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13話 いつもの奴らと時々ライバル

学園編始まりましたが、

ここまで強っ!という敵は出てきませんでした。しかし徐々に強敵が現れる…らしいよ?

特に学園編が終わった辺りからめっちゃ強い奴…例えば●●とか、●●●とか、色々出てきて…はぁー…言いたい!早く書きたい、でも学園編書くの楽しい!くそー、もうちょい待って!




 入学して数日が経った。



 家庭教師のレベルがおかしかったのか、勉強はさほど難しくない、というよりほぼ復習の様な内容だった。

実践的な戦闘などの授業もまだ行われていないので正直退屈だ。



 特待生はテストさえ、規定以上の点数を取れていれば授業も免除されているのであまりクラスに行く必要もないのだが他に特にやる事も見つかっておらず授業に出たり、庭で寝たり、自室で本を読んだりして生活している。



 そういえば特待生は授業免除だけでなくかなり優遇されている事がわかった。

例えば全寮制なので基本2人〜3人の部屋が割り当てられるが特待生のみ個室でありしかもかなり広めで豪華な部屋である。

ご飯も食堂に行かなくても好きな物を部屋まで届けてもらう事ができる。

これはひとえに研究などをしたり自身のスケジュールで鍛錬や勉強をこなす特待生を補助する為であるらしいが、快適過ぎる。

まるでホテルである。



 とりあえず俺は余った時間を有効に使う為のやる事リストを作る事にしたが、

それも今はさほど進んでいない。



 日課の読書も持ってきた本は殆ど読んでしまったので、屋敷に手紙を送り追加で送ってもらう予定である。



 つまり長々と何が言いたいのかと言えば、

暇だ。とても、暇だ。




 今日もやる事は特にない。

だからこそ俺はいつも通りの時間に部屋を出た。

男子と女子が大して分けられてもない寮は、大きめの屋敷と言っていい。

しかし、何となく左右で男女は分かれており暗黙の中行き来しない様になっていた。

また、その寮は6つあり各学年に分かれている。

が、入学した時の寮が卒業まで使われるので進級しても移動は必要無い。



 寮の外へ出ると、そこに見慣れた女子が待っていた。



「さすがはアルス。いつも通りの時間ね」

入学式の日に決闘を挑まれた一件からなんとなく仲良くなったマリアである。



 そして、もう1人待っていた者がいる。



「アニキーおはようございます!」

緑の長髪を後ろに結んだ目つきの悪い少年…そう、あのトルスである。



 あれからも幾度となく決闘を挑まれ、毎回叩きのめし、いや、途中からイラっとして本当に叩きのめしていたのだが、なぜか彼はそれから俺を尊敬し、もはや崇拝している。

もしや、Mなのではないだろうか?

男のMに好かれるのは気色悪いが、普通に話してみれば意外や意外、悪いやつではない事がわかった。

だからこそ不本意ながら半ばストーカー気味についてくるトルスを受け入れている。



 俺とマリアとトルス。

最近このメンバーで居ることが多い。

正しく言えばもう1人居るのだが、

彼女は大体俺らより少し遅めに起きる。



 ちなみに余談だがトルスの父は、我が父ケイレスの直属の部下である子爵で、後日決闘の話を聞いて激昂しトルスを家に強制召喚して丸一日説教を入れたらしい。

まぁそれが効いたのかは、本人にしか分からない。



「で、アルスやりたいこと見つかったの?」


「んー、今は特に。まぁ強いていうなら上級魔法の取得と戦闘の鍛錬だが、これも早急ではないしなー」


「アニキ、これより強くなってどうする気ですか?もうすでに軍の正隊員を凌駕する実力じゃないですか?魔法だって、規格外でしょ?」


「でもなー、強くなって損はないぞ?命は1つしかないしな」

俺の言葉にほーさすがはアニキ!と頷くトルス。


しかし、マリアは違う。

「確かにそうだけど、トルスの言うことも一理あるわ。あなたは異常よ。この歳で中級魔法を複数扱えるだけでもあり得ないことなのよ?それも剣や体術も抜かりないって変態よ?」


