺したいんだから。最初からこれくらいはするわよ」


「そうはさせない。今度こそあなたを葬る。今、生きているべきではないあなたにこれ以上今の世界を壊させるわけにはいかない」


 アリスの言葉に私は苛立ちを覚える。生きているべきではない? それは生き残るかどうかで決めることでしょうに。


「はは、私を倒す? 今のあなたじゃ無理でしょう。あのライアムの小娘を復活させるのに力を使ってまだ本調子じゃないでしょうに」


「ん、それでもあなたに遅れはとらない」


「ほざけ!」


 私は怒りに任せて血剣を生み出し、シャルロッテ・ノースフィールドに斬りかかる。彼女の持つ神剣と私の剣は激しく打ち合った。

 それでもしばらくすると私のほうがシャルロッテを押し始める。やはりまだ本調子ではないらしい。


「ふふ、やはり本調子じゃないみたいね。剣さばきにも動きにも切れがないわよ」


「……っ」


 シャルロッテは表情を変えなかったものの本人も劣勢なのは感じているようだった。


(厄介なこいつさえ死ねば後は敵じゃないわ)


 私は邪竜の炎を生み出し、シャルロッテに向けて放とうとする。その時、私に向かってなにかが飛んできた。


(光の矢!?)


 私は生み出した邪竜の炎を光の矢にぶつける。眩い閃光が辺りを照らした。


「今の攻撃を放ったのは……」


 私は攻撃の放たれた方向を見る。そこに立っていたのは夜の闇を思い起こさせるような黒い髪を持ち、強い意志を秘めた赤い瞳でこちらを見つめる少女、私にとって絶対に殺したい人間の一人。忌々しいその人間の名前を私は口にした。


「アーシャ・ライアム……!」


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