7.西のダンジョンボス
初の自作小説です。構想とかは結構考えましたがガバ文章だお思うのでこここうしたほうがいいんじゃないとかあれば教えてもらえると嬉しいです。
「僕たちはどうします?もう少しできますが、解散しますか?」
「うーん、リアルは20時か。ユウキはどうする、まだやるか?」
正直自分でもびっくりするほどにハマっている。だからユウキがやると言えば、まだまだやろうと思っていたら、それを感じ取ったのか、
「俺はやるぜ。と言っても、あとリアルで2時間はできないくらいだな」
「12時間なら結構時間ありますし、ボス周回いっちゃいますか。僕たちのレベルなら、最初のダンジョンボスくらいなら、行けると思うので」
「おぉ、いいね。ボス行ってみたいわ」
ボスめっちゃ行ってみたい、やはりMMOはダンジョンとボスの攻略が1番楽しいと思うし。
「どのボスにする?やっぱ不人気のボスのドロップ品は出回らないから高価だが」
「カニに引き続き西のボスにします?」
「西のボスっていうとダークスコーピオンか?行ってもいいが、なら解毒剤がいるな。お金も入ったし、NPC露店で消耗品買うか」
「サソリだから毒ね、俺もMP回復剤ほぼないし、買い込んでおくか」
長時間のカニ狩りでMPポットがすっからかんになっていたが、先ほどの取引とモンスタードロップのブロンズで結構な額溜まっていた。
「私も念のため買っておきます」
俺を含め、全員が回復剤とMP回復剤を、前衛のユウキは解毒剤もNPC雑貨屋で買った。
ホーリーアイテム:回復剤20,MP回復剤100
残り:15.2シルバー
[※アイテム所持数の上限はありませんが、100個で1スタックになります。
一度に購入できるのは、1スタックまでです。2スタック欲しければ、2回話しかける必要があります。プレイヤー同士の取引には、この制約はありません]
あと、ロウセンさんが先ほど貰ったアイアンスタッフに装備を変更した。どうやらこのアイアンスタッフ、最初の街のアイテムで作れる中だと1番強い杖みたいで、ベータの時はテストが終わるまで使ったみたいだ。
「よし、じゃあ行くか。道中の敵はタゲ向かない限り無視するぞ」
「そういえばカニ以外ってなにがいるの?ずっとカニ狩ってたから知らんけど」
「カニよりも奥に行くと、初めにサンドスネーク、そしてサンドスコーピオンがいます」
「あぁ、よくあるボスの雑魚版ね」
「そんな感じです」
「ダンジョンに入るとスパークスパイダーが多い。雷の牙を持っていて、攻撃力が高いから気を付けてくれ」
「ブロンズプレートは雷耐性低いので、ユウキさんでも余り攻撃を受けれないので、見つけたら倒すくらいの勢いでいいかと」
「おっけー、他には?」
「あとは、ボス手前のエリアに、なんとかゴーレムがいる。なんだっけ名前出てこないわ」
「レッサーゴーレムですね。ゴーレムなので耐久は高いです。攻撃力は特別高いわけではないので、ユウキさんがタゲとってる間に倒せるかと」
「純火力といったけど、この中だと1番体力あるし、防御力もあるからな。薄っぺらい壁だが任せてくれ」
「あぁ、頼りにしてる」
「マジックシールドもかけるので安心してください!」
「とりあえず、残りは進みながら説明しよう」
二人の話を聞いていると、どうやら砂漠エリアは全体的に不人気みたいだ。
サンドスネークはレザー装備の素材を落とすが、毒耐性が飛び抜けて高いだけで、あまり強くないらしく、
サンドスコーピオンに至っては、カニ同様硬い上に毒を使ってくるため、狩りにくいらしい。
ダンジョンのスパークスパイダーは、雷の魔石を落とす為少し狩られていたが、別のところで雷の魔石を落とすMobが見つかって以降は、ほぼ狩られないと言う。
