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衝撃の判決結果

叫ぶ気力も暴れる体力も無くなった私は、男達に腕を掴まれ、抱えられるように引き上げられた。

 

「早く立ちなさい」

 感情の無い命令口調の言葉に応える事も無く、私は力なく立ち上がった


目的を果たした今、私にはもう何も残っていない


抜け殻のようになってしまった体を無理矢理動かし、ガクリと首をうなだれ抱えられるように連行される


両腕には頑丈な手錠をはめられ、囲まれる様に二階から階段を降りていくと、下では両親が物凄い顔でこちらを見ていた。

 

「凜ちゃん……あなた一体、何をしたのよ」

 

顔面蒼白のママが思わず問いかけてきた。パパに至っては言葉も出ない様だ


私は良心の呵責と申し訳なさで二人の顔を見ることが出来ず、うつむきながら絞り出す様に答えた。

 

「パパ、ママ、ごめんなさい……親不孝な娘で……」

 

それ以上は何も言えなかった、事の詳細は明日各マスコミから報道されるだろう、その為に私はやったのだ。


一連の騒ぎで私の家の周りはやじ馬で溢れていた。近所の住人たちが憶測と想像を働かせて色々な事を話している


そんな第三者達が好奇な目で見守る中、私は手錠をはめられたまま両脇を抱えられるように警察車両に乗り込むみそのまま連行された


この生まれ育った家と町に帰ってくることはもう無いだろう、だが悲しみも恐怖も憤りも無い、私の心の中にあったのはただただ虚しさだけであった。



翌日どのマスメディアもこの事をトップニュースとして伝えた様だ


〈様だ〉というのは私自身その報道を見た訳ではなく警察関係の人から伝え聞いたからである


今回の不祥事が明るみに出た事により厚生大臣の小崎宏明は逮捕され失脚


【サイバーテクノロジー社】の幹部数名も逮捕となった。しかしそれで私の罪が軽くなるという訳ではない


やってしまったのは事実であり、殺人よりも罪が重い国家反逆罪に相当する内乱罪と


国際法で定められた【ファントム禁止法】を破ったのである、どう考えても極刑だろう。それを承知でやったのだから仕方がない、そう仕方がないのだ……


マスコミやSNSを中心に私に対して同情的な意見が出ているようだが、その声が裁判に反映されることは無いだろう


現在の裁判は事件の罪状と経緯、そして過去の判例を元に五人の女神たちが裁決を下すというスピード裁判になっている


コレは〈弁護士の腕〉や〈裁判員の心象〉によって罪の重さが変わるのはおかしい、という観点から三年前の法改正によって定められた新たな裁判法である。


逮捕された日から二日間は留置場で過ごした私だが、三日後には法廷の場に立つことになった


大勢のマスコミが待ち構える中で裁判所へと護送される私


警護の警官たちに守られながら人ごみをかき分ける様に裁判所へと出廷するが遠くから


〈今の心境は?〉とか〈ご自分のしたことをどう思っていますか?〉というインタビューアーの声が聞こえてきたが


それに答える気力も無く、ただ促されるままに無言で裁判所へと入った。


今では裁判もオープンになっていてネットでライブ中継もされている。


全世界の人が私の判決の行方に注目していた。そんな中で裁判は静かに始まった


昔見た裁判のドラマとは違い、検察側も弁護士もいない、形式上裁判官は一人だけいるがどちらかというと司会進行役といった役割である


園裁判官が事の経緯と罪状淡々と読み上げていく、その内容に異論がある場合のみ手を上げて発言する事が許されるのだが、私はそれを黙って聞いていた


特に盛り上がる事も無く粛々と裁判は進み裁判官が全て読み終えると、いよいよ運命の判決の時である。


目の前にある大きな五つのモニターにそれぞれの女神達が下した判決が映し出される事になっている


日本を管理運営する五体のスーパーAIコンピューターの内、三体が【極刑に処す】と判決すれば多数決により私の【死刑】が確定する


世界中の人達が注目する中いよいよ判決が下される。だが私の心境は〈どうせ死刑だろう〉と半ばあきらめていた


全てをやり終え抜け殻のようになった私はどこか他人事の様な心境で判決を見守っていたのだが


下された判決は意外にも【懲役刑】であった、五人の女神はそれぞれ懲役期間こそ違えども【死刑】という判決を下したモノは誰一人としていなかった


そしてその中でも一番懲役期間を短く判決したのは意外にも【アウクソー】だったのだ。


この意外な判決に驚きを隠せない私はその場で呆然と立ち尽くした


裁判官が判決内容を読み上げる中、困惑する頭の中ではこの言葉だけが浮かび上がってきた、生き延びた……


下された判決は【懲役231年】、事実上の終身刑である


五体の女神様達が下した懲役年数の平均を取った形だ


一番短い求刑をした【アウクソー】ですら【懲役158年】だから私にしてみればどれも大して変わらないのだが、それでも何とか生き延びたのである。




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