10話 メイド長の日記(閑話)
閑話で申し訳ない…
そろそろ学園編かなー。
早く学園もの書きたいなー!
あ、そのあとは多分軍事ものになるかなー。
こっからが本編???
それから数ヶ月が経ち、トライデンさんが家を出て行く事になった。
詳しい話は分からないが、どうやらトライデンさんの家に賊が入った事件の黒幕として、タブロフ・ヴァイロンという子爵が捕縛され裁判が行われるという事らしい。
この件に関しては父も相当に怒っていたので、大将としても、伯爵としても、最大限の発言権を使い絶対に斬首に持っていってやると家を出る前にトライデンさんに力強く言うとその肩を抱いた。
トライデンさんはとても良い人だ。
剣の稽古に付き合ってくれたり、
時に行き詰まれば相談に乗ってくれた。
優しくにこやかであり、
しかも剣を交えて分かったがとても強い。
そんなトライデンさんの家に入り、最愛の奥さんを殺害した…というのは確かに胸糞悪い話である。
俺にはまだこの国の裏側は分からない。
それどころか表だってまだまだ知らない事ばかりだ。
しかし、いつか機会があるならば俺もトライデンさんを助けたい!と心に誓った。
それに、よく話を聞かされた同い年の息子にも会ってみたい。
どうやらなかなか有望な少年らしい。
いつか剣を交えてみたいものだ。
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レイナード伯爵家 メイド長 サラ
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私はこの家に幼い時から奉公している。
伯爵家に仕えられるなんて、とても光栄な事だ。
それに15人いるメイド達の中で23歳にしてメイド長を任されている。
これは、故郷の家族にも鼻が高い。
そもそも伯爵家に仕えられると決まった時ですら母や父は喜んで町の人々に語っていた程だ。
それに、噂に聞く貴族様の中には陰険で性格の悪い人も少なくないという。
でも、この屋敷の人達はとても気さくで優しい。
現ローゼン王国 王国軍 大将であり伯爵家当主であるケイレス様、元筆頭宮廷魔導師であり平民から成り上がった女性としてカリスマ的人気のあるマリー様…とても私が仕えるにはもったいない程素晴らしい方々だ。
そんな素晴らしい家庭に、病気で別宅に療養していたらしい長男のアルス様が帰ってこられた。
(ケイレスはマリー以外にはそう伝えている)
そもそも息子などいたのか!と驚いたが、そのスペックの高さを見れば確かにこの方はケイレス様とマリー様の息子であられるとすぐに理解した。
格闘術を学べばすぐにそれを理解し、
剣術を学べば素人目に見ればケイレス様とも対等に打ち合える、
さらには語学や諸々の家庭教師をつければ師が驚く程柔軟に、かつ深く理解した。
そして、最近魔法の才覚も発覚する。
お伽話でしか聞いたことの無い7系統の魔法適性。
さらには、すぐに中級魔法を独学で覚え庭の大木を粉砕。
嘘みたいな方である。
王族の方々でもこんなに才覚に溢れる人はいないだろう。
それになによりアルス様はとても聡い。
たまに子供っぽい所もあるが、それが意外に思える程に常に何でも出来る方である。
喋りも大人顔負けで、気遣いもでき、周りをいつも見ている。
メイドや執事だけでなく妹にも優しく、伯爵家の次期当主であるにもかかわらず貴族然とした態度は一切とらない。
なんて良い子なのだろうか。
そんななんでも出来るアルス様であるから、歳の近いメイド達からの甘酸っぱい感情もひしひしと感じる。
私も歳が近ければ、恋をしていたかもしれない。
文武両道で魔法にも優れ、伯爵家の次期当主で、優しく聡い。
こんなに出来る男はそういない。
いずれアルス様が結婚する際、どんな素晴らしい女性を連れてくるのか、とても楽しみだ。
それにメイド達からだけでなく執事達からも尊敬の念をすでに持たれている。
たったの7歳の子供がである。
それ程までにアルス様は魅力的な方である。
その成長を間近で見られる私達は幸運なのではないだろうか。
だってアルス様なら、とても凄い偉業を成して、英雄と呼ばれる程の男になる、そういう確信がある。
そんな人の幼少期をみられるのはとても良い経験だ。
今日もアルス様は、剣の修行と魔法の修行の合間に庭で本を読んでいる。
隣には妹のメル様。
あ、そうだ!今日は美味しい茶菓子がある紅茶でも淹れて持っていって差し上げよう!!
そうと決まれば日記は終わり!!
よーしまたがんばろー
10話を読んでいただきありがとうございました!!
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メイド長はちなみにめっちゃ美形です。
あ、彼氏はいないらしいです!