第四十四章 恋人としての誓い
悠聖の手の温もりが、紗江の不安を溶かしていく。
——ドクン。
(どんな未来を選んでも、悠聖は私のそばにいてくれる——)
その確信が、胸の奥に広がっていく。
「紗江」
悠聖がそっと彼女の肩を抱き寄せる。
近い——。
彼の鼓動が伝わるほどの距離。
「お前は、どんな未来を選ぶ?」
まっすぐに見つめられ、心臓が跳ねる。
「……私は……」
紗江はゆっくりと目を閉じた。
そして、決意の言葉を紡ごうとしたその時——
「——待て」
管理者の声が、静かに響いた。
彼の目が悠聖へと向けられる。
「お前もまた、この未来を選ぶ者か?」
悠聖は迷いなく頷いた。
「俺は、紗江の選んだ未来を信じる」
その言葉に、紗江の胸が熱くなる。
(……信じてくれる)
それだけで、どんな困難も乗り越えられる気がした。
悠聖の腕が、さらに強く紗江を抱きしめる。
「お前はもう、一人じゃない」
甘く低い囁きが、心に溶ける。
「どんな未来になろうと、俺はお前と共にいる」
——ドクン。
紗江の視界が熱で滲む。
この人がいれば、私はもう何も怖くない——。
「悠聖……」
彼の名を呼んだ瞬間——
悠聖がそっと紗江の頬に触れ、静かに唇を寄せた。
「……信じろ」
額に落とされたキスが、誓いのように感じられた。
——ドクン、ドクン。
体が甘く痺れる。
この瞬間——
彼と私は、もう離れられない。
(どんな未来でも……この人となら……)
悠聖の手をぎゅっと握り返し、紗江は力強く微笑んだ。
「……一緒に、未来を選ぼう」
そして、二人は管理者へと向き直る。
世界を決める選択をするために——。




