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77話 家族の優しさに包まれて


祝77話!!パチパチパチ

77話でヒロインを確定したいという思いはなんとか叶えられました!











 応接間ではない家族のプライベートのリビングでソファに腰掛ける面々は何事かと困惑気味である。



 現在各々が忙しく仕事や諸々に時間を費やしている中での家族招集とはそれ程までになかなかない事である。

しかも呼んだのはアルスであり、なぜかその横にはロクシュリアが座っている。




 父上はなぜだが不敵に笑みを浮かべているし、父さんもまた何かを察して微笑んでいる。



 「急に呼び出してごめんね。報告があって………」


「報告か……覚悟を決めたか?」


「まぁ追々色々とあるからまだあれなんだけど………」




 父上の瞳が黄金に煌めいてるのが少し緊張を増すのだが、それよりも母上と母さんが何事かと身構えているのも気になる。

察しが悪すぎないか? 




「正式にロクシュリアと婚約しようと思う」


「そうか、良縁だな。喜ばしいことだ」


「アルスが婚約か……めでたいな」




 婚約を告げると父上と父さんはすぐにそう言った。

やはり分かっていたのだろう。




 しかし、母上と母さんは目が点になっている。




「あ、アルスが……婚約………」


「ま、まだ早いんじゃないかな?アルス」




 その二人の狼狽に父上と父さんが“はぁー”とため息を吐く。




「ちゃんとロクシュリアと話し合って決めたんだ。俺の意思でもあるし」


「わ、私の意思でもあります。私は生涯アルス……くんと、一緒に添い遂げたいと思っています」




 母上と母さんは狼狽えながらメルを見る。

ここは兄好きのメルが駄々をこねるだろうと思っているのだろう。

しかし、メルはにこやかに笑っていた。




「おめでとうございます兄上……お姉ちゃん」




 そのメルの言葉にはさすがの父上と父さんも目を見開いて驚いている。

どうやってメルを説得した?と目で訴えていた。

が、それは俺にもよく分からない。





「俺がちゃんと考えて決めたことなんだ。だから母上と母さんにも受け入れて欲しい」




 二人は諦めたように頷く。

この二人は息子離れできていない。

もはやメルよりも深刻かもしれない




「驚いたけど……喜ばしいことではあるわ。ロクシュリアちゃん……アルスを支えてあげてね」


「……もちろん私達もロクシュリアちゃんを支えていくわ」


「ありがとうございます…お母様方……」


「よくよく考えたらこんなに可愛い娘が増えるのね…………嬉しい…」


「メルだけでなく、新たな娘………良いわ」




 ロクシュリアのお母様が効いたのか、二人は満更でもない顔でニヤついている。

ロクシュリアは人たらしなのかもしれない。



 

「陛下……私は正式に結婚となれば教皇ではなくなります。アルスくんは力を失う私の事を悲観せず、力を失っても良いと思う程に想っているということが嬉しい、と言ってくれました。しかし、ベルゼビュート大魔帝国からしたら元教皇ではあっても、権力を無くした私にそこまでの価値はありません。それでも、宜しいのですか?」


「ほう………アルスはそう言ったか。もし私がアルスなら同じ事を言ったかもしれん」


「………?」


「力ある者同士の結婚となれば確かに国としては強くなるかもしれん。だが、生涯のパートナーとなればそこに愛は感じにくい。むしろ権力を捨てても良いと思える程に息子を想うそなたを私も好ましく思う。そしてロクシュリアよ……そなたの価値は教皇という権力があるかないかではない。そなた自身がそなたの価値であるのだ。なにも悲観することはない。」


「………ありがとうございます」




 父上の言葉が胸に刺さったのか嬉しそうにうつむくロクシュリアを見て、我が家はとても良い家族だなと改めて感じた。




「ロクシュリアは天涯孤独の孤児であった過去があります。そこから聖女としての力で崇拝され教皇として崇められてきた彼女にとって、それが無くなった自分は無価値なのではないかと恐れがあったようです。しかし、そんな彼女だったからこそ私は共にありたいと思いました。まだ結婚は先になるかと思いますが、その前に我が家の中ではロクシュリアを家族として迎えてあげたいと考えています。家族の愛を知らずに育ったロクシュリアに、帰る場所を作ってあげたいのです」





 俺がそう言うと父上と父さんは嬉しそうに微笑んだ。

母上と母さんはなにやら温かい目を向けている。

メルはロクシュリアの過去を知り、立ち上がるとロクシュリアに近寄って抱き締めた。




「我らが息子は、とても良く育ったものだな……ケイレスよ」


「本当に我らが息子ながら、立派になりました」


「マリー……新たな娘を溺愛しましょう」


「そうですわね。こんな可愛い娘ですもん」


「お姉ちゃん……もう家族だよ」




 メルに抱き締められて家族の言葉を聞くロクシュリアはとても嬉しそうにしていた。

それを見て俺も嬉しくなった。

この先ロクシュリアは家族の愛に包まれるだろう。

少し重いかもしれないが、うちの家族はとても良い家族だから大丈夫だろう。










  

 さらに数日後、世界にベルゼビュート大魔帝国皇太子…アルス・シルバスタ=ベルゼビュートと創真教国教皇…ロクシュリア=ソーマリアとの婚約が発表された。












 それを知ったトルスが「レオの次はアニキが………」と項垂れ、レオが「追いつくの早いなーアルス」と空を見て笑ったのはアルスの知らない話だった。



 そして、とある大陸の商人の女が…「えー、うそでしょお!!!!」と絶叫したのもまたアルスの知らない話である。

















少し戦いと離れたエピソードが続きましたが、今後バトルシーンは増えていきます!

そしてまだまだ先ですが佳境にいくとどんどん内容が濃くなっていきます!!

戦闘が続き過ぎるときは閑話を入れながらやっていきますので今後とも(転生捨て子)をよろしくお願いしますお願いします!!



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