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勇者vs魔王⑤

「第二の制限解除、光剣展開」


 その言葉が合図となり、シャルロッテの周囲に光剣が二本展開される。彼女の体からも虹色の魔力が強く溢れ出し始めた。


「? まだそんな力があったんだ」


 アリス様は少し驚いたような表情を見せるが、すぐに不敵な笑いを受かべる。


「だけど関係ない。あなたはここで殺して私は私のやりたいことをやるの」


 アリス様から無数の血の棘が放たれる。棘は容赦なくシャルロッテに襲いかかった。しかし彼女はその場から動こうとしない。


「なに? 諦めたの? まあいいわ、そのまま死になさい!」


 アリス様はシャルロッテの様子に戸惑ったがそのまま攻撃をやめない。血の棘がシャルロッテを串刺しにしようと迫る。

 しかし彼女がそうなることはない、先程生み出した光剣が棘をすべて粉砕する。

 シャルロッテはそのままアリス様目がけて駆け出す。その間も棘は迫り来るがすべてシャルロッテの光の剣がその攻撃を防いでいた。


「……忌々しい!」


 アリス様が苛立ちながら邪竜の炎をシャルロッテに向かって放つ。シャルロッテは神剣を横薙ぎに払い、その炎を払った。そのままアリス様に近づき剣を振り下ろす。

 アリス様もただではやられない。振り下ろされた剣を血剣で受け止め、数合打ち合った後で距離をとり、再び炎を放つ。シャルロッテも魔力を放って炎を相殺、爆発による凄まじい音が響き渡る。


「!?」


 シャルロッテは怯まずアリス様との距離を詰めていた。咄嗟に回避しようとしたアリス様だが切り上げの攻撃を回避出来ずに右腕が切り飛ばされる。


「ちっ……」


 後退したアリス様、その間に切られた右腕が再生する。


「それ、吸血鬼の再生能力?」


「ええ、そうよ。私を殺したかったら一撃で消し飛ばすことね。少しでも体の一部があれば再生出来るから」


「ならそうさせてもらう」


「出来るならね!」


 再び激突する二人、激しい攻撃の応酬が繰り広げられるが、だんだんシャルロッテが押し始める。


「ぐっ……」


「あなたは強いけれど……これで終わらせてもらう」


 シャルロッテの言葉が合図となったのか二本の光剣が彼女に合わせるようにしてアリス様に攻撃を加える。


「簡単に終わるか!」


 アリス様もただでは終わらない。防御のために血の壁を作り出すが二本の光剣はそれを切り裂いた。


「!? な……」


「ふっ……!!」


 好きが出来たアリス様目がけてシャルロッテが袈裟切りに剣を振るう。振るわれた剣はアリス様を見事に切り裂いた。


「あっ……」


「これでおしまい」


 シャルロッテは追撃の手を緩めない。切られて動きを止めたアリス様に止めを刺すために彼女の神剣に魔力が収束していく。


 しかし、


「……ごほっ……!」


 嫌な音が響く。それはシャルロッテが血を吐いた音だった。


 

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