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真実

「シャルロッテ……話したいことってなに?」


 突然僕の部屋を訪れたシャルロッテの意図が分からず、僕は困惑していた。彼女はゆっくりと僕の側に歩み寄ってくる。


「私達が王都で戦った敵についてあなたと話をする必要があると思った」


「なんで?」


「あの二人はあなたの知っている人でしょう」


「……!」


 シャルロッテの言葉に僕は返答を返せず、言葉に詰まる。


「隠さなくてもいい、私は彼女――アリス・ローゼンタールのことを知ってる、彼女に仕えていたクレイ・トワイライトのことも」


「……どうして……?」


「私には一族の記憶が受け継がれている。今までのノースフィールド家の者達の記憶が。その記憶の中であの二人の人柄や辿った結末について知ってるの」


「……っそんなことがノースフィールド家の人間は可能なの!?」 


 驚愕する僕にシャルロッテは頷く。


「私が当主になった時、前当主から受け継いだ。ノースフィールド家は世界の守護者、その役割を果たすために今まで起きたことを知る必要があるからって。これも私の一族に備わっている機能のようなもの」


「……」


「そして私は君がどういう経緯で生み出されたかも知ってる。ラナ……いいえ、グレン・アシュヘルト」


「……君は最初から僕の正体を知って……!?」


 僕の言葉にシャルロッテは顔を伏せる。


「そう、私は知っていた。あなたがクレイ・トワイライトによって転生させられていることも。あの二人がこの世界に復讐したがっていることも。結局破局は防げなかったけれど」


「……そのことを今僕に伝えてシャルロッテはどうしたいの?」


「あなたはあの二人になにが起きて今回のことを引き起こしたのか知りたくないの? あなた自身がなぜ彼らと一緒にいないのかも」


 知りたくないわけがない、それは今僕が一番知りたいことだ。なぜあの二人がこんなことをしようと思ったのかを二人と一緒に戦った人間として知らなきゃならない。


「シャルロッテ、君はそれを僕に教えてくれるの?」


 僕の質問にシャルロッテは頷く。


「ラナには知る資格があると思ってる。かつてあのアリス・ローゼンタールに仕えたものとしてあなたの死後に彼女になにが起きたのか」


「……もし君が僕にアリス様達になにが起きたかを教えることが出来るなら」


 僕は顔をあげてシャルロッテを見つめる。そして自分の決意を伝えた。


「教えて欲しい。二人になにが起きたのかを。それを知らないと……僕はこれからどうすべきかさえ考えることが出来ないから」


 クレイに王都での戦いで言われたことが思い返される。お前は半端者だと。

 確かにそうだ、自分の生み出された理由も知らずに恵まれた環境でこんなふうに暮らしていたら半端者だろう。


 だから、


「お願いだ、シャルロッテ。僕に二人がどんな経験をしたか見せて欲しい」


「……分かった。あなたがこの記憶を見てどんな行動をとることを決めるのか分からない。余計に迷うのかもしれないけれど私はあなたの意思を尊重する。目を閉じて」


 シャルロッテに言われた通り、僕は目を閉じる。彼女の額が僕の額に合わせられ、見える景色が変化していった。



 

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