「な、そこまで言うか!?誰が変態だよ」



 そんな言い合いをしていると、そこに赤髪の少女が現れる。



 もう1人のいつものメンバー。

ここ最近なんやかんや文句を言いながらも俺らと行動を共にしているミラである。

ミラは特待生の一人で入学試験では座学を二位で通過している。

しかも、さらに倍率の高い一般からの入学である。

ちなみにミラの父は王都でその名を馳せる大きな商会の会長だ。



「マリアの言う通りね。あなたはすでに同級生達から怖がられてるのよ?剣も殆どの教師より上の実力、体術はさらに強い、魔法だってすでに何年生レベルなのよ!?しかも、頭も良くて博学…もう気持ち悪いわよそこまでいくと!本当に人なの?私だってそこまで才覚に溢れていないというのに…」


「だぁっーーわかったよ!なんかじゃあ健全な青少年らしい趣味でも探すよ」


「まぁそれはそれでアルスっぽくないっていうか…」

「きもいわね」

あーまじでこの二人引っ叩いていいか?




 そんな調子でこめかみに青筋を立てていると、ちょうどクラスに着く。

騒がしい教室の扉をトルスが開け、先に入り、その後にマリア、ミラ、俺と続く。

ミラが入った辺りまでまだある程度騒がしかった教室が、俺の登場と共に静まり返る。



 まぁこれもいつもの光景である。

ミラが言うように確かに怖がられているようだ。



 明るく挨拶とかしてみるか?

いや、なんか逆効果な気がしてならない。



 俺とミラとマリア以外の特待生は殆ど教室には訪れない。

あ、ちなみにマリアも一応特待生である。

つまり俺ら3人はある意味暇人という事だ。



 自室で魔法の研究を進める者、訓練場でひたすらに剣を振り続ける者、皆特待生は何かに打ち込んでいる。



 なんでだ!なんでちゃんとクラスにいる俺らが不健全そうなんだ!俺らはちゃんと授業受けてるぞ!



 なんとなーくわかっている事ばかりの授業が続き、気がつくとお昼になっていた。



 昼食は食堂でとる為マリア達と教室を出ようとすると、教室の入り口から視線を感じた。



「アルス・レイナード!話がある」

金髪を逆立てた荒くれ者、いや山の民っぽい空気を放つ少年が俺を見ている。


 確か…特待生の…

話した事はないな。

というか教室で見たのは今日が初めてだ。



 またなんか厄介ごとか…

もー勘弁してくれ。




「なんだてめぇ、アニキに何の用だ」

トルスが突っかかりに行くが、

「お前には話していない」

と相手にされていない。




 これ以上何か騒ぎになっても面倒なので、俺は山の民…もとい金髪の少年の方に歩みを進める。




「トルスの時は特例よ?許可のない決闘はダメだからね?」

マリアが俺の袖を掴んで注意してくる。


「まぁ一発殴るくらいはセーフじゃない?でもまぁ怪我させんなよ!」

ミラもなにやら注意してくれてるらしい。


「分かってる!それになんか決闘の雰囲気ではないと思う…まぁとりあえず行ってくるわ」



 教室から廊下を通り中庭に出てベンチに腰掛ける。

なんだこのシチュエーションは!

もはや告白じゃねぇか。



「アルス・レイナードずっと話をしたいと思っていた!お前の話はよく聞いていたからな!しかし、鍛錬に没頭して失念していた。挨拶をするのを忘れた事は詫びよう」



 な、ん?誰だこの人…

なんか俺のことを知ってる?

噂を聞いたとかの言い方じゃねぇよな。



「えっと、名前が分からないからなんとも言えないんだけど、どっかで会ったことある?」



 よーく見ればどっかで見た事が無いわけでもない、という半信半疑な思いが頭を過る。



「おっと、そうだな!名乗るのを忘れていた!俺はレオ・トライデン。トライデン辺境伯の長男だ。」



 トライデン辺境伯!?



「え?トライデンさんの息子さん?」


「そうだ!以前父がお世話になった!父からお前の話はよく聞かされた。同い年ですげぇやつがいる!って。だから、待ち望んでたんだぜ?むしろ会った事の無いお前をライバルに鍛錬を重ねてきたと言っても過言ではない」


「な、そうだったのか!それなら俺も良くトライデンさんに話を聞いていたよ!うちの子もかなりやる男だ!あいつなら良い戦友になれると思う!って。ぜひ会いたいと思っていたんだ!」



 俺らはいつの間にか握手を交わしていた。

なんか親戚に会ったような気持ちだ。

そうか!トライデンさんの!



