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「えっと、ここはどこ……?」
どこか遠い所に飛ばされたのか?僕は?
確か、ネット小説にクリックしたら、急に全身が画面に吸い込まれたみたいな……
とにかく、長いような短いような変な経験だった。
僕は今、道が6つに分かれる交差点にいる。 少しだけぼーっとしてる頭で、辺りを見渡した。
「ここってもしかして、異世界……?」
石畳の道に、見渡す限り芸術品のような建物郡。
「人もいっぱいだ……」
あ、でも、人って言うべきなのか?だって、僕が普段見慣れてる人間とは、ちょっとだけ異なる外見を持った人もいるんだ。
「ふむふむ……」
それから僕は目を閉じて、耳を澄ませた。
色んな言語が耳の中に流れ込んでくる。 聞き取れない謎の言語も多いし、それに確かではないんだけど、英語?みたいな感じの言葉も聞こえたような気がする。あと、日本語だってその中にあった!
どうやら意思疎通を行うのには問題ないらしい。
さっきまで呆然としていた頭は未知の経験で、スッキリした。
「すっげぇ!」
まるでゲームだ!それも無茶苦茶リアルなやつ!
それにだ、こんな感じのゲームならこれまでやったことがあるんだ。
例えば、西洋が舞台のアクション系。剣とか魔法とか使えるやつとか。
「へへへ……」
僕の心は、突然異世界に吹き飛ばされたという一つまみの不安と、それを大きく覆い尽くすほどの興奮が入り交じる。
一人だけだからちょっと怖いけど……
でもずっと不登校として部屋に籠もるよりは絶対に楽しいはずだ!
「よっしゃ!冒険してやるぜ!」
それから僕は数十分ほど、とにかく移動しまくった!