表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

1王都編


━王都郊外共同墓地━


深夜


俺は倒れ込んだ最後の一体の頸にバトルアックスを叩き込んだ。

"グシュ"

さしたる抵抗感もなく腐りかけのそいつの頭と身体は動きを止めた。


「お嬢様〜こっちは片付きました!」

俺の呼び声に対し

「えぇ判ったわ、こっちもすぐに片付くから」

そう云いながら対峙してる下級の吸血鬼を細身の銀剣を持って滅多刺しにしている。

それも凄〜く嬉しそうに・・・


本来のお嬢様の腕なら一撃で心臓を貫けるだろうに・・・ウン、深くは考えまい。

今の俺にはこんな頭のネジが何本かハズレちゃってる人でも大事なご主人様だし自分の奴隷に関してはとても優しい人だ・・・

俺が自分の頭の中で自己解決をはかってる間にご主人様の殺戮もとい討伐は終ったようだ。

「ハァハァそれじゃあゴンはギルドに提出する討伐部位を取り出しなさい。私は街でクールダウンします。」

そう言うとご主人様は血塗れのお召し物も気にせず街に戻って行った。


「畏まりました、メアリーお嬢様。」

基本奴隷の返事はこれだけだ。

俺はこの後、ご主人様が街で娼婦にナニをするか、その後ご実家の執事のランバートさんが揉み消しの為にどんな苦労をするのかを想像しながら、魔物の討伐部位にあたる牙をナイフを使ってほじくり出した。

"ゴリゴリゴキッ"

牙を外した後は復活阻止のため潰した心臓だの夜目に効く目薬の材料の瞳など売却できる部位を袋に詰めていった。

さて後はこいつをギルドに持って行って処理してもらえば、今日のお勤めも無事に終了だ。


俺は自分の武器を担いでお嬢様の後を追うように歩きだした。




王都冒険者組合(ギルド)


深夜


「はい、確かに共同墓地に発生した牙持ち1の討伐部位確認しました。後こちらの袋は心臓その他の部位ですね。」

「あぁ」

「はい、この保存状態なら問題なく買い取らせて頂きます。」

「あぁ」

「では支払方法はいつも通り口座振り込みで宜しいですか?」

「あぁそれで頼む。」

「了解しました。では次の方どうぞ」

俺は眠い目を擦って、毎度お馴染みの後処理を終えてギルドを後にした。


さてと取り合えずやるべき事はすべて終わりこれからは俺のプライベートタイムと云いたい所だか奴隷のプライベート何て仕事以外は喰う寝る位しかない。

たまに奴隷仲間の女にヤらせて貰うこともあるが、魔物退治の後に売春宿に突撃かますお嬢様ほどの体力も気力もない。

俺は身体を引きずるようにして屋敷に帰って行った。



━王都屋敷━


深夜


俺は疲れた身体を引っぱって屋敷の裏口迄たどり着くと馴染みの門番に挨拶をして潜り戸を抜けた。

屋敷裏から洗い場に向かった俺は洗濯井戸の前で徐に血塗れの服を脱ぎ捨て服を洗濯籠に放り込んだ。

お嬢様曰く魔物の血にまみれた状態でされるのが大変良いそうだが俺にはまったく分からない。

俺としてはさっさとグールの体液だかヴァンプの血液だかとはおさらばしたい。


俺は全裸のまま、道具のバトルアックスの汚れを落とし、その後自分の身体を洗った。まぁこの季節なら風邪を引くこともなかろうと身体の水気を落としたまま寝床についた。



━奴隷長屋ゴンの部屋━


早朝


目を覚ますとそこには魔物の血の匂いをプンプンさせたお嬢様が満面の笑みを浮かべて俺の上で仁王立ちになりながらこう仰った。

「さぁゴン狩に行きますよ!」


こうして俺の1日は始まる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