「いや、しかし焦ったぜ。実技試験を見た時は。俺の想像を軽く超えてきやがって!あの戦闘試験の試験官な、あとあと親父に聞いたら元軍人で試験官の中でも1番強いやつだったらしいぞ?それをお前かなり手抜いて倒しただろ?ありゃー俺も見てて一本取られたぜ。相手の懐に入るスピードもさる事ながら、空中で剣をわざと落として急激に軌道を変えるなんて普通の奴には真似できねぇ。あれは俺でも多分受け止められたとしても吹き飛ばされてたな」



 いくら手を抜いてたとしても、あれは確実に当てる為にある程度の速度は維持していた。

それをそこまでちゃんと見ていたか。

確かにこいつはやるやつみたいだな。



「それによぉーその後の魔法試験も見に行った!魔法もあんなに扱えるなんて卑怯じゃねぇか!しかも座学トップ。俺はそれを見て入学式からずっと鍛錬を重ねていた。負けてらんねぇからな!」

なんだか無骨でぶきっちょな性格っぽいが、真っ直ぐで熱い漢らしい。


「まだまだこれからだ、互いに。ここは戦場じゃない…。

俺らの本番はそこからだろ?

せめて今はどれだけ死ぬ確率を減らせるかの為に鍛錬を出来るかだ」


「本番じゃねぇ、か。確かにそうだな。

お前もなかなか熱い奴だな!!

よーし、んじゃたまには俺に付き合え!

鍛錬も一人でやるだけじゃ底が知れてるからな」


「あぁ!いいぜ!俺も一人での修行なんてたかが知れてると思ってた所だし」


「でもよかったぜ!ライバルが気が合いそうな奴で!!さすが親父の親友の息子。これから楽しくなりそうだ!」



 それにしてもあまり性格は似てないんじゃないか?

トライデンさんと。

剣を交えている時は確かにトライデンさんもこんな感じの熱血漢だが、普段は違う。

そういう所が特に似たと言えばそれまでだが。



 話を終え、どうせなら一緒に飯食うか?と誘うと、そうだな!腹減った、と言ってレオもついてきた。



 全学年が一気に食事が出来る広大な食堂に行くと、いつもの席にマリア達が座っていた。

それを尻目にバイキング形式である食事を取りに行き、席に向かう。



「えっと、仲直りしたの?」

マリアが俺とレオを見てすぐに声をかける。


「そもそも喧嘩してねぇよ!実は知り合いだったんだ!と言っても会ったのは初めてだったけどな!こいつはレオ、俺の父の親友である国軍の中将、トライデン辺境伯の長男だ」


「レオ・トライデンだ!よろしく頼む」


「そ、そうでしたか、アニキの父上様の親友の子息…。それは無下には扱えませんな。俺はトルス・ロングダード。ロングダード子爵家の長男です。以後お見知り置きを」


「そうなんだ!物騒な話じゃないのならよかったわ…。あ、私はマリア・レイストフ。レイストフ伯爵の娘よ!」


「いかにも喧嘩っぱやそうな見た目の割に、意外と普通だったのね!私はミラ。宜しくね」



 この学校は規則で家柄での差別を無くすため目上の貴族だろうが、平民だろうが、同じ学び舎の仲間である。という認識を確固としている。


 その為家柄が上でも気さくに話せる。

しかし辺境伯家、伯爵家、子爵家など名乗るのは貴族としての礼節であり、それ自体は認められている。


 通常辺境伯の子息と、伯爵家の子息子女、子爵家の子息、商人の娘が同じ席で食事をとることはないが、そこは規則と、まだ子供であるという柔軟な価値観もあり、そんな状況に誰も違和感はなかった。



「このオムレツうまっ」


「もーアルス口についてる」

口を布巾で拭ってくるマリア…最初は恥ずかしかったが、今や恒例だ。


「アルス、オムレツあげる」

俺の好きなものをいつもくれるミラ、いつもは皮肉しか言わないが、こういう所は優しい。


「アニキ!俺のオムレツもあげるっす」


「トルス、そんなに食えないよ」


「にしてもたまにはこうやって皆で飯を食うのもいいな!やはりご飯は楽しく食べるものなのだな」

確かにずっと一人で鍛錬をしていたなら一人自室で食事をとっていたのだろう。

レオは見た目に似合わず意外と寂しがり屋なのかも知れない。








黒髪ロングの冷静お姉さんヒロインと、

赤髪で口の悪いツンデレヒロイン…

あぁーどっちもええわぁー


ハーレム系にはしたくないけど、

これからもどんどん出てくるかも??


あ、妹待ち??ちょいまちー

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