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━奴隷長屋ゴンの部屋━


早朝


「ゴン、行きますよ。」


さすがお嬢様、いつも変わらずブレる事なく、俺のベットの上で仁王立ちしてらっしゃる。

「畏まりました。」

俺は一言答えた後、自分が裸で寝ている事を思い出した。

しかし奴隷としてお嬢様をお待たせするわけには行かない。

俺は裸のまま行く覚悟を固めて立ち上がると、お嬢様は、1つ溜め息をついて仰られた・・・


「貴方の股にその醜いものが生えてなければ奴隷として完璧なのですけと、まぁ誰にでも欠点はあるものです、5分でその汚い物をしまいなさい、出発します。」


俺は「ハイッ!」と答えると大慌てで仕度をを調えた。


━冒険者ギルド━



お嬢様が新人向けの依頼ボードの前で考えてらっしゃる。

1つは毎度お馴染み夜の協同墓地でアンダーテーカーのお手伝い

1つは王都の夜間代行警ら

「ねぇゴン、何故これ程依頼が少ないのかしら?」

大変珍しい事ながらお嬢様が俺に質問をされた。

「お嬢様、他にも薬草の採集や街の清掃なんかもございますよ。」

俺の返答に、お嬢様は冷たく答えた。

「私が言っているのは討伐任務に付いてです。」

「我々は今だ新人冒険者です。ナニより王都が平和な事は結構な事です。」


俺の目を反らしながらの答えにまったく納得されなかったお嬢様は、何を思ったのか受付に向かって歩き出した。

俺としてはきっと受付の職員がスパッとお嬢様をあしらって・・・

お嬢様は躊躇わず新人の受付嬢シンディちゃんの前に立った。


「張り出して無い依頼書を出しなさい。」


お嬢様の命令にシンディちゃんはアワアワしながら答えた。

「今張り出してある依頼書が・・・」

「・・・出しなさい。」

お嬢様の圧力に屈したシンディちゃんは机の下に隠してあった依頼書をお嬢様に渡した。


何枚かの依頼書を見たお嬢様は1枚の依頼書をシンディちゃんに突き付けました。

「これにします。」

そう言うとお嬢様は俺に向かい依頼の受領を命令しギルドから出て行った。


俺は泣いているシンディちゃんの前に立ち、お嬢様が受けた依頼書を見て膝から崩れ落ちた。


依頼

王都近郊の村人がオーガの姿を目撃、早急な駆除を求む。


「・・・終わった。」


オーガ討伐と云えば、新人から中堅になる際の試験として出されるクエストだろ。

それもパーティ編成の・・・

あ〜あ、短い人生だったな〜

俺は受領証を貰うと溜め息をつきながらお嬢様の後を追いかけた。


━王都近郊の村━



お屋敷に立ち寄りもせずお嬢様は馬車を問題の村に向かわせた。


俺はギルドがお屋敷に走ってくれている事を信じてお嬢様に付き従った。


馬車が村に着き俺は馬車から降りてお嬢様をエスコートしようと車外に出たが、お嬢様は俺の手を取る事なく馬車の中から出ようとせずハンカチで鼻を抑えながら俺に命じられた。

「ゴン、目撃者に話を聞いてらっしゃい。この臭いには耐えられません。」


血とアンデット汁でテンションの上がるお嬢様は何故か田舎の臭い(家畜のうんち)をお気に召さない模様で馬車の中から出るのを躊躇われた。


俺は頭を下げると素早く馬車のドアを閉めた。


俺は村の村長宅を訪ね自分の立場を話その上でオーガに関する情報を求めた。


「おいっ誰か猟師のロッソを呼んでこい。」

「ロッソ?」

「あぁ百姓の傍ら罠猟師をやっとる奴さ。」

それから数分後ロッソはやって来た。

「オーガの話な、あれは5日前の事だ。俺は罠の回収に森に行ったんだ・・・」


ロッソの話によると仕掛けていた罠は壊されて掛かっていた獲物も持ち去られていたそうです。

ロッソは罠の周りに残されていた足跡からオーガと確認、その後足跡を辿って森の中の洞窟に入って行くオーガの姿も確認してます。

オーガの数は確認されたもので2体、個体の大きさから親子と思われるとの事です。


俺は馬車に戻りお嬢様に報告した。


「分かりました、ゴン、確認して来なさい。」

お嬢様の指示に俺は黙って頷いた。


━森の中━


午後


俺はお嬢様に昼食の用意をした後に森に偵察に出た。


罠猟師のロッソに大体の場所は聞いていたお陰で、それほど時間も掛からず目的の洞窟を発見する事が出来た。

何よりタイミングが良かったのは大きな猪を担いでいるオーガの親子を確認することが出来た事だ。

1体は2メートルを少し超えたメス、もう1体は1メートル50程度の幼体・・・だからってオーガは無理じゃね、めっちゃムキムキだし、顔とかチョー怖いんですけど・・・


━王都近郊の村━


午後


俺としては馬車に戻ると、そこには執事殿がいてお嬢様を説得し中止の指示を出してくれる、そんな風に事が進んでいる事を祈ったみたが当然の如く無理だった。


お嬢様は俺の話を聞くとすぐさま仕度に掛かった。


俺はもうどうして良いか判らずぼんやりと空を見上げていたら後頭部をバンさんにひっぱたかれた。

「ゴン、ボケてる場合か?

お前がここで踏ん張らなきゃお嬢様が死んじまうだろうが、兎に角出来るだけの手を打て!」


バンさんに発破をかけられた俺は、自分自身の仕度を始めようとマジックバッグに手を掛けた・・・

そう言えばお嬢様にお仕えする事が決まり、執事殿からこの旅行鞄(マジックバッグ)を渡された際に言われたっけ。

「よいか新米、必要と思われる大概の物はここに入れてある。

後は取り出すお前の心構えの問題だ!

何がなんでもお嬢様を御守りしろ・・・」


俺はマジックバッグの中に手を入れてひたすら願った。

オーガを殺れる武器よ出てこい!

そして俺の目の前にはバリスタと呼ばれる固定式の大型弓が現れた。


・・・これって城の城壁とかに設置して使うヤツだよな

もぉ〜ナンだよ〜ダメダメじゃん。


俺はバリスタの前で悶絶した。


そんな時、馬車の扉が開きお嬢様が現れた。

「あらっ面白そうな物を持ってきたのねゴン・・・良いでしょう貴方の案を採用します。」


そう仰られると森に向かって歩いて行きました。


アンッテナニ?


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