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135話 ポリオってこんな子だったっけ?

...







「よく来た、大魔帝国の皇太子よ」





 案内された鉱国の玉座の間で、俺はドワーフの頂点たるブルーダスト鉱国の王、ゼグマ・ブルーダストと謁見した。

他国の王とはいえ俺が膝をつくことはない。

俺達三人は玉座に座るブルーダスト王と少し距離を開けて向かい合っている。





「急な訪問で申し訳ないです、ブルーダスト王。私がベルゼビュート大魔帝国皇太子、アルス・シルバスタ=ベルゼビュートです」


「ポリオから良き友人だと聞いている」


「はい、ポリオとは親しくしています」


「そうかそうか」





 鎖国的なドワーフの王であり武骨な姿は歴戦の戦士だとすぐにわかる。

そして覗き見たステータスはかなり高い。

とはいえポリオの話を始めてからは温和な父親の顔になっていた。

よく見ればポリオと髪色や瞳の色が同じで面影がある。





「ところでなぜお前がいるんだベルクール」


「そんな言い方すんなよ久しぶりじゃねえか」





 唐突に殺気を放ったブルーダスト王はベルクールを睨みつけていた。

過去にいったい何をしたんだベルクール。





「答えになってない」


「いやな、俺は今殿下に仕えてるんだ」


「なに!?お前が仕官したというのか?冗談だろ?」


「いや、事実だ。なぁ殿下?」


「あー、確かにベルクールは今俺の配下に加わっています」


「散々俺の勧誘を断っておいて、仕官しただと?」


「だれに仕えようと俺の勝手だろう」


「ぐっ...」





話の流れを考えると、どうやらベルクールはブルーダスト王から勧誘されていたようだ。

そして断っていたのか。

ってなんかまずくないかこの流れ?





「決め手はなんだ」


「そりゃあ面白そうだからだ。殿下はいいぞー、全く飽きる気がしない」


「そこまでの男か、皇太子は」


「あぁ、そうだ」




 二人は向かい合って黙った。

謎の沈黙に辺りがピリついている。

が、しばらくしてブルーダスト王は笑い声をあげた。




「よかったなベルクール。心から仕えたいと思う人間を生涯で見つけるのはそう簡単ではない」


「ま、それもまた運命だろ」


「運命...そうか。その気持ちを生涯忘れることなく忠誠を尽くせ」


「言われるまでもねえ」





 それからは打って変わって和やかに謁見は進んだ。

父上からの手紙も渡し、今回の本題である邪神や終末機構についても話をした。






「これは...真の話か?いや、確かにそう考えれば納得できることも多い」


「全て事実です」


「そうか...それが事実ならば我が国も協力せざるを得ないであろうな。過去に類をみない世界規模の厄災になりかねん。して、その場合魔国はどう出る?」


「我々は私の配下である蒼天、並びに国軍を率いて前線を担当します」


「我が国には魔導具と武器や装備を提供してほしい、と?」


「はい」


「いや、それだけでは心もとないだろう。我が国からも兵を出そう。もちろん物資も提供する」


「良いのですか?ブルーダスト鉱国は中立を保つ国であると聞きましたが」


「確かに我が国は無駄な争いは避けてきた。しかし歴史に残るであろうその大戦を、物資だけで我が国は日和見ていたとなれば末代までの恥となろう。同盟の件は受けよう、我が国も総力をあげて共闘する」


「ありがとうございます、ブルーダスト王」






 この場で即決したポリオの父はかなり豪快な人のようだ。

しかし、これは心強い。

想定していた中でも最も良い交渉ができた。





「ポリオが会いたがっていた。顔を出してあげてくれ」





 謁見が終わると王城での滞在許可も下りた為部屋に案内される前に、ブルーダスト王にそう言われた。

もちろんだとも、ポリオ元気にしているかな。


























 先にお部屋に案内してもってからポリオのところに連れ行ってもらった。

ベルクール達は部屋で一旦休むらしい。



 ポリオの自室だという部屋を連れ来てもらった執事の人がノックをするが応答はなかった。

いないのか?と思ったが、執事は「はぁ」と溜息をつきそのまま部屋の扉を開けた。





「勝手に入っていいのか?ポリオは不在でしょ?」


「いや、確実にいます。あの方は実験を始めるといつもこうなので」


「そうなんだ...」





 確かにポリオは集中すると周りが見えなくなる時あるが、城内ではそれが日常のようだ。

執事の人の気苦労が背中から伝わる。




「ポリオ殿下!!大魔帝国のアルス殿下が来られていますよ!!!」




 

 寛げる自室というより工房、工場のような部屋だ。

家具的なものよりも大きな作業台が所狭しと配置されていてその上には謎の液体の瓶や作りかけの魔導具、多数の本や色んな部品などが乱雑に置かれている。

いくらなんでも片づけたほうがよさそうだが、ここがポリオの部屋?なんか印象変わるぞ




 執事の声に反応したのか部屋の奥の方でごそごそと何かが動く気配を感じた。

そこから出てきたのは顔が煤だらけのポリオだった。




「アルスくーん!!久しぶりー!!!」


「ポリオすんごい顔になってるぞ」


「へ?ほんと?」




 ポリオは服でごしごしと顔を拭いた。

奥歯を噛みしめて青筋をたてながら洗濯をするメイドの顔が想像できる。

ポリオってこんなにわんぱくだったっけ?




「にしても学園が襲われたって聞いて驚いたよ!」


「あぁ、その件もあってブルーダスト王と謁見してきた」


「そうなんだ...色々大変そうだね」


「まぁな。でもポリオにも会えたしよかったよ」


「うちにはいつまでいれるの?」


「んー、一応三日の予定だな」


「そっか。じゃあその間に街を案内するよ!うちの国も結構面白いとこあるよ」


「それは楽しみだな」


「明日はどう?」


「いいね、お願いするよ」





 ブルーダスト鉱国は魔道具や武器の宝庫だ。

束の間の休暇だと思って楽しもう。

明日が楽しみだ。
















 




累計アクセス数2025年9月12日現在 9,574,687PV..........いつからこんな凄いことに?

アルスはどう思ってるん?



アルス「え?なんて?」

作者「いや、だからこの作品が950万回以上アクセスされてるんだよ」

アルス「え?なにそれ...怖い」

作者「昔は誰も見てなかったのにね」

アルス「え?待って、てことは俺の恥ずかしいシーンも...」

作者「もちろん見られてるよ」

アルス「.........これがあれなのか。デジタルタトゥーなのか!?」

作者「なんでそんな言葉知ってるのさ」

アルス「なんでだろう...前世の記憶?」







※しれっと封鎖していた感想を再開します。

誹謗中傷はやめてください、泣きます、、

暖かいコメント待ってます(-。-)y-゜゜゜



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