レッサーゴーレムは、無属性の魔石を落とすのだが、こちらもスパークスパイダーとほぼ同じ理由で、狩られてないみたいだ。
どうやら砂漠エリアの敵は物理が効きにくい敵が多いらしい。
こうして砂漠エリアを歩き終わり、ダンジョンの前に着いた。
「よし、着いたな。事前に話したと思うが、スパークスパイダーは攻撃される前に攻撃してしまって構わない」
「と言いますか、雷の魔石は欲しいので、少し狩ってもいいですね」
「なるほど、遠距離は任せてくれ」
「ホーリーさんの遠距離は、mmoの概念だとおかしいのですが……」
「まぁ、そうだな。とりあえず雷の魔石は少し掘ってもいいかもしれない。ゴーレムはタゲが向いたら狩るくらいで行こう」
「了解だ」「了解しました」
ダンジョン1F
入ってみると先ほどまでの乾いた荒野とは一転、青く光り、足元はぬかるんだ洞窟になっていた。
「うわ、あれがスパークスパイダーだ。誰も来てないからか、ポップ上限湧いてるな」
スパークスパイダー Lv13 状態:通常
41/41
「よし、近くのやつから殲滅していく。ロウセンさん、バックアップ頼んだ」
薄暗いが、この程度なら余裕で当てられるな。
「支援任せてください」
「マジックシールド、エンチャントウェポン」
「サンキュー、エンチャントバレット」
俺の放った銃弾は全てスパークスパイダーにヒット、事前に聞いた通り耐久は低いらしく、エンチャントのおかげもあり、各3発で倒せる。
「よし、入口のは殲滅したな。実はモンスターの情報は知ってるのだが、ダンジョンの構造は知らなくてな」
「2日に一度ダンジョンの構造がかわるので、wikiにも載らないんですよ。」
「運営よくやるな、自動生成とかか?」
「まぁ、そこら辺はわからんが、とりあえず壁に沿って進む。ボス倒したらダンジョンの外に出てしまうから、周回するなら、2日で消えるにしてもマッピングは大切だぜ」
「そうですね、時間は結構あるのでガッツリ周回したいですし」
「しかし、眠いし暗いから当てづらいな」
「その距離の敵を当て続けて言える言葉じゃないぞ」
「そういえばさっきも軽く聞きましたが、ホーリーさんって、なんでアシストなしで攻撃当てれてるんです?もしかしてリアル兵士だったりします?」
「んなわけ、別ゲーだよ、別ゲー。そこで銃の練習してたら、いつの間にかだな」
まぁ、いっときは1日16時間くらい銃撃ってたが
「いや、こいつは最初からセンスが凄まじかった。俺も同じゲームをやってるが、銃のAIMだけで言うなら100戦やっても勝てないだろう。て言うか、勝てなかったな」
「お前が勝てるまでやるっていった時はビビったよ、変に手抜くのも絶対バレるから出来ないし」
懐かしい話だ。
「そりゃぁ悪かったって」
「二人とも仲良いんですね。羨ましいです。そう言うの」
「固いなぁ。ロウセンさんはもうとっくに仲間なんだから、もっと気軽に接してくれよな」
これは本音だ。ゲームが仕事になってからは、新しい友人があまりできなくなった」
「たまにはホーリーもいいこと言うじゃねぇか、そうよ一度狩りを一緒にしたらもう仲間だぜ」
「二人とも……嬉しいです。ずっとソロでゲームしてきたので、こう言うの初めてで」
「ロウセンさんみたいないい人、そういないぜ。露店教えてもらった時も助かったしな」
俺がそう声をかけると、気のせいかロウセンさんは少し目が潤んでいた。
そんな話をしているとどうやら階段の前に着いた。
「おっと、これは2Fへの階段だな。wikiの情報だと次からゴーレムも出てくるらしい。スパークスパイダーを狩るなら、もう少しこの階にいるか?」
「いえ、とりあえずボス倒しましょう。何週かする間に雑魚はまだ倒しますし。魔石でなければその時に掘ればいいので」
