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内容を全く変えました
「さびしいなら、私が友達になってあげる」
そういって差しのべられた、温かな手。
ほんの少し前までは、敵だった自分に。
頭の中が腐っているのではと思い見上げると、そこにあったのは満面の笑顔。
こんなのは初めてだった。
私の周りにいるものや、血縁関係のある者でさえ、いつも引きつった笑みしか浮かべないのに。その顔の下に隠しきれないほどの恐怖感を抱えながら、腫れもののように私を扱ってきたのに。
うれしさのあまり、私はその手を俯きながら取った。顔を上げなかったのは、思わず流れた涙を見せたくはなかったから。
それから数多の時間がたった。
彼女の魂が生まれ変わるたびに、私は彼女のそばに行った。
彼女が女になった時は女に。彼女が男になった時は男になった。
そんなふうに転生を繰り返していた時、彼女の魂が異世界に行ってしまった。
もちろん、私も彼女の魂を追って異世界に行った。
私にかかれば、異世界に渡ることなど簡単なことだったから。