1.プロローグ
初の自作小説です。構想とかは結構考えましたがガバ文章だお思うのでこここうしたほうがいいんじゃないとかあれば教えてもらえると嬉しいです。
「FPSゲームも疲れてきたな」
と、ぼやくのは26歳、職業:プロゲーマー兼ストリーマーの柊一心、
俺だった。
「お、珍しいなホーリー(H011y)が練習中にそういうこと言うのは」
と横から聞こえたのは、リア友でもあり、ゲームでもずっと俺を支えてくれている友人のユウキ(1KuY)の声。
「そりゃあな、このゲーム始めて10年ずっと、毎日1時間の銃のAIM調整から入るんだ。
疲れないほうが珍しいし、よくここまで何も言わずにやってきたよ」
「まぁ2年目には仕事になっちまったしな、俺も仕事じゃなきゃ、正直やってられないわ」
今はリアルバトルガンオンライン、通称RBGOというゲームをやっている。
フルダイブ型のVRゲーム全体でも昔からサービスが続いているFPSゲームだ。
「大会でりゃ、賞金もあるし、何よりフィールドで得たアイテムを電子マネーにできるからな。
このゲームのサービスが続く限り、正直生活には困らないよな」
俺もユウキもRBGOの頂点にいるプレイヤーで、
プレイしながらやる配信も8割RBGO。
二人とも有名プレイヤーなので、視聴している人も多い。
「そういやぁ、今度の大会、1年ぶりにラウンドマッチ・爆破の大会だってな。
最近ずっとフィールドで腕なまってないか?」
と、心配げな声で話しかけてくるユウキに対して
「冗談だろ?フィールドでも死んだらロストやし。爆破と状況はそんなに変わらない。それに最低でも週1で爆破の練習試合を、なんで組んでもらってるんだって話よ」
「それもそうだな」
「て言うか、ムーンランプに新メンバーが一人来るんだろ?そっちのほうが心配だな、お前はもう顔合わせたか?」
ムーンランプは4年目に声を掛けられて入ったプロゲーミングチームだ。
入った当時RBGOのメンバーは17人。
今は約半数の9人しか残っていないが、メンバー同士仲はいい。
ちなみにムーンランプは、誘われた当時ユウキを入れる予定はなかった。
俺がどうしてもとお願いし、しぶしぶ入れてもらった。
しかしゲームにおける戦略や勘、相手の行動を読み取る技術がずば抜けていたため、
思わぬ副産物を得たと、1回目のオフ会の時に言われた。
「あぁ、珍しいが女性プレイヤーだったな、俺は指揮官的な立場だからな。早めに会わせてくれたんだろう。タイマンもしたが、当たり前のように負けたよ」
「ハハッ、まぁだろうね。うちに入れるようなプレイヤーで、お前にタイマンで負けるやつはいないだろ」
「悲しいこというなよ……それはそうと、なに話してたんだっけか」
「いや、このゲーム飽きたって話だろ」
「それなら」待ってましたとばかりにユウキは言った。
「新しいゲームの話あるぜ、と言ってもお前がFPS以外やるかどうか、あんまり知らないけどな」
「へぇ、FPS以外は配信以外ではやってないが、興味はあるぞ」
「Savior of storia(セイバー オブ ストリア)っていうVRMMO知ってるか?俺はベータテストに参加したんだが、面白かったぞ。昔のように二人でやるか?」
と、ニッっと笑うユウキの笑顔に昔のことを思い出し、
「その笑顔はずるいわ、よしやろう」
サービス開始は八日後。俺も昔のようにわくわくしながら、その日を待った。
サービス開始まで、俺は暇なときはベータ時の情報を見ていた。
どうやら最近のMMOの傾向は、多彩な職業・クラスやスキル、豊富なアイテムや装備とモンスターを売りにしているみたいだ。
もちろん、SoS(Savior of storia)でもその傾向はあり、
ベータテストだけでも多くの職業・クラスやスキルがあった。
中でも最初に取るクラスはしっかりと決める必要があるらしい。
また、RBGOでは実装されなかった時間加速機能もあり、ゲーム内の時間は現実の時間の6倍で進んでいると、開発は言っていた。
ベータテストなどの情報を見ていると、疲れたと言っていたのにもかかわらず、銃のクラスが気になってしまった。
シューター
ガンナー
この2つの区分に銃のクラスは分かれているらしい。
この区分の中にさらに初期選択クラスがあるわけだ。
RBGOのAIM調整中
「そうだユウキ、サービス開始明日だけど、やりたい職業・クラスとかって決まってるの?」
「そうそう、俺もそれ聞こうと思ってたんだわ。
一応ベータテストのときは戦士クラスのウォーリアーで始めたんだ。だが必然的にソロ攻略になってな。2次クラスまで行ったが、パラディンになったんだ」
「へぇ、それでなんで転職で防御寄りだと思われるパラディンにしたんだ?」
火力職をやりたかったと思われる口ぶりだったので聞いてみた。
「あぁ、情報ちゃんと見てなかったのか?SoSのモンスター、序盤だけかは知らんが、攻撃力高くて耐久が低いんだ。
それにパラディンには、クイックヒールって言って、HP回復するクラススキルがあるってことは知ってたからな。
ベータテストをやり始めるのが遅かったからか、PTを組めなかったんだ。だから何でもできるパラディンにしたわけさ」
「なるほどね。ちなみに転職時、いくつか選択肢出るって聞いたけど、ウォーリアーはどうだったの?」
「ウォーリアーはパラディンとハイウォーリアーだな」
「ふーん、そういう感じなのか。で、どうするの?またウォーリアーするの?」
「いや、俺はお前に合わせようと思ってる。正直なにやっても楽しいと思ってるからな。
お前こそ何やりたいんだ?」
「笑うなよ」
「あぁ、なんとなく察したわ」
「俺といえば銃クラスだろ」
「まぁ、なんとなくわかってたわ。具体的にはなににしたいんだ?情報見る感じツインガンナーがかなり強いみたいだが」
「それは俺も見たが、MMOをやるなら、せっかくだから魔法も使いたい」
「おい、お前まさか」
「あぁ、情報では最弱認定されてたマジックシューターをやろうと思う」
これはベータ情報の話だ。
銃クラスは4つしかなく、またメジャーな職のためかなりの人数がいたが、
ここで問題が起きた。
その惹かれる名前とビジョンで、マジックシューター及びシューターを選んだものが多かったのだが、
攻撃を当てるためにSTR(力)とDEX(敏捷)を上げるとガンナーに劣り、
魔法を強くするためにINT(知能)とSPR(精神)を上げると、攻撃が全く当たらなくなるという職業だった。
正確には当たらなくなるわけではなく、当てられなくなるのだが、
その被害者は数多く、キャラデリや戻ってこなくなるものも多かった。
「まぁ、情報を見た限り、お前ならあるいは……もちろん、考えがあってやるんだよな?」
「事前情報はある程度調べたつもりだ、もちろん考えはある」
その考えは簡単、ベータの情報を見ているとアシストがない場合プレイヤー自身のスキルで動くことができる。
その為VRFPS出身の俺はアシストがない方が撃ちやすいかもと思ったのだ。
「なるほど、となると確実に中・遠距離だろうし、俺は近距離だな。
またパラディンでもいいがパラディンは自分しか回復できないしな」
「いや、ユウキ近距離をやるなら純火力とかでいい、少なくとも回復はいらない」
「ふーん、それもまた考えがあるのか」
「まぁね、とりあえずそんな感じでお願いするわ」
「おけ、事前情報見ながら明日までに決めておくわ」
こうしてサービス開始前日は過ぎていった。