2時間目 -(1)
「俺が絶対このクラスをモブからメインにしてやる!」そんな気持ちから俺はさっきの言葉を発していた。
今日見ていて思ったのだが、このクラスは普通すぎる。
特に目立つ部分もなければ、キャラが立っているわけでもない。
よくあるメインキャラたちが倒す足がかり的ポジでしかない。
そんで、ネットにてあのモブ可愛いっとアニメスレで言われて終わるだけの存在だ。(地味に人気ランキングで6位とか取っちゃうやつ)
普通に可愛くね?それで終わり……。
それで……いいのか?
せっかく異世界来たんぜ?
それなのにまたモブポジ?耐えられねえよ!
しかも、なんといっても主人公キャラがこの学園にいることだ。
4時間目が終わった時に俺はミルニィに訊いていた。
「もしかしてだけどさ。今、ノリに乗ってるクラスとかねえかな?例えば、元々最弱だったとか」
俺が今まで読んできたラノベではよく、『最弱』とか『学園最底辺』とか『落ちこぼれ』が、頂点に登りつめるっというのがあり、今や主流とかしている。
だから一応、訊いたのだ。
「そうですねー」
嫌な予感がする。
「セイタさんにしては察しがいいですね。おっしゃる通り。現在、学園で最下位クラスであった者たちが徐々に勝ち上がってますね」
予感的中かよ……。
そして俺は決心したのだ。
「俺らのライバルは頂点であり、最下層にもいる!」
実は最強クラスの最下位クラスを頂点に登らせてたまるかよ。
「俺らはその全てを倒し、一位になろうぜ!」
そう言い切った俺は天井を見上げている顔を少し下げた。
生徒たちの反応は…………。
「いや〜サリは、別にそういうのはいいかな〜あはは〜」
「…………(こくり)」
サリがそう言うとユミルはそれに対し同意した。
「な……」
俺が言葉を失って口をぱくぱくとさせていると、続いてシルミーが口を開く。
「アタシも乗り気ではないです」
「な……ぜ?」
俺の思考が真っ白になる。
俺の計算ではサリみたいな奴が「おもしろそ〜」っと乗り気になって、シルミーが「ふん、アタシの腕を試せるなら参加させてもらう」って賛同し、2人がやるなら的な感じでシルミーがこくりと頷く予定だったのだが……。
「何を言うかと思いきや、そんなことを言うためだったんですか」
っと小声でミルニィが俺に言う。
そ、そんなこと!?
俺がパニクっているとさらに意見が出る。
「わたしは〜自分の時間がなくなるのはいやだな〜。もっと遊びたいしっ!」
「……本……読む……時間は……欲しい」
「アタシもこれ以上魔法の鍛錬が増えるのは……」
サリ、ユミル、シルミーは完全に反対のようだ。
くそお、これだからメインキャラになれないんだよお!
「先生、諦めましょう」
横でミルニィが囁くも俺は聞く耳を持たずにさらなる案が浮かんだ。
前の世界ではこんなこと言えないと思うが、今なら言える気がする。
完全に今の俺は頭がショートしてるからだろう。
「5、6時間目は……中止だ」
俺は顔を俯かせたまま低い声で言う。
一瞬でクラスは静かになる。
「サリ!」
「ん、ん!?」
「ユミル!」
「……!」
「シルミー!」
「は、はい!」
「俺とデートしてくれ!」
「…………」
「ええぇ!?」
次回はすぐに更新予定・・・。