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2話 うさぎの定義がわからん

一挙に二話投稿です。

時間がありそうなら、もう一話いけるかな?

 


最初はとてつもなく不安だったが、

特にあれからモンスターも出てこないし、

孤独とだけ戦った。



 泣きたくなるのは赤ちゃんだからだろうか...

でも、俺は決して泣かなかった。

生えてもないのに歯を食いしばった。

もちろん気持ちの上でだ。



 木々の間から太陽が出てきて、眩しさを感じ、気がつけば夜になって孤独に襲われる日々...

それも唐突に終わりを告げる。



【耐性スキル[孤独耐性]を手に入れました。】



 なんと薄情な響き。


 孤独耐性ってなに?

 

 いやなに?とか言ってるけど言わなくていいよ!

わかるよニュアンスで...




 それから孤独感もなく、よちよちも出来るようになり、気がつけば1年が経った。

まぁ赤ちゃんなりに筋トレとかしてみたし、

魔法使えんのかな?とか色々考えたりしてたけど、

ほぼ寝てたかな...あ、魔法?使い方しらんし無理だろ!



 そしてようやくアルス少年。立ち上がる。



 よーしやっとまともな飯探せそうだ。

きのことかでいいから食べたい。

お腹は減らないけどそーゆー問題ではない。

食に対する欲は無くならない。



 ふらふらてちてちとTHE赤ちゃんという感じで歩いていくと、

木の上の方にリンゴのような赤い果実が実っているのが目に入る。

しかし、絶対手は届かない。

くそー食べたい。

絶対あれはリンゴだ。異世界産のリンゴだ!!

きっとうまいに違いない!



 必死に手を伸ばすが、もちろん取れない。

そもそも赤子だし、あんなん大人でも届かない!

魔法でなんとかならないか...とも考えたが、魔法なんて使えない。

落ちろ...落ちろ...念じてみる。

まぁそんなんで落ちるわけがな...



な...な?落ちた。



[固有魔法[念動力]を手に入れました。]



魔法??魔法ってまじか!?

念動力...つまりあれか触れずにスプーン曲げたり、遠くの物を浮かしたりするあれか。

まじかよ...今の俺にとっちゃクソ便利な力じゃねぇか。ありがてぇ。



落ちたリンゴ?を手に取る。

前世的に知っているリンゴの大きさだが、今の俺にとってはめちゃめちゃでかい果実だ。

匂いは確かにリンゴ...

一口囓る...う...うまっ!!!

おーうまい。美味すぎるぞ

リンゴよりも濃厚だ。

濃縮還元100%リンゴジュースを固めたような味だ。


...これなんていう果実なんだ?

リンゴなのか?


[固有スキル【ステータス閲覧】を使えば、生き物、無機物問わずステータス、又は内容を確認することができます。]


オーーー!そんな便利機能があったのか…


まだ木に実っているリンゴ?を見ながら、心の中で唱える[ステータス閲覧]


――――――――――――――――――――

[リンガ]

神々に愛された果実。

未開発の森林地帯の最奥部などにしか現存しておらず、とても貴重。

一度食べたら忘れられない味。

――――――――――――――――――――


 リンガ...。神々に愛された果実!?想像よりもとても貴重な果物らしい。


 いや、それよりも未開発の森林地帯の最奥部などにしか現存しない...

ということは...ここは...そういう事なのだろう。


 まぁ考えてもキリがない!

とりあえずリンガ...何個か確保しとこう。

念動力を使って、1つずつ落としていく...

そしてもしや、とそれを浮かして近くに持って来るイメージをすると...手元まで飛んで来た。



 念動力めっちゃ便利。




 それからほぼ一か月...ずっとリンガな毎日であった。

そして、もちろん...飽きた。


超貴重だろうが、めっちゃ美味かろうが...毎日毎日食べてたら飽きる。


しかし、辺りを見渡しても他に食べられそうなものはないし...少し歩いても赤ちゃんの行ける距離なんてさほど遠くはないわけで…いつもの木より少しリンガの実りが良い木くらいしか見つからなかった。


 一度食べ物を食べてしまったからか空腹とかではなく、普通に食べ物を欲する気持ちが溢れてきた。






 そしてさらに一年が経つ...アルス2歳。



 で、魔法って結局どうやって使うんだ?



