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74話 仕方ねぇから殴り飛ばしてやるよ


一個前の話で閲覧伸びてるからレオ編3話続けていくって言ったので、あげることはあげるけど、気付いてしまった。

こんな盛り上がるところなのにいいねが付かない!

それはそうだ、更新したから新規が増えてるだけでブックマーク83人しかいないんだから多分皆見てない。

てことは、閲覧してる人最新に皆追いついてねぇーじゃん!!!_| ̄|○











 近くの喫茶店で向き合った女性……レルムはレオが語らなかったことを語りだした。




 レルムはレオと同じ隊で前線で戦っていた一人らしい。

だからこそレオの心情を理解していると言った。




 レオの居た隊は中隊の中ではかなり強かったらしく、特に戦火の激しい所で戦っていたそうだ。

レオはその優しさから最初は気持ちがふらついていた。

獣人族と言えど人であることに変わりはなく、友人に魔族がいるレオにとっては種族の違いはあれど人を殺すことに躊躇いがあるとレルムによく漏らしていたらしい。

しかし、それでも戦争。



 攻め込んできた敵を倒すしか無い。

レオもまた心を消して敵と戦い続けた。



 次第に仲間が減り、上官が死に、敵と味方の屍が山となる。

その中でレオは心を惑わすために酒を飲みながらもなんとか平常を保っていたそうだ。



 だが、ある日戦っていた獣人のなかでも強者だった男に獣人が戦う理由。

人族では教えない歴史から消された部分を聞くことになる。

獣人を虐げ奴隷として獣のように扱っていた歴史。

だからこそ、許せないという種族としての怒り。



 レオはそれを知って戦いの意味を見失った。

それによって緩む剣筋、敵の攻撃が次々に当たり、しかしレオのその姿を見てちょうど近くに居た男が間に入った。

男はその中隊の所属ではない。

なぜそこに居たのかもその後もよく分からなかったそうだ。

だが、彼はそこに居て、死にかけのレオを庇った。




「そして、その方は亡くなりました。」


「………なるほど」




 その死を自分のせいだと考えたのだろうとアルスは思った。

だが、レルムは続けた。




「そのレオくんを庇った人は、前線を指揮する大将でした。」


「え?」


「だからこそ、なぜそこに居たのかもの分かりません。もしかしたら心配だったのかもしれません。その殉職した方は大将レイオン・トライデン閣下でした」


「………」




 アルスは絶句した。

レイオンはアルスも知っている、指導をしてくれた人でもあった。

そして、父の友人であり友の……レオの父親である。




「その日からレオは変わりました。その戦場で彼はこう呼ばれていました……鬼、と」




 自分の迷いによって、父を亡くしたレオは鬼のように敵を殲滅していった。

鬼気迫る勢いで敵をひたすらに殺し続けるレオは次第に敵からもそして味方からも恐れられていった。

隊のなかでも孤立していくレオ。

近くにいたのはレルムだけだった。

そんなレルムにも毎日当たり続けた。

でも、レルムはそんな彼を見捨てられなかった。



 鬼と化したレオ。

だが、少し前までは敵にすら情けをかけていた少年だった。

戦争が、悲しみが、彼を変えてしまった。



 獣人の首を持ち帰りそれを見て酒を飲む奇人。

死んだ屍すらズタズタに斬り刻む鬼人。



 どんどん目が濁っていく彼を近くで見ていたレルムはそれをとても悲しく思った。

だが、それでも彼は酔うといつも自分の友人達の話をしたという。

鬼が少年に戻る唯一の瞬間だった。



 戦争が終わればまたあいつらと笑い合えると思うか?

