表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜星の流れ人  作者: null
二部 五章 ルナティック・キャンディ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/187

ルナティック・キャンディ

さて、二部のタイトル章、

『ルナティック・キャンディ』の始まりでございます。


タイトル章として相応しい内容になるよう、

気合を入れて書いたつもりです!


是非、お楽しみください。

 きらきら光る、綺麗な宝石たちに、とっても甘いキャンディ。


 イエロー、ゴールド、ブルー、グレー。


 最近のお気に入りはエメラルドグリーンだった。


 でも、今はもっと欲しいものがある。


 ブラックも、カーマインも、まだ持ってない。

 今直ぐにでも欲しいけれど、もう少しだけ我慢、我慢。


 だって、私は知っているから。


 本当の本当に我慢できなくなるまで待ったほうが、もっといっぱい輝いて見えることを。


 綺麗なものは大好きだ。

 混じりけの無い、純粋で、単純なものほど美しくて、そしてとっても丈夫。


 簡単には壊れないから、ずっとそばに置いておける。


 だから、後もう少し。


 今はまだ、中途半端な輝きだけれど、

 もう直ぐ元の姿に戻る。


 不純物の無い、黒く澄んだブラックダイヤモンド。


 欲しい。

 欲しい、欲しい。

 大丈夫、焦らなくても大丈夫。

 同じ、だから。


 きっと喜んでその輝きを曝け出してくれるはずだ。


 だけど…。


 もしかすると、もう片方が邪魔をするかもしれない。


 ガーネット。


 綺麗だけれど、どこかそそらない。あくまでも本命はブラックダイヤ。


 あれは濁っているから。


 複雑で、欺瞞に満ちていて、それなのに純なるもののそばにいようとする。


 朱に交われば、赤くなる。

 濁った水が、純水を穢すように。

 黒い絵の具が、他の色の全てを呑み込んで黒に帰るように。


 きっと、いつかあの輝きを曇らせてしまう。


 あくまでついでのガーネット。


 邪魔するのなら、叩き割るだけ。


 私は綺麗なものを愛でるのも好きだけど、それよりも壊すことのほうがもっと好き。


 だって、そうすればその美しさは永遠に私だけの手元に残るから。


 本当に綺麗なものは、思い出の中でだってキラキラ光る。一等星みたいに。


 でも、もっと好きなことがある。


 それは――。


 唐突に、遠くのほうで火柱が上がった。地下から噴き出たジュースみたいだ。


 もう直ぐだ。


 お楽しみはいよいよ目と鼻の先だ。


 退屈しのぎに他の宝石で遊んでみたけれど、やっぱり不純物だらけで汚いだけだ。


 私を満足させられるのは、やっぱり単純で、プリミリティブな光を持つ宝石だけ。


 思わず、笑いが零れる。


 こんな汚いものに触れるよりも、あのブラックダイヤに触れているところを妄想していよう。


 あの白い表面に舌を這わせているところを想像する。


 しかし、どんな色を返してくれるか分からないため、結局直ぐにその妄想は霧散する。


 小さな桜色の唇から、はぁ、と熱っぽい吐息が零れだす。


 待っててね、私も待っているから。


 光輝く、ブラックダイヤ。


後書きまで目を通していただいている方々、いつもお世話様です。


拙い作品をご覧になって頂いてありがとうございます。


さらにご意見・ご感想、ブックマークや評価をして頂けている方、

いっそうの感謝を申し上げます!


今後とも、よろしくお願い致します!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