[この世界での魔法取得は主に、自然取得、他者からの伝授、魔法書での取得の3つです。

自然取得は突発的に身体が理解し覚えるというもので、伝授や魔法書では取得できない変わった魔法を覚えられる場合があります。

ちなみにそういった変わった魔法は攻撃魔法、防御魔法には属さず固有魔法と位置づけられます。

他者からの伝授は主に親や師などからの世襲による固有魔法の引き継ぎの事を言います。また種族の中で固有魔法伝授を常としている場合もあり、種族魔法と呼ばれる場合もあります。

魔法書では初級から上級までの魔法を取得できますが、確実ではありません。

魔法適性はもちろん、魔力量つまりMPの上限にもより、さらにはその魔法を完全に理解する...という事が求められ、魔法書から上級魔法を取得できる者は数%に満たないと言われています。]


 ほうほう...3パターンもあるのか。


 ん、そういやたしか念動力は固有魔法だったな…





 それよりそろそろここから大幅に移動を開始して肉を探しにいこうかなー。

うさぎとかがいいなぁー、弱そうだし。


 それから荷物も特にないのでなんとなく方向だけ決めて歩き出す。


 が、一週間歩いても生き物には出会わない。


 もしやこの森生き物住んでない?

いや、待てそんなことあるのか?

現に鳥みたいなのいたじゃん?

めっちゃ燃えてたけど...



 諦めずに歩くことさらに一か月...



 ようやく俺は生き物に出会う。

しかもうさぎである。



 うさぎ?






 待て!これ、うさぎ??



 身の丈1mはあり、眼は紅く染まりギラギラと辺りを見渡している。

牙が顔と同じくらい長く、爪も長い。

そして何より可愛らしいうさ耳の存在を否定するかのように額からツノが生えている。



 こ、こえぇぇぇぇぇぇ!!!!...



と、とりあえずステータスを...


―――――――――――――――――――

[レッドアイバトルラビット]

ランク/C

HP/1,000(1,000)

MP/400(400)

攻撃力/1,200

防御力/800

俊敏/1,000

器用/600


固有魔法/[ブラッドホーン/LV.3][アイアンクロー/LV.3][瞬足/LV.4]

――――――――――――――――――――


 おいおいなんかやべぇぞこいつ

レッドアイバトルラビット??

一応うさぎではあるのか。

攻撃と俊敏特化型かよ...

どうやって倒すんだよ...こっちは念動力しか使えないのに、あっちはモンスターのくせに魔法3つも持ってんぞ。



 コキッ


 一歩後ずさった事で小枝を踏んでしまった...


 うさぎと目が合う...


 やべぇーとりあえず逃げよう。

と、振り返った瞬間後ろにいたはずのうさぎが真横をダダダと通り過ぎ、目の前で停止した。


 はやっ!!!!


 まてよ、どうする?マジでどうする??


 うさぎが突進してくる紅く光るツノ...ブラッドホーン??待て待て、こんなん赤ちゃんである俺が当たったら即死...




 ん?痛くない。それどころかツノちょっと折れたぞ...

あ、俺そういやめっちゃ防御力高いのか!



 はは...ハハハハハ...ハッハッハッハ

攻撃効かないのか...

それなら勝てる...勝てるぞ



 今度はうさぎが少し後ずさる。

絶対的弱者のように見ていた敵が実はめっちゃ強い...という可能性を感じてしまったようだ。



 とりあえず俺は一歩前に出て渾身のパンチを放つ...

