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27話 アルスは蛇嫌い(閑話)

そろそろ戦争編動き出します。




「エルーあれは?食えんの?」


「いや、隊長…さすがにあれは…」



 はらぺこの兵士達を抱えている俺は軍用の支給されるレーションだけでは物足りないだろうと、事あるごとに森の中に入り狩りをしていた。

しかしこの世界の動物は正直魔獣と区別がつかず、しかも魔獣の中にも食べられるモノもいる事から俺は最近頻繁に、森の近くの猟師の集落で育ったという魔獣に詳しいエルを連れてきていた。



 そして今目の前にいるのは豚のようなピンク色をした成人男性程のサイズの大蜥蜴である。



「隊長、どう考えてもあれは食べるの無理ですよ。そもそも、あのピンク色に真っ赤な斑点模様があるのを見てよく食料にしよう思いましたね…」

エルは呆れたように苦笑しながら俺をジト目で見てきた。


「いや、本気で食べようとか思ってなかったぞ…ふざけただけだって…おいそんな目で見るなよ…」

俺が必死に弁解していると、


「エル、あれは食えるんだろ?」

と獲物を運ぶ担当のガイゼンが俺達の後ろを指差す。



 指の先を辿り俺らが振り返ると、そこには黄緑色に紫の縞模様がある大木かと見紛う大きさの大蛇がシャーっと俺らを捕食者の目つきで威嚇している姿があった。



「ガイゼンさん…あなたは馬鹿なのですか?」

エルは唖然として言い放ちながら、懐から拳銃サイズの魔銃を取り出す。


「なっ、馬鹿とはなんだ馬鹿とは」

ガイゼンも腹立たしげに言いながら大斧を構える。


「おい、ガイゼン…さすがにあれは俺が見ても絶対ダメなやつだぞ…」

俺も剣を引き抜き大蛇との距離を保つ。


「隊長、ガイゼンさん、気をつけてください。この大蛇はポイズンスネークの亜種です。傷口や口内に体液が入れば即死します。」



 エルの言葉を聞き俺は剣をしまうと、

右手を前に掲げ、念動力で大蛇を鷲掴みにすると遥か頭上まで持ち上げ少し離れた所に逆さにして投げ落とす。



 木々が倒れる音と大地に凄まじい衝撃を感じるが、駄目押しにさらに大蛇の落ちた方向に豪雨雷鳴を発動して大雨と雷を止めどなく落とす。



 とてつもない轟音が森に鳴り響く。



「隊長さすがにありゃー過剰過ぎやしませんか?」

いつもはやりすぎるガイゼンが引き気味に言ってくる。



 が、そもそも俺は蛇がとてつもなく嫌いだ。

それに猛毒があると聞けばここまでやっても仕方がない。



 キモい上にヤバイ。

俺は悪くないぞ。

絶対悪くない。




 その後、隊のメンバーの所に戻った俺らに会いに来た大佐に森で暴れすぎだと怒られたのは言うまでもない。








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