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物語とあたし  作者: 針鼠
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竜王子と不幸な王女





誰も場所を知らない・・・どこか___遠い、遠い国のお話



勇敢な王子がいました。

王子は、勇敢でしたがそれと同時に傲慢で慈悲を知らない人でした。

美しい容姿と勇敢な姿に誰もが王子を愛しました。



ある日___王子は、魔法使いから竜の話を聞きました。



竜を殺した者には永遠の命が授けられると________

しかし、最後に魔法使いは罪なき竜を殺せば恐ろしい呪いがかかると言いました。


しかし____王子は、魔法使いの話を最後まで聞きませんでした。


王子は、北へ向かいました。そこには、まだ百年ほどしか生きていない若い竜がいました。

王子は、若い竜に毒を飲ませました。竜は倒れ苦しみました。王子はもちろん毒を治す薬をもっていました。竜は、王子に命乞いをしましたが、慈悲を知らない王子は聞き入れませんでした。罪なき竜を殺して王子は、永遠の命を手に入れました。

王子は、罪なき竜の首を国に持ち帰りました。王子は、罪なき竜を殺した事実をいわず、北の地で悪さをしていた竜を自分が懲らしめたと嘘をついて笑いました。


ある日_____竜が国を襲いました。


大きな白い竜です。竜は、王子を見つけるといいました。



「お前が、北の竜を殺した者か_____」

王子は、胸を張って言いました。

「そうだ、私が北の竜を殺した」

大きな竜は、叫びました。その声は雲を引き裂き大地を震わせました。

「私は、世界で最初の竜だ。すべての竜の王といっても過言ではない・・・_______お前は、罪なき私の息子を殺した。あまつさえ、命乞いをし誇りを失った哀れな息子をお前は殺した。お前は償わなくてはならない」

そういうと竜は、王子を醜い真っ黒い竜に変えた。

「醜いわが息子よ____お前は罪を償わなければならない。傲慢で慈悲を知らないわが息子よ。お前が本当の慈悲を優しさを知るまでお前は醜い竜のまま暮らすがいい」

そういって世界で最初の竜は空へと帰っていきました。

王子は嘆き悲しみました。

永遠の命を持ってしまったために死ぬことも叶わず永遠にこの姿で生きなければなりません。




王子は、それからも国を治めつづけました。

戦争をし、いくつもいくつも国を潰しました。戦争には勝ち続けましたが王子は満たされませんでした。王子は自分の醜い姿に呪いをこめつづけ咆え続けました。敵国から奪った美しい王女を妻にしましたが王子の飢えはみたされませんでした。いつしか、王子は飢えのために妻を食べてしまいました。

すると、不思議なことに一瞬飢えが満たされました。

それから、王子は満月の夜____王女を娶っては食らいました。



しかし____王子の飢えは満たされることはなく_____王子はいつしか皆から恐れられ

竜王子と呼ばれるようになりました。




_________今も竜王子は、飢えの為に王女を食らい自分の姿に呪いを込めつづけ咆え続けているそうです。









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