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83話 ポリオ・ブルーダスト



皆様のおかげで、日間【ハイファンタジー】ランキング19位!!日間総合ランキングにも載ることができました(TOT)

ありがとうございます……

今後とも宜しくお願いします!!








 昼休みに今日はミーナとルフリアが用事の為いなかったので、久しぶりに一人で席で休憩していたアルス。

そこに黒髪で小柄なとても童顔な少年が近付いてきた。




「あの〜、アルス殿下」


「殿下はやめてよ……えっと君は…」


「ポリオです。ポリオ・ブルーダスト」


「ブルーダスト………」




 アルスはその家名を聞いて目を見開いた。




「なるほど、ドワーフの……」


「はい……ブルーダスト鉱国…第三王子です」


 


 ブルーダスト鉱国は西大陸にあるドワーフの国家である。

世界的な鉱山地帯にあり、武器や防具、魔導具を製作する技術に優れている為ある意味で世界的にも有名な鍛冶の国である。

ちなみにだがベルゼビュート大魔帝国とは直接関わってはいない。

だがそれでもブルーダストからの商人も少なくはなく職人気質で国交を苦手とするドワーフに代わり、他の種族の商人達がそのドワーフ達の作品を帝国でも販売している。

また珍しいタイプのドワーフは他国で武器屋や防具屋、鍛冶屋や魔導具屋などを営んでいたりもする。

その武具や防具は相当な代物で冒険者達はドワーフ製作の装備を手に入れることを第一目標にしていたりする。

そして各国の貴族もまたドワーフの魔導具をブランドとして熱望している。




 この少年はそんな国の第三王子らしい。

国交に向かないとされるブルーダストの王子がまさか帝国の学園に居るとは思ってもみなかった。




「で、そのポリオ王子は何か俺に用事?」


「え、えっと………良かったら仲良くしたいなと……王子はやめてください」


「理由を聞いても?ブルーダストはベルゼビュートと特に良い関係を築けては居ないと思うんだけど」


「えっと………国、とかじゃなくて。アルス……くんは魔法も凄くて頭も良くて……、それに皆にも優しくて………だから友人になりたいなって……ダメ……だよね?」




 まるで小動物のように目を泳がせながらそう尻すぼみに言ってくるポリオに、アルスは優しく苦笑する。




「ダメなわけないだろ。同じクラスの人間なんだし。共に皇家、王家の苦労を理解している分、むしろ他の人よりも分かり合えると思うけど…」


「……い、いいの?」


「もちろんだよポリオ」


「あ、あの………今度僕に魔法を教えてくれない?」




 目を輝かせてそう言うポリオ、実を言うと世界的に見てもそれは難しい。

なぜならドワーフに魔法の才能はないからだ。

その為ドワーフは魔法扱えないのを補うように強い武器や防具、そしてドワーフ独自の技術によって術式を刻み込み魔導具などを製作してきた。

なので、ドワーフが魔法を使えないのは皆が知る当然の事実だった。




「さすがに………無理だよね。僕ドワーフだし」




 アルスの思案顔に顔を暗くするポリオ。

だが、アルスは違う事を考えていた。

新しい実験についてだ。

その為にとある人物に質問することにした。




「で、ドワーフは本当に魔法が扱えないのか?」




 自分にではなく天井に目を向けてそう呟くアルスにポリオは首を傾げた。




『扱えないわけではない。ただ、体質的には難しいじゃろうな』


「てことは可能性はあるのか?」


『………ある。術式を刻む技術にも魔力はいるんじゃ。だから魔力がないわけではない』


「なるほど……」




 創造神からそう言われてアルスは顎に手を置き、そしてポリオを見つめる。




「創造神曰く、ドワーフが魔法を扱うのは不可能ではないらしい」


「え!?」


「体質的に難しいだけで、魔導具に術式を刻むのにも魔力を使っているから魔力があるのも事実。だから難しいが使えなくはないらしいぞ?」


「それ、本当!?」


「あぁ、この世界を創った創造神が言ってるんだから間違いない」


「やったーー!!!!」




 ポリオは見た目通りの少年の顔でぴょんぴょん飛び回って喜んでいる。

なぜか弟のように思ってしまう。

が、長命種であるドワーフの為もしかしたらとんでもなく年上の可能性もある。




「俺と実験してみるか?」


「実験?」


「あぁ、ドワーフが魔法を扱えるようになる実験だ」


「やる!!やるよ!!絶対に」




 覚悟の瞳。

その瞳になぜそこまで?と思う。

ドワーフは魔法を扱わなくても優れている。




「なんでそこまで魔法を使いたいんだ?」


「この前の入学式の時、アルスくんが使った魔法………とても綺麗だった。それに授業の時のアルスくんもとてもかっこよかった。あそこまでは無理かもしれないけど、でも僕も魔法が使えたら………楽しいんだろうなって」


「………そんなキラキラした目で見られると気まずいな…。確かに高位魔法は難しいかもしれない……それに通常の扱い方では魔法は使えないかもしれない。だが、ポリオに俺の独自の魔法の扱い方を教えよう。もしかしたら使えるかもしれない」


「………アルスくんの独自の魔法………すごそう!」


「ま、あまり期待しすぎないでくれ。確証はないんだ」


「それでも……可能性があるってだけで嬉しいよ!!」


「なら、放課後ミーナとルフリアに魔法を教える事になってるから用事がないならポリオも来るか?」


「いいの!?行くよ………もちろん」





 この日から俺とポリオの実験の日々は続く事になる。
















 その日の放課後………

アルスはミーナとルフリア、そしてポリオを蒼天の本部である無血城塞に招待した。




「ここが………蒼天の………」


「素晴らしい城ですわ!」


「凄いな………これがアルスくんの為の城なんだ………うちの国の王城くらいの規模だよ。さすがはベルゼビュート大魔帝国………資金が違うね」




 各々感想を述べる3人。

だが、ポリオの呟きにアルスは苦笑する。




「ポリオ……資金はかかってないぞ。まぁ維持費は掛かってるがな」


「え!?どういうこと?」


「それは………」




 アルスが答えようとするとローナが現れた。

そして、話を聞いていたのか無血城塞を手で示す。




「あれは、殿下が魔法でお造りになったんです」


「「「え!!!!!」」」


「本当……なのですか?」




 驚愕する面々の中で代表してミーナがアルスに聞く。




「あぁ、あれは創造神からもらった俺の固有魔法だ。ちなみにだが出し入れ自由だぞ?出しっぱなしだけど」


「………出し入れ自由…………それは…」


「それだけじゃないですよ皆さん。この殿下の無血城塞はその名の通り内部での一切の戦闘行為を拒絶します。もし、内部で戦いになればその者らは外に放り出されます。なので世界一安全な城塞ですね」


「す、すごすぎるよ………アルスくん」


「さ、さすがです殿下」


「………さすがは使徒様ですわ」







 3人が驚愕して顎が外れそうになっている。

最近慣れすぎて忘れていたが確かに無血城塞はとんでもない魔法である。





 そんな驚愕と困惑の三人を引き連れて、アルスは蒼天の訓練場に向かって歩みを進めていく。



























ポリオはローゼン王国の学園の時から出そうか考えていた人物です。

やっと登場させられました。

学園編はまだまだ序盤!!!

皆さんはどんなキャラが欲しい????

感想に書いてくれたら登場するかも!?




い、一日のアクセス数が……4万を超えてやがる…怖い


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