「ていっ」



 な、き、効かない。

よろめくどころかうさぎは、は?って顔をしてる。

そうか攻撃力が上がってもそもそも体が赤子なんだ...

筋肉も大してないし、体が間に合ってないのか...

じゃあ攻撃意味ないじゃんっ!!!


 後ずさる俺…

不敵に笑いながら一歩前に出るうさぎ。

くそっまた形勢逆転か!


 うさぎが突進しながら一気に跳躍し腕を振り上げる。

爪が太陽の光でギラリと光る。



アイアンクロー...



 慌てて俺は右手を前に出し念動力で大きな手をイメージし空中のうさぎを捕まえる。

何が起きたのか分からず空中でもがくうさぎ。

俺は全神経を集中させ逃さないように力を入れる。

とりあえずこの後のことは考えてなかったので、掴んだうさぎを思いっきり遠投する感じで投げる。



 木々を倒しぶつかりながら、吹き飛ぶうさぎは遠くの方で大きな岩にぶつかった衝撃で身体をのけ反らせ痙攣していた...



 まだ生きている…

どうする?逃げるか?

いや、あのうさぎは速い…絶対逃げ切れない。


 俺は辺りを見渡しながら頭をフル回転させ、どう切り抜けるかを思案する…


 はっ...これだ...あのうさぎが気絶してる今ならなんとかなるかも...


 俺はうさぎの斜め前にある大きな木に向けて右手を構え...念動力でそれを捉えると思いっきり引っこ抜き全力を振り絞ってうさぎの頭上まで移動させ高度を上げるべく持ち上げる...

そして、一気に力を抜き念動力を解除...




 凄まじい震動が遠くの俺にも伝わるくらいに広がり、木の落ちた辺りから血飛沫があがる。


ピコンッ [レベルが9になりました!]


 な...一体倒しただけでこんなに上がるのか?

レベルが一気に1から9になった。

もしやあのウサギやっぱかなり強いモンスターだったのか?

しかし、それ以上に疲労感が半端じゃない。




 目を覚ますと、辺りはすっかり夜だった。

どうやら俺は気絶していたらしい。

あの時うさぎを倒した瞬間急に体から力が抜けてフッと意識が飛んでいた。

なんでだ??



[魔力が限界値を超えると、脱力感に襲われ身動きが取れなくなったり気絶する場合があります。]



 魔力限界…怖っ

これめちゃめちゃモンスターに囲まれてたりしたら即死だったぞ?

あっぶねーー!!



あ、そういや確かレベルが上がってたな...



ステータス!!


―――――――――――――――――――――

名前/アルス

家名/?

年齢/2

種族/人族

職業/なし

称号/鉄壁


レベル/9

HP/1,800(1,800)

MP/6,000(6,000)

攻撃力/2,400

防御力/53,000

俊敏/100

器用/300

幸運/77

魔法適性/火、水、風、雷、闇、光、無


固有魔法/[念動力/LV.MAX]

攻撃魔法/なし

防御魔法/なし


固有スキル/[覇道/LV.1][鍛錬の道/LV.2][自動回復/LV.1][ステータス閲覧]


耐性スキル/[孤独耐性/LV.3][飢餓耐性/LV.MAX][物理攻撃耐性/LV.MAX][魔法攻撃耐性/LV.MAX]


神聖スキル/[世界神の加護][世界樹の加護]

ーーーーーーーーーー


 おーー!!結構上がってんじゃん!

あの馬鹿やばそうなウサギが攻撃力1200で俺みたいな赤子が2400って異常なんじゃないのか??

まぁもちろんパンチの力じゃなくて念動力込みの魔法攻撃力ではあると思うけど...

それに防御力がまた上がってる...あのウサギでさえ攻撃効かなかったのに...



 ステータスを確認してその日は眠りについた。




2話を読んでいただきありがとうございました!!

感想、評価、ブックマークを頂けたら幸いです。

また、誤字脱字、不適切表現などありましたらご指摘ください。

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