98話 休暇の予定
そろそろ本気でレベル上げを考えなくてはいけないとアルスは思っていた。
レベルもこれまでに300まで上がっているが、そこからはどうしても伸びていないのが現状である。
現在のステータス↓
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名前/アルス・シルバスタ
家名/ベルゼビュート
年齢/16
種族/神人族
職業/魔剣士、格闘家、大魔導師
称号/鉄壁、魔帝の後継者、創造神の使徒
レベル/300
HP/15,000,000
MP/ 22,000,000
攻撃力/14,300,000
防御力/79,000,000
俊敏/26,000,000
器用/ 666,000
幸運/777
魔法適性/全属性
固有魔法/[念動力/ LV.MAX][全知全能][無血城塞]
攻撃魔法/ [全属性魔法]
防御魔法/ [全属性魔法]
固有スキル/ [創造][覇道/ LV.MAX][鍛錬の道/ LV.MAX][統率/ LV.MAX][威圧/ LV.MAX][支配/ LV.MAX][気功/ LV.MAX][自動回復/ LV.MAX][ステータス閲覧][ステータス改変]
耐性スキル/ [孤独耐性/ LV.MAX][飢餓耐性][物理攻撃耐性/ LV.MAX][魔法攻撃耐性/ LV.MAX]
神聖スキル/[世界神の加護][世界樹の加護]
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父上にステータスの事を確認したのだが、正確には教えてもらえなかったが現状ではもろもろ倍くらい違うらしい。
いやいや………父上強過ぎ。
レベルが700というのは聞き出せたのだが、果たしてどうやってそこまでレベルを上げればよいのだろうか。
だが、今後邪神と戦うなら確実に今よりももっと強くならなければならない。
創造神曰く、固有スキルの鍛錬の道がある分他の人よりも上がりやすいらしいが………。
やはり………強いモンスターと戦うべきだろうな。
南大陸よりも北大陸のモンスターの方が同じランクでも遥かに強いことは確認している。
しかし、命懸けになるほどの死闘がなければこれ以上の成長は難しいだろう。
そこでアルスは、次の学園の長期休暇に武者修行に行くことに決めた。
「夏休みはどうするんですか?殿下」
休み時間にミーナに話しかけられた。
そこにはルフリアとポリオ、無事に帰ってきたマナリノもいる。
学園でのいつものメンバーである。
「ちょっと色々あって遠征に行くつもりなんだよね……ミーナ達は?」
「私はそろそろ晩餐会などに参加しなければいけないので殆どそういう予定になりそうです。あとは魔法の訓練ですね」
「ルフリアは?」
「私は………お見合い………らしいです」
「え?お見合い?」
「………とても嫌なのですが………伯爵家の次期当主らしくて世間的に断れないと父上に言われて…」
「なるほどな……」
「で、殿下は………その………お見合いはどうしていたのですか?確か許嫁がいるとか」
「あー、そうだな俺の婚約者は知ってると思うけど創真教の教皇だよ」
「聖女ロクシュリア様ですね。それはやはり国家的な婚約なのでしょうか?」
恋愛というのはどこの世界でも女子は好きである。
聞いてきたルフリアだけでなくミーナ、マナリノ、他の周りの女子生徒達も聞き耳を立てている。
「いや……婚約は俺とロクシュリアで話し合って決めたことだ。恋愛での婚約なんだろうな」
「れ、恋愛ですか!?」
「俺は好きな相手としか結婚したくない。それに、ロクシュリアは俺には勿体ないくらい良い子だからな」
「好きな人と………」
「だから、ルフリアも自分の意思で決めたほうが良いと思うぞ?」
「ですが………」
「確かに貴族間では結婚による血筋の縁はとても強く重い。だからこそ、家柄は大きな決め手になりうるだろう。だが我が魔国は統一国家でもう国の内部での小競り合いも殆ど起きてない」
「はい」
「確かに国として他の国に隣接していたり、国内部で皆が牽制し合っているのなら結婚による縁は重要だろう。だが、そうでない我が国なら好きにしてもいいんじゃないか?本当に嫌なら俺からもロイドに言ってあげるよ」
「………有り難うございます……殿下」
ルフリアは少し晴れた顔になってアルスに頭を下げた。
「にしてもアルスくんは教皇様と結婚するのかー、凄いね。まぁでも世界的に唯一の大陸統一国家の皇太子だからね。ある意味他に釣り合う女性はいないかな」
「ポリオはどうなんだ?王子なんだからそういう話もそろそろ上がってくるだろ?」
ポリオ・ブルーダストはドワーフの国家……ブルーダスト鉱国の第三王子である。