「おっけー、後どうやらこのダンジョンは3F構成で、3Fはボスみたいだな」
「案外すぐだな」
もっと深いものだと思っていたら、3階層と結構短い。
「ここは敵が強いのでフロア数が少ないのかもしれないですね。人気の南のダンジョンは5Fありますし」
「なるほど」
「よし、じゃあ降りるぞ」
2F
降りると1Fよりも暗く青く光っており、かなり綺麗な光景だった。
「うおぉ、これは綺麗だ。MMOの醍醐味だな」
「そうですね、ベータの時、スクリーンショットでここの画像が貼られた時は、どこだどこだって大盛り上がりしました。西のダンジョンと分かった途端、静まり返りましたが」
「そんなに難易度高く感じないけどな」
「ホーリーさんの火力というか、AIMがすごいからですよ。本来なら、壁の人が食い止めながら倒すのが普通なんですけど。火力の高いスパークスパイダー、逆に耐久がべらぼうに高いゴーレムとPTも組みにくくなってるのです」
「あと、あれだけの遠距離で攻撃できるからな、こっちは」
「普通なら壁がタゲ取らないと攻撃できない。そこら辺はロウセンさんが俺に攻撃しようとする敵を直前で倒してくれるから、ロウセンさんもなかなか凄いとは思うぜ」
「そんな、照れるじゃないですか」
「で、ゴーレムの耐久が高いと言ってたが、どれほどなのか」
ゴーレムと言ったらRPGの中では鉄板だし強い。レッサーと言っても、ある程度強いだろうと予想していた。
「とりあえず一体倒してみるか?」
「そうしよう」
と言って1番近くのゴーレムに、サンドクラブを倒せる7発しっかり打ち込んだのだが、
「おいおい、耐久やばいな」
減ってたのは3割弱だった。
ゴーレム Lv15 状態:敵対
130/202
仕方ないと残り13発を打ち切ると、オーバーシューティングも発動した為か、ゴーレムを倒すことができた。
「20発打ち切らないと倒せないのか」
「逆に20発打ち切ると倒せるんですね」
「まぁ普通全部当てれるやつはいないからな」
「魔石とかいうアイテムが出るとはいえ、戦いたくはないな。MP回復剤を結構使う」
「うーん、魔石自体は高く売れるんですけどね。まぁMP効率が他の敵に比べるとよくないので、ボス部屋に向かいながら、タゲが向いたやつだけ狩りますか」
「そうだな、それで行こう」
「オッケー」
そうして迷宮を歩くこと7分。なんだかんだでボス前にたどり着いた。道中のゴーレムは9体倒し、うち一体は魔石を落とした。
「軽くアイテム見てみるか」
「俺は集中してたからドロップ見てないし、なんか出てるかもな」
スパークスパイダーの羽×32 ☆2
スパークスパイダーの長耳×9 ☆3
雷の魔石×1 ☆4
雷を帯びた羽×1 ☆5
粗悪なゴーレムの核×13 ☆2
石材×12 ☆2
魔石×1 ☆4
「結構レアアイテム出てるな。雷を帯びた羽は、鍛冶屋でスロットに付与できるアイテムだから、売っても高いし、自分たちで使ってもいいかもな」
「おぉ、そんないいアイテムなのか。それはラッキーだな」
「割と運がいいですね。スロット付与アイテムはそれだけのために1000体以上狩る人も、ベータではいました」
「俺も知ってるぜ、ベータでできる1番奥のトレントから出る上質なトレントの枝を探し続けた奴」
「ふーん」
「まぁ、ボス1回目行ってみましょう」
こうして、初めてのボス戦を始めた。
「うわぁ、砂漠のサソリよりも随分でかいな」
砂漠のサソリが赤ん坊に見えるほどでかいサソリは、俺たちよりも2回りぐらい大きかった。
ダークスコーピオン Lv20 状態:敵対
4420/4420
「油断しないでください。大きいですが、動きは素早いですよ」
「基本的な攻撃は受けるが、尻尾の攻撃は毒攻撃だから極力避ける。あまり近づくなよ!」