レオはいつもレルムにそう問いかけた。



 しかし、それからもさらに長らく続いた戦争によって彼は心を壊した。

戦争が終わっても捕虜を殺し、軍規違反だと言う上官を殴り飛ばし、逃げ惑う敵を無惨に殺して回った。

彼の中で戦争は終わらなかった。



 それでも戦争は終わった。



 レオはそれから剣を握ることも、人と関わることも避け、酒浸りになった。

笑うことも、泣くこともなく、ただ毎日を過ごしている。




「……今、あなたが彼を見捨てたら………もう彼は帰ってこれないかもしれません」


「………」


「お願いします。彼の……レオくんの戦争を終わらせてあげて下さい」




 泣きそうな顔でそう呟くレルム。

少し鈍感なアルスにも彼女のレオに対する気持ちが分かった。




「………あぁーー!!!まったく………あいつは本当に大馬鹿だ……」



 アルスは苛立たしげに立ち上がった。



「あの………」


「それでもあいつは……レオは俺の友達だ。レルムさん……あの馬鹿の事を諦めないでくれてありがとう。友人として感謝します。あとは任せて下さい」



 そう言って酒場に向かうアルスの背中を見て、レルムは久しぶりに涙を流した。















 酒場に戻ったアルスはそのまままだ飲みつづけるレオの元へ向かった。



「帰れって言っ………」


「うるせぇ。表出ろレオ」


「あぁ?」


「いいから出ろよ……どうした?怖いのか?」


「喧嘩売ってんのか?」


「買えなくなったか?腰抜け」


「………もういっぺん言ってみろ」


「口だけはいっちょ前だな腰抜け」


「………出てやるよ。後悔すんなよ?」





 ローナに酒代を出しておいてくれと言って二人で酒場を出る。




 そして、アルスが指を鳴らすと二人は北大陸の何もない広大な草原に立っていた。




「ほら………使えよ」




 アルスがレオに剣を投げる。

レオはそれを受け取って、見つめる。




「どうした?まさか俺に剣無しで勝てるとでも?」


「………てめぇは持たねぇのかよ」


「お前ごときに剣を使ったら笑い者だろ?」


「………言うようになったなアルス」


「………お前もな」




 レオは剣を抜き放ち鞘を放り投げると、そのまま大地を踏みしめて一足飛びに肉薄する。

その横薙ぎの斬撃をアルスは人差し指と親指の二本で軽々と受け止める。

そして、剣はピクリとも動かない。




「化け物かよ………」


「創造神の使徒だよ」


「………規格外だな」




 剣をアルスが離すと、レオは後ろに飛び距離を置く。

そしてすかさず身体強化の魔法を発動する。



 そこから高速で右に左に移動するレオは、その中で自身の動きを洗練させていく。

間違いなく人族の中では上位の動き。

しかし、悲しいかなアルスにはそれがとても遅く感じた。



 レオの渾身の斬撃………それは父であるレイオンの秘技であった。

地面スレスレから放たれる斬り上げ、そしてそこから返す剣での上段からの斬り落とし。



 斬り上げをアルスは軽く後ろに下がって躱し、さらに斬り落としてきた斬撃を今度は人差し指と中指で挟んで止める。




「まじ………かよ」


「使徒なめんなよ……」




 そして、そのままレオの腹に前蹴りを放つ。

ドンッッッと鈍い音が響き渡り吹き飛ぶレオ。

が、レオはすぐに着地点で受け身を取り立ち上がる。

だが視線の先にすでにアルスはいなかった。

慌てて辺りを見るが、その時には途轍もない速さの拳がレオの顔面に直撃する。




 人間から鳴ってはいけない音が響き、さらに吹き飛ぶレオ。

だが、吹き飛んでいる最中にも上からアルスが現れ、腹に蹴りを入れられて今度は地面に叩きつけられる。




 赤子の手をひねるとはこういう状況だな………とズタボロになりながら少しレオが笑った。






 あぁ、そうだ。

アルスはこういうやつだった。

常識が通用しない強さと才能、そしてそれに驕らない優しさ。

こいつならどんなことでも乗り越えるだろうと当然に思えてしまう。

だからこそレオはアルスに憧れた。



 あの時もアルスだったら…と考えた。

父が死ぬこともなかっただろう、と。

迷ったりなんかしなくて、迷ったとしてもなんとか解決してしまっただろう。

なるべく敵も減らさずに、仲間も救いながら、彼なら戦争を終えられただろう、と。



 だからこそ、情けなくて。

アルスにだけは会いたくなかった。

こんな無様な姿を見せたくはなかった。



 それなのにアルスは自分を見つけ出して、放って置けばいいのにこうやって殴り飛ばす。

その拳の鈍い痛みが、アルスの優しさだということも分かる。






 なんで俺はこんなにも情けないのだろうか…













レオとの再開の中間です。

友としての怒り、己への怒り、大切な人への思い、色んな感情がぶつかり合った話です。

ドロドロした言い合いよりも、殴り合い、男の友情ってそんなもんだろ?w



ブックマークと☆の評価、いいね!お願いしますm(_ _)m

ホテルの温泉に朝風呂に行きたいので、帰ってきたら次の話あげます………あ、なめてないです………殴らないで………Σ(゜∀゜ノ)ノキャー

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