「僕はアルスくんとは違うよ、帝国の皇太子ってわけでもないし。それに第三王子だから………まぁいずれ国内のどっかの貴族の娘と婚姻するのかな?」
「なんで他人事なんだよ……それでいいのか?」
「僕は出逢い方に運命を感じないんだ。出逢った事が運命なんだって思う。だから、お見合いでもなんでも問題はないかな?それに結婚してから好きになればいいんだもん」
「なんか…………お前王族なんだな………」
「へ?………いまさら?」
同級生の聞いたことがなかった王族らしいと言える価値観にアルスは驚いた。
だが、確かにその考えも間違いではないのだろう。
「マナリノはどうなんだ?」
「私は………平民なので貴族様や王族、皇族の方々とは違うのです。でも………」
「でも?」
「笑わないですか?」
「笑わないよ………どうした?」
「絵本のような恋がしたいのです」
そう言いきったマナリノにアルスは“へ?”と間抜けな声を上げた。
ルフリアとミーナはニヤニヤしていて、ポリオは“ふむふむ”と何やら頷いている。
「ま、まぁそういう出会いもあるかもな」
「うんうん、マナリノならどこかの貴族と結婚したりもあると思いますわ!だってとても可愛いですもの」
「そうね………マナリノは可愛い」
ルフリアやミーナはマナリノをかなり気に入っている。
皆の妹キャラであるマナリノの愛くるしい雰囲気は平民だという事を気にしない二人にとっては癒やしなのだ。
「で、ポリオは夏の休暇はどうするんだ?」
「僕は………ほら、前の誘拐事件の時の帰還命令をずっと無視してたから……一旦帰国しないとかなー」
「顔が嫌そうだな」
「内政でも戦闘でもパッとしなかったからそこまで期待されてないんだけど、父上と母上は過保護だから………小言を言われそうで」
「なるほどな………。にしても期待されてなかったのか。あれが公表できたらな…」
「国内では夢見る王子とかって陰口を言う人もいるけど………でも、良いんだ!秘密にしてたって、夢が叶ったのは何も変わらないんだから!ありがとうアルスくん」
相変わらず魔法が使えるようになって毎日嬉しそうなポリオを見てアルスはとても和む。
こんな良いやつで魔導具を作る才能もあるのに馬鹿にされているというのは友人として聞き捨てならないが………今はまだ発表できないのも事実。
いずれ発表して、友人の汚名を返上しようと心に誓った。
「それで殿下はどこに遠征に行くのですか?」
「ん?あぁ、四霊山に行こうと思ってな」
「四霊山…………」
ミーナはゴクリとつばを飲んだ。
ポリオ以外の面々も同じく固まっている。
「ミーナさん四霊山てなに?」
「四霊山は魔国で最も危険な場所です。四体のSランクを超えるモンスターが存在し、危険区域として立ち入りを禁止させれている場所………」
「北大陸のSランク以上って………」
「……天災級です」
天災級とはモンスターの評価として最も危険と言われているものである。
一体で国が滅ぶとまで言われており、正しく規格外のバケモノ。
それが四体いるというのはさすがに強者揃いの魔族といえど相当に危険な場所なのだ。
アルスはそこに向かおうとしていた。
「………なぜ、そこに?」
「んーもう少し強くなる必要があってね」
「い、今でも十分にお強いと思うのですが」
「いや、いずれこの国の皇帝になるんだからこのままじゃ駄目だよ。俺なんて父上の足元にも及ばない」
「…………魔帝陛下と比べるのは少し…」
「比べなきゃ。だって、俺が次代の皇帝なんだから」
そう言い切ったアルスを見て、改めてこの人は次期皇帝なのだなと皆が実感した。
平民だろうがなんだろうが気軽に仲良くし、皇族だろうが恋愛で結婚すると公言できる優しい少年。
だが、その力も、そして心も、正しく次期皇帝のモノであった。
「まぁ大丈夫さ。それなりに強いからね俺って」
「アルスくんがそれなりだと殆どの人が底辺ってことにならない?」
「言いすぎだろ?」
「いやいや…………」
四霊山でどんな出会いがあるのか、どんな戦いがあるのか………
その頃のアルスはまだ何も知らなかった。
日間ジャンル別でハイファンタジー2位になりました!!!(/ω・\)チラッ
本当に、呼んでくださる皆様のおかげです!!
いいね、ブックマーク………マジで嬉しいです!!
それと、前話の前書きでも書きましたが誤字脱字や表現のアドバイスなど送ってくれる皆さんも………大好きですヽ(´ー`)ノ
皆さんと共に、一緒にこの作品を完成できたらな………と思います!
今後とも転生捨て子を宜しくお願いします!!
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11/25
日間ハイファンタジー1位になりました!!