「オッケー、じゃあ攻撃するぜ」
と言って俺は最初からオーバーシューティングで攻撃した。
「流石にボスってだけあって、ほとんど減らないか」
0.5割と言ったところか。
「いや、十分な火力です。僕も支援魔法かけたら攻撃魔法使います!」
「俺の攻撃も物理だからほぼ入らないが、土の追加ダメージは入ってる。案外簡単に倒せるかもな!」
「油断はよくないですよ、ほら尻尾攻撃きます」
「どんどん攻撃するぜ」
ユウキがタゲを引っ張ってくれていたこともあり、3割切るまでは順調だった。
「もう一息です」
「リロード中だ、ユウキ頑張ってくれよ」
「おい、なんか新しい行動パターンくるぞ」
「事前情報だとそんなのなかったのですが」
と、サソリは口から毒のブレスを吐いてきた。幸い俺には当たらなかったのだが、
「まじかよ、これただの毒じゃない麻痺毒だ」
「私も当たってしまいました。かすった程度なのでもうすぐ動けますが、ユウキさんは?」
「もろにくらった、もう30秒は動けん」
「タゲはどうやったら取れる?」
今ユウキが死んだら間違いなく全滅する。そう思った。
「近距離でダメージを出せば取れる。ホーリーはダメージは出せるから、寄ればタゲは取れるが」
「任せてくれ」
といって俺はダークスコーピオンのふところに飛び込みながら銃を撃った。
グォォォオオオ
と言う声にもならない音で鳴き
ユウキの言った通りこちらに尻尾で攻撃してきた。
思った通りだ、先ほどからユウキとの攻防を見ていると、背後に回り込むと尻尾の攻撃を頻繁にしていた。
それを、予測していた俺はそのまま回避した。
「攻撃パターン、気付いていたんですね」
「あぁ、しかしDexに振ってなくても回避できるんだな」
「このゲームは割とプレイヤースキルが大事ですから。ステータスはプレイヤースキルがない人の為のアシストだと、僕は思ってます」
「いてて、麻痺解けたぞ。回復入れてすぐにタゲかわるぜ」
そこからはすぐに終わった。
「ふぅ、なんとかなったな。ブレスは事前に情報がなかったのか?」
あれがなければ余裕だった為に気になった。
「なかったと言うか、どうやら他のボスも正式サービス開始以降、攻撃パターンが増えてるみたいです」
「へぇ、まだまともに情報見てなかったからそれは知らなかったぜ。ブレスはあれは完全に初見殺しだな。保険で麻痺ワクチンが欲しくなるぜ」
「麻痺ワクチンはこの先の街に行けばあると思いますよ」
「いや、問題ない。事前動作があるから避けることはできるだろう」
称号取得
ホーリー
西の先駆者
条件:ダークスコーピオンをレムラシアで初めて討伐する。LA者限定
スキル取得
先駆者 lv1
効果:熟練度が少し上がりやすくなる。このスキルの熟練度はBoss討伐でしか上がらない。
ユウキ・rousen
西の討伐者
条件:ダークスコーピオンをレムラシアで初めて討伐する。
スキル取得
討伐者 lv1
効果:Bossモンスターに与えるダメージがLv%上昇する。このスキルの熟練度はBoss討伐でしか上がらない。
「おぉ、みんな称号取得してるな。ホーリーだけなんか違うが」
「ラストアタックしたからみたいだ、なんかすまん」
「大丈夫ですよ、一番火力出してたのはホーリーさんですし。麻痺攻撃も、ホーリーさんがとっさの判断でタゲ引いてくれたので、何とかなったんですから」
「そうだ、お前は胸を張っていいぞ」
「そうかな、俺からしたら二人がいなかったら勝てなかったと思うけど、ありがとう」
「でも、ここのボス正式サービス後だれもクリアしてなかったんですね」
「そうだな、やはり狩りにくいの一言に尽きると思う」
「なるほど」
「それはそうと、周回しましょう!」