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第一章/第1話:贄となる者たち

大樹祭当日、国全体が大樹祭へ向けた準備をするな中、すでに国の街中が盛り上がりを見せていた。


活気づく街の中を3人の青年達が大祭の祭り気分に充てられて、愉快に駆け回っている。


「ついに始まるぞ!早く来い、()()()()()()()()!」


「おい、ちょっと待てよハンス!お前、家の手伝いはしなくていいのか?」


「大丈夫だって。親父、真っ昼間から酒のんでるし、大樹祭へ向けてすっかり上機嫌だぜ!な、アンジェロ!」


「いやいや、お前家の装飾を手伝う約束すっぽかしてこんな街中走り回ってたってバレたら、ゲンコツ程度では済まないかもだぞ?」


「知ーらね!」


冷静に返事をするアンジェロの言葉なんてお構い無しに、ハンスは先へ先へと突っ走っていく。

一体何処へ向かっているのやら……。

お前が聞いてきたくせに、と言わんばかりに、アンジェロは顔をしかめ、不服そうな表情をハンスへ向けた。

だがその顔すらハンスは見ようとする素振りを見せない。


「まったく、お前の親父に見つかって俺まで怒られるのは勘弁だからな。前はホントにひどい目に遭ったぜ。」


「おいおい、その件はこの前謝ったじゃねえか。いつまでも引きずるなよ〜。」


「そろそろ痛い目見ても知らないからな。」


「2人とも、そんなつれないこと言ってたら戴冠者になんて選ばれないぜ?俺たちもようやく15歳になったんだ。もう戴冠者に選ばれる歳になったんだよ、俺たち。」


この大樹祭では、毎年15歳以上の老若男女の中から国王が15人、戴冠者を選定する。

戴冠者になることは、国民たちの一種の憧れとなっていた。

それはハンスも例外ではない。


「世界樹の中に入れるようになるってそゆなにいいことかな…?僕は正直、神域なんて怖くて入りたくもないよ。」


「ルフトぉ……お前、15歳になってもそんなだからいつまでも弱虫呼ばわりされるんだぜ?なんたって、神域に入って「永久の神実」を取ってくりゃ、国王になれるんだ。めちゃくちゃすごいじゃねぇか!」


永久の神実とは、口にすると永遠に衰えることのない体、つまるところ不老不死になることができると言われている奇跡の実である。


「単純だな、ハンスは。神域に入って戻ってきたやつなんて、今までで一人も見たことないぞ。ましてや、戴冠者に選ばれたら、半ば強制的に神域に入らされるそうじゃないか。」


「アンジェロの言う通りだよ。大体、永久の神実を見つけたいなら、なんで毎年15人ずつしか選ばれない戴冠者たちしか神域に入らせないようにしてるんだろう…?探したいものがあるなら、人数は多いに越したことないのに。」


「もー…お前ら考えすぎなんだよ。真意なんて国王にしか分からないことなんだから。無駄に頭働かせるだけ無駄だって。」


「それもそうか。ま、俺らがどうしようと、何も変わらないしな。」


「そういうもんなのかなぁ…。」


そうルフトが呟いたとき____


《ゴーン……ゴーン……》


大樹祭の始まりを告げる鐘の音が国中に響いた。


「お!大樹祭はじまりの鐘だ!!ついに始まったぞ!!」


ハンスが言葉を発すると同時に、島全体を揺らさんとするばかりの大歓声がエルグリンド中から巻き起こった。



大樹祭は今の王様の代から始まった行事で、案外歴史は浅いお祭りになります。

現王様の年齢は、大体50代中盤のつもりです。

先代の王は病にかかり、若くして亡くなっています。

それもあって今の王は何よりも病気や身体の衰えを恐れるようになりました。

先代が早くに亡くなったため、現王様は18歳の頃から王様を務めています。

それから、およそ20歳になる頃に大樹祭を作り、「永久の神実」を探させるようになりました。


後書きで話すような設定でもないですが、後々この設定を作品内で言及できる自信も無かったので、ここに書かせて頂きます。

今後、少しずつ文字数も増やしていけたらな、と思ってます。

応援よろしくお願いします。

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