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ささやきの運命  作者: 乾為天女


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第五十四章 愛の証明

空に浮かぶ巨大な魔法陣が、ゆっくりと輝きを増していく。

 悠聖と紗江は、互いの手をしっかりと握りしめたまま、それを見上げる。

 ——ドクン。

「これで……本当に“ささやき”は消えるの?」

 紗江が小さく呟く。

 悠聖は優しく微笑み、彼女の肩をそっと抱いた。

「お前は怖いか?」

 低く甘い声が耳元に落ちる。

 ——ドクン。

 彼の声が心に染みるたびに、鼓動が速くなる。

「……少しだけ」

 素直にそう告げると、悠聖は彼女の額にそっと唇を寄せた。

「俺がいる。だから、大丈夫だ」

 ——ドクン。

 その優しい囁きが、胸の奥に深く刻まれる。

「悠聖……」

 彼の温もりに包まれながら、紗江は静かに目を閉じた。

 未来がどうなっても、この人がいれば——。

「俺たちは、自分たちの未来を選ぶ」

 悠聖が力強く言うと、魔法陣がさらに強く輝いた。

 その光が収束し、紗江の手のひらへと流れ込む。

(この光は……)

 それは、“ささやき”の最後の力。

 そして——

「……さようなら、“ささやき”」

 紗江は、静かに光を手放した。

 その瞬間——

 空が、まるで新たな世界の夜明けのように輝いた。


 光が消え、戦場に静寂が訪れる。

 悠聖と紗江は、お互いの手を見つめた。

 もう、“ささやき”はない。

「これで……終わったの?」

 紗江が尋ねると、悠聖はそっと微笑み、彼女を抱き寄せた。

「いや、これが始まりだ」

 甘く低い囁きが、耳元に響く。

 ——ドクン。

 彼の腕の中が、今までにないほど温かく感じる。

「……私たちの、未来が」

 紗江がそう呟いた瞬間——

 悠聖が彼女の手を引き、ゆっくりと顔を近づける。

「お前が選んだ未来が、俺の未来だ」

 甘く優しい囁き。

 そして、静かに唇が触れる——。

 ——ドクン、ドクン。

 心臓が跳ねる。

 体が熱くなる。

(もう、私はこの人なしでは生きられない)

 未来がどうなろうとも、この愛だけは変わらない——。

 光の消えた空の下、二人の誓いが、確かに結ばれた。


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