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121話 新たな仲間







「結論から言えば天人族を歴史から抹消することは可能……だと思う」


「やはり、できるのか」





 天人族達を集めてアルスがそう口にすると皆が驚いた顔で目を見開いた。




「だが、それはしない」


「………なんだと?」




 エリはアルスに怪訝な視線を送った。

アルスと戦っていた隊長のフォルオムも眉間にシワを寄せている。

そもそもフォルオムはアルスができるといったその壮大な魔法が本当に実現可能なのかと訝しんでいる。

確かに実際に戦って明らかに自分よりも強いのは分かる。

元天使を圧倒できるということは神の領域にいる可能性すらある。

だが、それでも神にも干渉しうる現象を破るのは困難だと思っていた。




 堕天してから世界から忘れ去られ、しかし自分達だけが皆が忘れる大戦の記憶を残し続けた。

それを見続けたフォルオム達はすでに世界に残りたいと思う気持ちも薄れている。




「エリ………いや、天人族達。このままでいいのか?」


「このまま、とは?」


「戦いの中で辛い経験をして、天使から堕天し天人族となることで戦いからは身を引いたがそのせいで本来なら消えるはずの大戦の記憶を残し、そして世界から忘れ去られながらも世界が忘れた記憶を唯一保持する稀有な存在として生き残った。意図せず最も長命な種族となり、多くの知識を蓄えてきた者らがこのまま歴史から抹消される未来でいいのか、と聞いているんだ」




 天人族達はアルスの言葉を聞いて複雑そうに俯いた。

族長であるエリフレイナや隊長フォルオムなどの古参の天人族達の悲願は確かに世界からの抹消である。

だが、古参の者らが天人族となってから新たに生を受け産まれた者らはそれに付き合わされているだけなのではないか、それは古参の者らなら一度は思ったことがある。

それを踏まえれば天人族を歴史から抹消するというのはその者らの未来も奪うことになる。




 だが、それでも……




「我々にどうしろと言うんだ!!我々はこの世界に生きる全ての者らからも、神からも、忘れられたんだ!!これ以上……どうしろと……」




 立ち上がったフォルオムがアルスに向かって怒鳴った。

だが、最後にはか細い声に変わっていた。




 アルスはそんなフォルオムを見つめながら、その目の前へと歩みを進めた。




「俺の目標は邪神を倒すことだった」


「邪神……を」


「だが、それでは何も変わらないのだろ?大戦は繰り返される……」


「そうだ」


「だったらその世界の理を壊す」


「なに!?」




 フォルオムだけでなく他の天人族達も驚いている。




「どういうことだ………一体何をしようとしているんだ」


「邪神を滅ぼし、そして世界がまたこのような状況にならないように俺が世界の理を改変する」




 唖然とするエリフレイナにアルスは強い視線で意思表示する。




「そんなこと、可能なのか?」


「今はまだできない。だが、ゆくゆくは可能だ。間違いない」


「本当……なのか」


「くだらない嘘はつかない」


「少し……話し合わせてくれ」




 エリフレイナはそうアルスに言うと、他の天人族達を連れて離れていった。

そこに一連の流れを見守っていたベルクールが近付く。




「………壮大な話だな」


「俺からしたら日常だがな」


「ガッハッハ おもしれぇなー、やっぱり」


「ベルクールも冒険者なんかやめて、一緒にそんな壮大な日常を送ってみるか?」




 アルスが冗談半分にそう言うと、ベルクールはニヤリと笑った。




「いーねぇ………そうしよう」


「はい?」


「だから、冒険者やめるんだよ」


「なんで?」


「なんでって殿下が言ったんだろうが。冒険者なんかより面白いことがありそうだ」




 ベルクールの笑った顔に陽射しがかかる。

アルスは新たな仲間が加わったことで、同じように笑った。


















本職のお仕事が大変忙しく更新がかなり遅れていました。

本当に申し訳ないです(TдT)

10月辺りから本格的に次章を定期的に上げていく予定です

今後ともよろしくお願いします




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