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20話 第一奇襲突撃部隊

サブタイトルってむずい




 タイラーン帝国の辺境の要塞に宣戦布告がなされた頃、時を同じくしてマリアナ公国にも魔国の軍勢が押し寄せていた。





「俺は魔国 第一奇襲突撃部隊 隊長ランデル。

魔王陛下の名の下にここに宣戦を布告する!!

この戦争を止めるためには我が国から持ち出したモノを返却せよと陛下は仰っていた。

まぁーそんな事は俺にはどうでもいいがな!!

じゃー!始めるかー!圧倒的な暴力を」




 マリアナ公国の大きな港街にある水上の要塞…そこに押し寄せる竜騎士と大型の水生モンスターの群れ。




「敵だー!!迎え撃て野郎ども!!!」

元大海賊の首領という珍しい経歴を持つ中将は力自慢の荒くれ者で構成される自軍の兵士達に大声で喝を飛ばしながら、自分も身の丈の倍はある大きな槍を持ちモンスターの群れを撃退していた。



 そこに降りかかる火魔法、雷魔法、の嵐。

次々に兵士達は倒れていく。



「くそー!おい!おめぇら上の飛竜を撃ち落とせー!!!!」

魔法部隊に迎撃を命令する。

が、その魔法攻撃は機動性に優れさらに遠く頭上に隊を置く竜騎士達には届かない。



 こちらからは当たらない、それなのにあちらからは止めどなく降り注ぐ魔法攻撃の連続。



次第に数で有利に立っていたはずの要塞に常駐していた兵士達はその大半が屍へと姿を変えていった。



早馬さえ届けば王都の飛行魔導師部隊がすぐに駆けつけてくる筈だ。

そうすれば空中の有利はなくなる。

まだ勝ち目はある、中将はそう思っていた。

 


 しかし、1人の男が要塞内に飛び降りてきた事でその希望はすぐに絶たれた。



 最初に宣戦を布告した魔国の隊長 ランデルである。

長身に金髪、の優男。

しかし、背中には大きな黒い翼。

明らかに魔族である。



 そのランデルは肩に大きなハルバードを担ぎ要塞内、兵士達のど真ん中に降り立った。



 呆気にとられる兵士達。



ランデルは何やら小さく呟くとすぅーと息を深く吸い…

「はぁーーーーーーーーー!!!!」

と大きく声を張り上げた。



 なんだ?と訝しむ中将。

しかし、すぐに理解した。

闇属性中級、錯乱魔法。

 


 兵士達は目を見開きアワアワと震えだすと奇声をあげながら周りの味方に斬りかかる。



「ぎぃやぁーーー!!!」

「わーー!!いてぇー痛てぇーー」

「てめぇーー!!」

「殺してやるー!!!」



 中将はその光景を見て生唾を飲む。



 この密集した環境ではとてつもなく有効な魔法である。

やりおるな魔国の……な、?やつはどこだ!



 中将が錯乱し斬り合う兵士を見ていた一瞬の間に、ランデルはすでに姿を消していた。




 近くにいた魔法耐性の高い錯乱していない兵士が叫ぶ。



「中将!!!!上です!!!」



 自身が槍を構えるよりも先に凄まじい速度で右肩、左腕、そして太ももに痛みを感じる。



 中将は痛みに、片膝をつく。



「どうせ動けないだろうが、少しの間眠っていろ」

そしてランデルの手刀により意識を奪われる。



 その後はただの蹂躙である。

中将を失った兵士達は簡単に士気を下げモンスターに襲われ、竜騎士の魔法攻撃を喰らい、錯乱した兵士達は互いに斬り合い、中将の側近である引き継いだ指揮官達も次々にランデルによって首を落とされていく。







 そして、中将が目を覚ました頃にはすでに要塞は壊滅していた。



「貴様…、なぜ俺を生かした?」

唇を噛み締め血を滴らせる中将


「10年前の戦争の際、連合と勇者が盗み出した陛下の…………の事を知っているなら今すぐ吐け。でなければお前もここで殺す」


「………だと!?そんなもの…いや、俺が知らない所でそんな事がある訳が…」


「チッ 知らねぇのか。じゃあもういいや」

ランデルは目を見開く中将の首をまるでバターのようにスッと軽い仕草で切り落とす。



 そして屍の山となった要塞の真ん中に部下に指示を出して魔国の大きな旗を立て、宣戦布告の紙をその近くに投げ捨てる。



「よし、お前ら次行くぞ!!」










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